Posted on by SHOJI
第118回 ニンジャバットマンVSヤクザリーグ
三月に配信開始された「ニンジャバットマンVSヤクザリーグ」は、第37回で紹介した第一作目以上にオカシイ。「笑っちゃう」のと「どうかしている」のを兼ねそなえたオカシさだ。
ティザー映像をまず見てほしい。
「ただいまヤクザ豪雨警報が発令されました」と、一度聞いただけでは何と言ったのか分からない天気予報の後で、大勢のチンピラヤクザがジェットパックを背負って降下してくるのだ。こんなアホな画面(えづら)あります?
〇〇改変がーとかバースがーとか、もうどうでもいい。なんで天空に町(日本)があるのか?とかなんでヤクザが支配しているのか?とかスーパーヴィランであるラーズ・アル・グールが丁寧に解説してくれるが、よくわからなくてOK。
本来は正義の味方であるスーパーマンらジャスティスリーグのメンバーが、ラーズ・アル・グールのせいでヤクザになり、ヤクザリーグを組んでいる。そして彼らとバットマンたちが戦う。唯一の味方侠客は、任侠道を説く大鷲天女の大阿奈姐さん。(見たことないけど往年の任侠映画「緋牡丹博徒」のお竜さんってこんな感じ? )とにかく、その関係性だけを頭に入れて、あとは見るのみ!
バットマンの子ロビンが、祖父であるラーズ・アル・グールやヤクザリーグに対して時々「わけわからない」とか「どうかしてる」とツッコミをいれるのだが、それはそのままこの作品を制作した人たちに対する私のつぶやきを表している。
前回にも増してかっこいい映像が、前回にも増してアホな展開を支えている。状況説明のシーンごとに見え方を変えた多彩な3DCGや手描き(風)アニメが実に楽しいし、言葉だけでは分からないイメージを美しくおもしろく提示してくれる。個人的には、1時間19分あたりでバットマンが空中に現れるシーンが大好きで、ぞくぞくわくわくしたくて何度も見ています。
とはいえ、ただオカシイだけではないのだ。昨日の友は今日の敵。今日の敵は明日の友。ひとのつながりって不思議よねと思わせる娯楽映画だ。