〈 晴れ 時々やさぐれ日記 〉 ああ、シャッポ。かぶることとぬぐことのあいだ
――— 46歳主婦 サヴァランがつづる 晴れ ときどき やさぐれ日記 ―――
夕方、 玄関のドアフォンが鳴って、ハイハイハイと鍵を開けると … アレ?!
「イェ~イ、だまされた?」
お友達のランドセル越しに顔を覗かせるのは黄色い帽子のうちの息子。
昨日はそのまま彼らのおしゃべりがはじまったので、冷蔵庫からお茶など用意して玄関へ。どうやらクラスメイトのはなしのようです。ついついおばちゃん根性で、「へ~~、○○くんってすごいんだね~」と口をはさむと、「 … でも、あいつ字はきたないんだよな」「そうそう、先生にいっつも注意されてるもんな」と。
ぷっ。
おもしろいな~と思いました。彼らはあきらかに○○くんの「かっけーところ」をはなしていたのに、わたしという外野が同調すると、咄嗟に○○くんのウィークポイントを口にしたのです。
かわいいな~と思いました。○○くんのかっけーのは認める、でも、彼は字は汚い。字が汚いってことでかっけーとチャラかどうかはさておき、きっと「悔しい」気持ちが先に立ったのでしょう。ほぼ反射的に反発したくなる気持ち、わっかるな~。
何かのメディアで見た同じ年代の女優さんに、わたしのセンサーはたしかに反応したのに、「でもね~、写真って、そーとー修正がきくっていうしね」とか、「でもね~、このひとむかしすったもんだあったのよね~」とか、アラ探しをはじめる自分がいます。褒めるより先にまず貶す。貶しのスピードが速いほど、たぶんわたしは「ぐやじいー」と思ってるんだな~。
むかし、子ども時代。 子どもの目線で見ていても、理不尽だな~おかしいな~と思う大人の世界のヒエラルキーがありました。子どもの世界は狭いので、子どもが知っている大人の世界は、ご近所だったり、親戚だったり、せいぜい親の周囲のひと、です。それでも、おかしいな~なんでかな~と思う関係性というものが現にあって、子どものわたしが「おかしい」と思っていることを、当の大人はいったいどう納得し、どう消化しているのかが不思議でなりませんでした。
大人には耐性と胆力がある。耐性と胆力のある大人のひとはみな総じておとなしい。 わたしは果たして、ああなれるのかしら?あの頃わたしはそう思っていました。
さて。わたしは「大人」になれたか?
ぷ。
だめじゃん。 同年代でありながら、妖精のような可憐さを保つ女優さんを見るなり発揮するわたしのムダな瞬発力。たまたま目にしたFBで、古い知人の活躍の様子に一瞬にして吹き出すおかしな脳内モルヒネ。クリックしたのは自分なのに、そこにあるまぶしいものを斜な構えで、片目で見ようとする悪いクセ。
ふ。
アラさがしに躍起になろうが、過去の記憶をこと細かにたどろうが、今、厳然とある彼我の距離はどう足掻いても埋まりはしない。。。
「おとなしい大人」を引き合いにしましたが、 「むかしはよかった」とか「むかしの大人はえらかった」と言いたいのではないんです。
だって、黙っていられる部分は強かった。 でも、黙りすぎる部分は弱かったと思うので。
「悔しい」と思う気持ちを、累々と積み重ねながらも口を閉ざしていただけかも知れない。 まぶかに被った帽子のかげで、本当の気持ちをじいっと押し殺していたのかも知れない。
ひょっとしたら、歴史は、 ひとびとの様々な「悔しさ」が、堆積してうねって爆発して動いてきたのかも…知れない。 (あら、大げさな)
素直になれる「今」でよかった、と思います。
身もだえしながら、妬かれながら、「今」をつくってきてくれた先人に感謝します。
それと同時に、こうも思います。
まぶしすぎる何かに向かって、 潔くシャッポを脱ぐワザを わたしは明日にでも、真剣に、身につけたいぞ。
はいはい息子~、 正しい「悔しがり方」、正しい「素直さ」、おかあさんといっしょに身に着けていこ~。 まず、靴そろえなさいー。洗面で手、洗いなさい―。あ、黄色い帽子、投げたらあかんでー。
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たま~に覗かせてもらう近くのお店のブログが素敵だったので、 勝手に紹介させていただきます。Mさん、今度またおじゃまさせてね。
自分にはない表現が出来る人や
感性に出会えたときは刺激的で
感動と興奮を覚えます
他の個性に寛容であること
そして個を素直に表現できるということ
そんなことを大切にしていけたら
きっと日常はより豊かになるだろうと思います
わに
ねっ ねっ
ローカルな話なんですけど。。。。。
黄色い帽子って。。。。
かぶっていたら 登下校中に 何かあったときに 保険がきくって帽子ですか?
それとも 施設??等 の 入場が無料になったり 割引になったりする 印籠みたいな帽子ですか?
最近 ワタクシ
「ダンナがねぇ~・・・・」
「もう 駄目かも・・・・」
「ちょっと 離れてみようかな・・・」
てな 話?を聞いて
つい
「そうね 距離をおいてみるのもいいかもね」と 同調したら
「あなたは なにもわかってない。 彼はそんなに悪い人じゃない・・・・!!」
「夫婦の問題に口をはさまないで!!」
と
旦那の いいところを 次から次へと。。。
はぁ。。。。。。
大人の対応は難しいです(笑)
サヴァラン Post author
わにさま
コメントありがとうございます!
黄色い…ワッペン、
一年生の黄色いワッペンは交通事故の際の保険証(?)でした。
学校指定の黄色い帽子…わたし、ほんとはイヤだったんです。
でも!目立つ、目立つ。お、小学生!って目立って安心です。
同調圧力ならぬ
同調反発ってありますね~。
「彼はそんなに悪い人じゃない!!」ってパターン
あるあるある~!
「そうよそうよ」って同調するときは
右見て左見てもう一度右見てっていうくらい
気を付けなきゃいけないかも知れませんね~。
交通整理のつもりが
交通事故に巻き込まれないために^^