第73回 四畳半タイムマシンブルース
前回も少しご紹介したが、「四畳半タイムマシンブルース」がすこぶるオモチロイのである。ヨーロッパ企画の舞台「サマータイムマシン・ブルース」と森見登美彦の小説「四畳半神話大系」が“悪魔的融合”(←フライヤーにこう書いてある)をはたした作品をアニメ化。ちょっとネタバレになるけれど、粗・粗筋を紹介すると…。
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「私」は京都にあるアパート「下鴨幽水荘」に住んでいる。そこで8月11日、学内映画サークル「みそぎ」によるポンコツSF時代劇「幕末軟弱者列伝 サムライ・ウォーズ」が撮影されていた。監督は明石さん。サークルの城ケ崎氏、相島先輩、小津、城ケ崎の同級生樋口師匠らが出演している。
撮影後、唯一クーラーが備わった「私」の部屋209号室に、出演者らが涼みに集まってきた。だがある事件が起こりクーラーのリモコンが壊れてしまったのだ!そして何故かクーラー本体に操作ボタンがない!この夏せっかくクーラー付きの部屋に引っ越したのに、「私」がその恩恵に浴したのは数日だった…。その夜209号室では、樋口氏によりクーラーのお通夜が執り行われた。
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翌12日。アパートの倉庫室からあふれたガラクタの奥でタイムマシンが発見された!ちょっと乗ってみる?何時代に行く?帰って来れないと困るよね。そうだ、昨日無事だった時のリモコンを取りに行こう!そうすればクーラーの効いた快適な部屋で夏を過ごせる!かくして樋口師匠・歯科衛生士の羽貫さん・小津の第一次探検隊は昨日へと出発した。
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でもリモコンが無事ならば、「今日」リモコンが使えない「私」たちの存在はどうなるの?! ここはやはりリモコンは壊れたままにしておかねば!と考えた明石さんと「私」は、危機を回避すべく昨日の小津たちからリモコンを取り戻そうとするのだが…。
一筋縄ではいかないメンツを相手に「私」と明石さんが辻褄合わせに右往左往。果たして彼らは無事に未来を迎えることができるのか?!
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「四畳半神話大系」(アニメ初回放送2010年)でおなじみのメンバ-によるタイム・リープもの。今回あらたに登場したもっさりボーイ田村君も違和感なくなじんでいるが、それには深い理由がある。繰り返し見るほどに、癖つよキャラクターらがチャーミングに見えてくる。
映画「幕末軟弱者列伝」、クーラーのリモコンが壊れたきっかけなど、相変わらずへらへらした方へ流れていく彼らが大好きだ。舞台はアパート周辺だけ、時空移動は昨日と今日だけ。スケールの小ささがすごく可笑しいSFコメディ。
本編全5話と、劇場版にはない第6話(前日譚)、そして「四畳半神話大系」全話が、Disney+にて絶賛配信中!
もちろん永山瑛太、上野樹里らが出演する映画「サマータイムマシン・ブルース」も配信中!
*「四畳半タイムマシンブルース」公式サイトURLは下記の通りです。
yojohan-timemachine.asmik-ace.co.jp
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10月は面白いアニメが次々と放送/配信開始されています。「羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来」(全5回)は特におすすめです。アマプラ他で配信中!
そういえば9月あたまに劇場アニメ「ベルサイユのばら」の制作決定のニュースが流れました。楽しみですね!
kokomo
SHOJIさん、「物語のカギ」という本を読んでいたのですが、「四畳半タイムマシンブルース」が取り上げられている箇所がありました。SHOJIさんの記事も相まって見たい気持ちが高まっていたのですが、配信はDisney+だけのようですね。他のサブスクで配信されるまでもう少し待とうかどうか考え中です。
今季はアニメが特に豊作なように感じます。「SPY×FAMILY」、「チェンソーマン」、そして前の話がわからないまま見切り発車で見始めてしまった「BLEACH」。それに加えて「後宮の烏」と「ボッチ・ザ・ロック」も見ています。
そして、音楽ファンとしても大興奮の今季アニメ。前も触れましたが「チェンソーマン」のOPは米津玄師さんがKing Gnuの常田さんとタッグを組んだ「Kick Back」。米津さんは一時期ライブに行ったりと熱心に聞いていたのですが、最近はちょっとご無沙汰でした。しかし「Kick Back」はむちゃくちゃかっこいい!米津熱が再燃しそうです。「BLEACH」は推しのキタニさん担当。第一話のエンディングではサプライズで大好きな「Rapport」が流されて狂喜乱舞でした。「SPY×FAMILY」はバンプのOPも良いですが、エンディングのyamaさんの「色彩」が軽快でお気に入りです。そして「後宮の烏」は女王蜂のアブちゃん、「ボッチ・ザ・ロック」のエンディングはKana-boonの鮪さんの作詞作曲、「遊戯王」はフレデリックの「蜃気楼」と、ついつい興奮してずらずらと挙げてしまいましたが枚挙にいとまがないほど。以前はアニソンは「アニソン」として他の音楽と棲み分けをしていたような気がするのですが、今は人気のアーティストがアニメの曲を担当するようになったのですね。
個人的にアニメ豊作の今季、SHOJIさんが何を見ているのか興味津々です。これからの記事で読めるかな?楽しみにしています。
SHOJI Post author
kokomoさん
いつもコメントありがとうございます!
「物語のカギ」。検索しましたら、著者は「夜は短し歩けよ乙女」の翻訳アシスタントをつとめた方なのですね。そりゃ「四畳半」シリーズにも深い愛と理解があるに違いありません(笑)
劇場版アニメ「四畳半タイムマシンブルース」は公開期間も延び、公開劇場も増えていますが、配信チャンネルが増えてもっと多くの人の目に触れますように!
今季のアニメ。kokomoさんは音楽がアニメ選びの基準のひとつなのですね。
米津玄師の「海の幽霊」が漫画・アニメ映画「海獣の子供」のエッセンスみたいな曲だったので、「チェンソーマン」は、米津さんのオープニング曲ならば見てみようと、頑張って追いかけてます。アラカンにはなかなか辛いシーンが多いですが、オープニング曲からエンディング曲までが一話だと思っています。
「SPY×FAMILY」この街並み好きだわ~。トラムとか、いいわ~。
「後宮の鳥」これは見る予定です。絵と中華幻想譚という世界観が合っていて楽しみにしているのです。
今季一番熱心に見ている作品は11月にご紹介しますね。
最近のアニソンの動向について、私もkokomoさんに同意です。
「ONE PIECE FILM RED」の劇中歌を歌ったAdoが米国本格進出するとのニュースをご存知ですか。
アニメという船に乗って世界へ漕ぎ出す-これはもう若手アーティストの大海賊(?)時代だなと思いました。