第67回 パリピ孔明
「パリピ孔明」とは、パーティー・ピープルであるところの諸葛孔明という意味だ。ナンジャソレハ⁈なタイトルだが、今期のシリーズアニメで私的評価No.1なのだ。アニメーション制作はP.A.WORKS。原作はWEB配信漫画から週刊ヤングマガジンへと連載を移した同名の人気漫画だ。
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ハロウィンの仮装あふれる渋谷に転移したのは諸葛孔明。病死したはずなのになぜか若返って転生した。そこで月見英子の歌に心を深く動かされた孔明は、歌手を目指す彼女の軍師となることを申しでる。孔明は三国時代の作戦を応用し、英子は孔明の知略を借りていくつもの壁を乗り越えていく。
軍師孔明はいかにして月見英子の才能を世間に知らしめるか、英子はいかにして自分の歌、そして歌う場を獲得していくかが描かれている。
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今現在が舞台とはいえ、私は夜の渋谷の喧騒もクラブも知らない。私にとってパーティー・ピープルは想像上の人たちで、諸葛孔明は歴史上の人物だ。その2者を掛け合わせるとさらにファンタジー度アップだ。だがファンタジーでも、若者がステージを上がっていくのを見るのは気分が上がる。実際に歌手を目指している人たちがどんな気持ちでこの作品を見ていらっしゃるか推し量ることもできないが、ファンタジーだからこその急上昇が、私には面白い。(韓流ドラマ「梨泰院クラス」もそうだった。)
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先ほど「急上昇」と書いたけれども、英子の戸惑いや努力、歌への思いなどが丁寧に描かれていて、飛躍は感じられない。 その心理描写を大いに助けているのが彼らの「目」だ。
YouTubeでオープニングテーマ曲「チキチキバンバン」ノンテロップ映像をごらんいただきたい。孔明の変装(仮装?)が次々と現れるが、顎髭も相まっていかにもふざけた雰囲気が満ちている。だが、表情は透徹した眼差しのまま変わらない。本編でもここぞという場面では、孔明や英子は力を宿した澄んだ眼差しをする。この意志的な美しい目が、私の好きなP.A.WORKSの仕事だ。この目を見ると、短期間でぐんぐん伸びていく英子の才能と素直さが受け入れられるし、彼らを応援する気になるのだ。
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OPテーマ曲とEDテーマ「気分上々↑↑」は、2曲とも若い歌い手によるカバー曲だ。皆さんほんと歌が上手! ノリが良く、アラ還の身にも懐かしく、家事がはかどってありがたいです。YouTubeではJollyによる元歌も聞けます。
アニメ「パリピ孔明」の公式サイトURLはこちら↓
https://paripikoumei-anime.com
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諸葛孔明ってどんな人だっけ?横山光輝の「三国志」で復習するか…。
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kokomo
SHOJIさん、こんにちは。
この作品すごく面白かったです!さすがSHOJIさん的今季アニメNo. 1。SHOJIさんの記事がアップされてすぐに検索して「お気に入り登録」し、その晩から見始めました。あまりの面白さに11話まで一気見してしまいました。地上波では最終回の12話が終わったところもあるようですが、配信ではこれからですね。もう待ちきれません。
孔明と現代のミュージックシーンというとんでもない組み合わせってどこから来たんだろう?なんて感心しつつ、孔明も英子もKABEもみんな真っすぐでそれがオバちゃんにはまぶしい!英子の歌もアニメ中の彼女の成長と共に歌い方を変えていると思われ、「英子ちゃん、うまくなったねぇ」と思わずつぶやいてしまう私。
爆笑しながらこのアニメを見ていたら、息子がやってきて「何見ているの?」。息子はアニメや漫画には興味が薄いのですが、「これ学校ですごい流行っているやつだ。後で見るからよろしく!」と珍しくノリノリ。そして、「エンディング曲って大昔に流行った曲なんだよね?」と息子に聞かれました。大昔か??私には結構最近なんだけどなぁと釈然としない気持ちになりつつも、50代も高校生も引き付けるこの作品に万歳です。
ただ、歴史が苦手だった私には、含蓄のある孔明の言葉もちんぷんかんぷん。SHOJIさんが挙げてくださっていた『三国志』で勉強しようと思います....
SHOJI Post author
kokomoさん
いっき見なさいましたか!(笑)
そんなにうまくいくかな?と笑いながらも孔明の作戦があたるので、つい次も見てしまうんですよね。
私も配信で見ているので、最終回が楽しみです。
英子の歌は見どころ、聞きどころの一つですよね。
歌唱担当の96猫さんのインタビューを読んだことがあるのですが、相当工夫を重ねておられたみたいです。
(サイト名を忘れて紹介できす、ごめんなさい。)
Mihimaru GTの「気分上々↑↑」(2006年)も高校生にかかれば大昔ですか(汗)
うちのアラサー娘からは特にそういうコメントはなかったです(笑)
オープニング・テーマの元歌はハンガリーのJollyが2013年に出した曲のカバーですが、空耳で日本語歌詞が作られているそうです。
アニメOP曲Fullバージョンと聞き比べてみるとなるほどね、と思います。
と同時に、アラ還の私はさらに昔へとさかのぼり、空耳つながりで「のまネコ」でヒットしたモルドバ出身のZoneの「恋のマイアヒ」(2003年)を思い出しました。
我が家の「三国志」(横山光輝)は納戸の奥に眠っているので、今後実際に読むかどうかは自分でも分かりませんが(笑)、エピソードが分かりやすく描かれていた記憶があり、リンクをはりました。「泣いて馬謖を斬る」も「赤壁の戦い」も、なんとなく覚えています。
横山光輝は「項羽と劉邦」や「史記」の漫画も描いていて、中国の歴史漫画ならこの人!って印象です。
ゆみる
SHOJIさ~ん、「パリピ孔明」終わってしまいました(涙
初めてこの漫画を知ったのは、今年の元旦に乗った地下鉄の車両の扉付近に貼ってあったシール広告で。アニメ化決定とあったのでとても楽しみでした。
そして期待を裏切らない面白さ♪
オープニングの曲。YouTubeでこの曲に合わせて踊っている沢山の動画を見るのも楽しみになりました。そしてハロウィンの渋谷に転生ってご都合主義にしても最高!
アイディアとは既にある事の組み合わせって読んだことがありますが、
「諸葛孔明とパリピ」どうやったら思いつくでしょうか、マジ凄いですねw
次のシーズンもあると良いのですが。
取りあえず原作を読んでみようと思います^^
SHOJI Post author
ゆみるさ~ん、地上波でご覧になっていたのですね。私は昨日見逃しましたよ…。
漫画も以前からご存知だとは、さすが!
(スパイファミリーは2年ほど前に読んでましたよ!と対抗してみたりして 笑)
ダンス動画たくさんありますねぇ。
Avex公式YouTubeで英子が3DCGで「踊ってみた」動画を上げてますが、動きがよくわからないところがあって、RAB(リアルアキバボーイズ)というブレイクダンスユニットのを見て真似てます(笑)
パリピと孔明。
アイデアを揉んでひねり出したというよりも、いかにも思いつきって感じの取り合わせでビックリですね。
それでストーリー作っちゃうのが、またスゴイ。
英子ちゃんは、どこまでいったら本当の天下泰平なのでしょうか?
私は原作未読なので、読んだら違いとか教えてください(笑)