【File No.19】家庭的と言われるのが苦痛です。
家事全般を無難にこなすせいか
よく「家庭的ね」と言われて、そのたびにムッとします。
家事は義務としてやっているだけで、特に好きではありません。
少し潔癖症なところがあるので、手を抜くのが苦手なだけです。
どうしてムッとするのか自分でもよくわかりませんが
不快なので言ってほしくないのです。
家庭的と言われないためにはどうしたらいいでしょう。
50代 アマノジャク
まゆぽ:
うわあ、家庭的かあ。基本的にはほめ言葉だよね。
わたし、蟹座O型なんだけど、
占いにはよく「長所:家庭的」って書いてあって
うん、わたし、誰も気がつかないかもしれないけど
根っこは家庭的なんだと思っていたし。
でもよく考えると、ムッとする気持ちわかる。
家庭だろうと会社だろうと、
求められる能力はそう変わらないはずなのに
「家事」という仕事の能力についてだけ「家庭的」 って変と言えば変。
家事だって、 決断力やら体力やら知識やら責任感やらがいるもんね。
アマノジャクさんの違和感はそのあたりかな?
悪意なんてないのに、 人から言われてムッとする言葉ってあるのは確か。
わたしは夫と共同で会社をやっているので、
昔はけっこう、「いいですね、奥様が秘書って」って言われて
グーで殴ったろか、こいつ、と思ったなあ。
これ、ちょっとアマノジャクさんの気持ちと通じると思わない?
つまみ:
家事の能力=家庭内に限っての適性 みたいに
勝手に狭義で予測変換されちゃうとムッとするよねえ。
まゆぽさんの言うように
いろいろな能力や努力が合わさっての総合力なのにね。
そのへんのベタな社会通念、変わった方が風通しがいいよ。
まゆぽさんへの「奥様が秘書」発言も
旧態依然の想像力に欠けたイメージ産業の産物だよね。
私もたまに「いいお嫁さん」みたいに言われるなあ。
考えてみれば、これも、なんで
「あなたは類を見ない人格者だ!」ではなく
「まあ、いいお嫁さんだこと」なんだろうと
疑問をもつべきだった。うっかりしてたな。
あ、なんか急にムッとしてきたぞ。
アマノジャクさん、きっと多くの人が大なり小なり
不本意な決めつけをされてるんじゃないでしょうか。
だから我慢しろ、とは全然思いません。
私のように、あまり何も感じず
場合によっては「あらん♥」なんて思う鈍感なヤツより
冷静でステキです。
あ、本題の「家庭的と言われないためには」ですが
極力その言葉を排除したいなら
そう言われた瞬間、わずかに、でも確実に
グッと眉間にシワを寄せる、のはどうでしょう。
単純で地道な作戦がいちばん有効ではないでしょうか。
グーで殴ったろか!と実際に言えれば
それに越したことはないですけど!?
まゆぽ:
ちょうど、木嶋佳苗モデル小説と言われている
柚木麻子さんの『BUTTER』を読んでいたんだけど、
次のような記述がありました。
「家庭的ってそもそもなんなんでしょうか。
家庭的な味とか家庭的な女性とか」(中略)
「それだけ家族の形が多様化している現代で、
そんなものもう、なんの実態もないものです。
そんな形のないイメージに振り回され、
男も女もプレッシャーで苦しめられている」
なるほど、もはや一般的な「家庭的」のイメージは
現代の「家庭」に合わなくなってるってことね。
違和感感じるの当たり前なんですよ〜、アマノジャクさん。
そうだ、言われないためにどうするかだった、ポイントは!
「か」と聞いたら、「加計問題怪しいですよね」と話題を変える。
「かて」まで言われちゃったら、「カテキンはほんと体にいいみたい」
「かてい」まで聞いちゃったら、「仮定法はIf〜shouldです」
「かていて」と言われたらすかさず、「カテーテルは付けていませんけど」
「かていてき」まで言っちゃったら、「勝手言って来ます? どんどん言って来て」
あ、こういうのつまみちゃんの得意技だから、あとはお願い。
つまみ:
ひゃあ~!まゆぽさん、パワー全開じゃないか。
そして、「かていてき」って最後まで言っちゃってるじゃない。
私の出る幕、ないよ。
マヨネーズの口のところをハサミで切るように
ムリヤリ捻り出すよ、しょうがない!?
「かていてきね」まで完遂(?)されたら
「『酒、一滴ね?』いや、もっと飲もうよ」
…く、くるしい!くるし過ぎる!!
しかし、木嶋佳苗がモデルの小説かあ。
読みたいような読みたくないような、だなあ。
でも、そこは佳苗の言うとおりだね。
佳苗、人生訓を語らせたらスゴイんだろうな。
人生訓の説得力のポイントは「根拠のない自信」だもんね。
あ、佳苗の話じゃなかった。
アマノジャクさん、事実は見えやすくても
真実は意外と人見知りです。
家庭的という煙幕、欲しくても手に入らない人はたくさんいます。
せっかく持っているのですから、有効活用して
その内側で好きなことをすればいいのです。(きっぱり!)
やっぱりうさんくさいか。
まゆぽ:
あ、ごめんごめん。
最後まででしゃばってから振って。
苦しいながら絞り出した1滴は笑った。
もう一つごめんは、
引用した台詞は木嶋佳苗モデルの
主人公・梶井真奈子(カジマナ)のものじゃなくて、
彼女を取材してる週刊誌記者の里佳さんと
最後の被害者の姉の会話です。
カジマナの「家庭的」なところに惹かれた
被害者(弟)について、
その死と犯人逮捕に続くマスコミ攻勢から
しばらく時間がたって姉がもらした言葉でした。
たしかに、小説の中でカジマナの迷いなし人生訓はすごい。
つまみちゃんの読みは鋭いよ。
で、もう一度話を戻すと、
わからないヤツはほっておいても、
世間の「家庭的」観は変わっていくから
その一言で発言者の人となりが透けて見えるはず。
透かし見て楽しみましょう。
って、結局、自己中でいいと二人して言ってますわね〜、
わたしたち。
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アメちゃん
これで料理やお掃除が得意なのに、結婚してなかったりすると
「いい奥さんになれそうなのに、もったいない」
とか言われちゃうんですよねぇ。
もったいないってどーゆーこっちゃ!?
この才能は家庭内限定かい!!ってムッとしますね(ま、私は言われたことないが)。
もしアマノジャクさんが男だったら
「家庭的ね」って言われるだろうか?とふと思いました。
私はべつにフェミニストじゃあないけど
会社の飲み会で、女子社員が男性社員にビールをついだり料理を取り分けたりすると
「女子力が高い!」と高評価になる・・とか
こういう時代錯誤なマニュアルを流布して刷り込むのやめようよと思います。
もしかしたらアマノジャクさんは、家庭的じゃない自分、
仕事か社会活動か何かで表現してる自分の方を、もっと気づいて欲しいのかもしれません。
そちらのキャラがたってくれば、まわりも「家庭的ね」と言わなくなる気がします。
そうそう。ゲスい話なんですけど
木嶋香苗さんと松居一代さんの筆跡って、なんか似てるんですよ。
すごく人柄が出てる。
「根拠のない自信」って、お二人に共通のような気がします。
まゆぽ Post author
アメちゃんさん、こんにちは。
アマノジャクさんへの理解度、わたしより全然高くて深い!
自分たちが「女子力」=とりわけやお酌っていうムードに加担しないって
大事なことだと思いました。
女の子が人の分までとりわけしてると、
一緒にいる女子はちょっと居心地悪いじゃないですか。
だから「ありがと、ごめんね、気が利かなくて」とか
つい言っちゃうんだけど、
「ありがと、とりわけ係は右回りで回そうね〜」などと言えるようになりたい。
筆跡問題、アメちゃんさんの主張には真実があると思う。
二人とも、にっぺんの美子ちゃん(高齢層しか知らない?)みたいな
字を書くもんねえ。
つまみ
おはようございます。
ホント、アメちゃんさんの考察、深いです。
最近、すっかりご無沙汰ですが、飲み会っていろいろなものがあらわになる場ですねー。
気が利く人がいるとラクチンな反面、「気が利かなくてスミマセン」という居心地の悪さも確かに感じます。
「女子力」なんていううさんくさい言葉に比べれば「家庭的」はまだ可愛げがあるなあと思ったりもします。
冠婚葬祭に行くと、世話好きで気のいいオバサン(でも人の悪口は大好き)が必ず複数いて、こっちがぼおっとしている間に、食事の配膳も取り分けもお酌も後片付けすら主導権を握って、そこにはもう、家庭的とか女子力とかフェミなんていう言葉が入り込む余地はなく、ただただその迫力に押し切られるわけですが、そういう人が他者を気軽に「家庭的ね」と言ったりするコア層(?)なところもあって、でもいまさら宗旨替えを期待はできず、世代交代待ち、という面もあるのかなあと思ったりする今日この頃です。
アマノジャクさん、気づいてほしい別キャラを立たせる案、賛成の賛成です!!
爽子
うう~~。すごい。
ずっと「なるほど」を言い続けております。
「女子力」という言葉に、わたしも胡散臭いものを感じていましたけれど。
そのもやもやを解明してもらった気分があります。
もともと、ものごとをそうは深くはとらえない種類の人間なので、いろいろいわれても
「ん?」と思いつつ、忘れてるんだろうなわたしは。
木嶋香苗って、ワイドショーのスターでしたね。
あの堂々っぷり、迫力あった!
個人の不倫たたいたり、お詫び会見開いたり、見たくもないわ。
わたしは、最近テレビ消してしまいます。
BUTTER!読まねば。ごっつあん。(リアル関取に近づいてます。夏バテカモ~~ンぬ。
まゆぽ Post author
爽子さん、こんにちは!
「ん?」と思いつつ、忘れるタイプ、好きです。
忘却は力ですよ〜。
香苗さんのブログでね、『BUTTER』けっちょんけちょんです。
読んだら、そちらも併せてお読みくださいませね。