音楽番組での出来事
はじめまして。地方のラジオ局でコリコリと番組をつくっています。気がついたらこの春で25年。すっかり古参となりました。ラジオ全盛期はとっくに終わり、最近ではラジオを聴いたことがないという若者も増えているとか。‘エアチェック’なんて言葉、死語ですよね?!
ラジオの制作現場はとても地味。少人数です。でもその分、カジュアルで自由な空気がスタジオに満ちています。パーソナリティーは、聴き手(リスナー)の想像力を借りて、語ります。作り手は、聴き手の反応を確かめながら、番組を進行していきます。そんな双方向なラジオメディア、愛すべきラジオメディアが、どうか後世に残りますように。…こんな思いも込めながら、ゆるりゆるりと、ブログを書かせて頂きます。どうぞよろしくお願いします。
放送中、ディレクターの私は、ガラスで仕切られたブースの中のパーソナリティー(MC)と、常にコミュニケーションをとっています。ボタンを押して直接会話をすることもあれば、ジェスチャーで合図を送ることもあります。
「次、曲にいくよ!」は両手の人差し指と親指をくっつけて小さな円を描く。「次はCMね!」は両手を使ってTの字を描く。「時間がないから、まいてね!」は片手を頭上にあげてグルグル廻す。「もっと話を延ばしてちょーだい」は粘着物を両側に引っ張るように、何度も両手をくっ付けたり離したりする…という具合に。
スタッフ側の表情も大切です。おもしろい話が展開されれば、手を叩いて笑ったり、話が迷走してきたら、首を傾げてみたりなど。
そんな中、一番気持ちを込めたやりとりが「ごめんなさい」かもしれません。放送中にミスしたら、すぐに謝って気持ちをリセットしないと、次なるミスを誘発してしまいます。ですからパーソナリティーやディレクターはもちろん、ミキサーやオペレーターに至るまで、皆、潔く謝ります。まあ、笑える失敗からシャレにならない失敗まで、いろいろありますけど。軽度の失敗なら片手で「ゴメーン」。重度であれば両手を合わせて「す、す、すみません!誠に申し訳ない~!!二度としません~!」。そんな時、周囲も「ドンマイ~♪」と声をかけます。
25年間、私もいっぱいやらかしてきました。痛すぎる失敗は非公開とさせて頂きますが、笑い話として紹介できる失敗もいくつかあります。そんな中で若かりし頃のエピソードをひとつ。
1994年、私はランキングを紹介する音楽番組を担当していました。邦楽ベスト10、洋楽ベスト10、今週のおススメ新譜、アーティストコメントなどを盛り込んだオーソドックスな番組です。今は台本はパソコンで作りますが、あの頃は何もかも手書きでした。ペンと定規を使って、アーティスト名や曲名、曲を出すタイミング、つなぎのコメントなどを、キューシートと呼ばれる紙に書きこんでいきます。番組当日はそれを見ながら、MCが曲を紹介していくのです。
ZARDや今井美樹、大黒摩季、TUBE、槇原敬之、米米CLUBなどがヒットを連発していた時代です。そんな中、ドラマ「ひとつ屋根の下」で火がついた福山雅治さんのアイドル的人気は別格でした。今もとても素敵ですが、あの頃の福山さんは、完璧すぎるくらい美しかったのを覚えています。
で、福山雅治さんの曲が、その週の邦楽ベスト10にランクインし、男性MCが生放送で曲紹介をする際。「さぁ発表しましょう。今週の第○位!!福山…まさ…?まさ…??うっ、くぅ、っ、…!!」と、笑いをかみ殺し、しゃべれなくなってしまったのです。横にいた女性MCも顔を下を向いて、笑いをこらえ、肩をぴくぴく。‘曲にいってくれ!’的なジェスチャーをするので、とりあえず曲を出して、台本に目を落とすと・・・
そこには私の幼稚な丸文字で、「第○位、福山雅三(ふくやま・まさぞう)」と書いてありました。
福山さん、ごめんなさい!そういえば前日、台本を書いている途中で電話が鳴って。電話に出たものだから、福山さんの名前が途中になっちゃったんです。雅治さんの‘治’の字のさんずいを書いたところで、電話に出たもんだからぁ。さんずいが私の丸文字では三に見えて。マサゾウになっちゃった。あは。
美男子福山さんのイメージとはかけ離れた「まさぞう」ショックに、MCの2人はしばし笑いのツボに入り、回復まで時間がかかりました。あは。
・・・と、ここまで読んで下さった方、ありがとうございます。もしラジオを聴かれることがあったら、MCのトークがちょっと詰まった時、一瞬間が空いた時など、スタジオで何が起こっているか想像して頂くと楽しいかもしれませんよ♪
masakobe
がっちゃん(さん)、初めまして〜♪
ディレクターさんだなんて、業界の人ではないですか!(*^^*)
何を隠そう、朝イチはテレビではなくラジオを点ける派です!『FM COCOLO』のパーソナリティ、ヒロ寺平さんのおしゃべりが好きで。
そっかー、若者はラジオ離れしてるのか・・・。
ラジオのいい所は、なんせ、ながら仕事ができるということです。
ふいに好きな曲がかかると、テンション上がりますしねー。
ただ、TVを点けていなかったため気象警報が出ているのを知らず、子供を登校させてしまったという失敗もありましたが(笑)。←学校からのお知らせメールとかない時代
福山雅三エピソード、ええ感じです(^m^)
やらかしてしまった失敗談含め、これからの更新を楽しみにしていますよ〜。
つまみ
がっちゃんさん、はじめまして。
NHKFM福島放送局の土曜午後の「リクエストアワー」と、谷村新司の「セイ!ヤング」で10代を過ごした、筋金入りのラジオ大好きっ子(←このフレーズを使ってみたかった)のつまみと申します。
今は、「すっぴん!」と「たまむすび」と「ひるのいこい」、居住区のFMのノンストップなつかしの歌謡曲、をよく聴いています。
ラジオブース、一生に一度は入ってみたい場所です。
そこから、世界を、音楽を、暮らしを、見てみたいです!
そんなあこがれの場所にいらっしゃる、がっちゃんさんのブログ、ワクワクします。
疑似体験、楽しみにしています。
ところで、福山雅三って、加山雄三のバッタもんみたいですね(^-^)
アメちゃん
はじめまして!
私はテレビを持っていないので、ラジオ大好きっ子です^^。
中学高校生のときは、ABCラジオの「ヤンリク(ヤングリクエスト)」や
オールナイトニッポンを聴きながら、試験勉強していました。
いまも、FMよりAMのほうが好きで
元関西テレビのアナウンサーだった桑原征平さんや、上沼恵美子さんの番組は
おしゃべりがとても面白くて好きです。
あと、オールディーズをかけるリクエスト番組の「名曲ラジオ 三浦紘明です」とかも
ゆったりと夜を過ごせるので大好きですね。
ラジオって、リスナーとパーソナリティ、スタッフの人との距離がとても近い感じがします。
だからリスナーの方も、スタッフの人を愛称で呼んだり
ディレクターの私生活を知っていたりしておもしろいです。
ちなみにー。
最近、テレビを捨ててラジオっ子になってる人、多いような気がしますよ〜。
がっちゃん Post author
masakobeさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
お!朝はラジオ派ですか!
一日の始まりに聴く番組って、いつも使うお醤油みたいに
「これじゃなきゃ、だめ」って感じになりませんか・・?
(…お醤油っていうより、空気ですかね…)
とにかく、自分と相性のいい番組ってありますよね。
FMCOCOLO、今度ポッドキャストできいてみますね。
ちょこっとタイムテーブル拝見したところ、
いいかんじの番組ですね~。
タイガース情報もあるところが、さすがです。
お天気情報も頑張って流していきます。
またよろしくお願いします。
がっちゃん Post author
つまみさん
はじめまして。よろしくお願いします。
私も高校時代、地元NHKFMのリクエストアワー、聴いてましたよ!
フルコーラスで曲がかかっていたので、エアチェックもしてましたね。
タイミング見計らって、ガッシャン!ってラジカセのボタン押すんですよね。
一方、セイヤングは電波状況が悪くて、ほとんど聴けませんでした。
夜はFM東京のクロスオーバーイレブンを聴いてました。
つまみさんは、筋金入りのラジオっ子でいらっしゃるんですね!
素晴らしいです♪
これからもおもしろい番組、いろいろと教えてくださいね。
あ、「すっぴん」、高橋源一郎さん担当の金曜日を聴きたいと思いながら
ちょうどその時間、私も生番組を担当していまして。
NHKは「地球ラジオ」などを楽しんでいます。
加山雄三福山雅三、・・・・・・・ホントだ!
がっちゃん Post author
アメちゃんさん。はじめまして。
完全ラジオ派でいらっしゃるんですね!
そして、周囲にラジオ派の方が増えているんですね。嬉しいです~。
関西はラジオ文化が成熟していて、羨ましいなと思います。
たまにラジコで聴いたりしますが、めちゃ面白いです!
(このあいだ、ABCの道上さんをききました)
あ、昔聴いておられたという「やんりく」って、
リクエスト番組ですか?
電子メールが登場するまで、ラジオ局へのリクエストって、
ハガキか電話かファックスでしたね。
‘電リク’っていう言葉を聴くと、胸がキュンとします♪
またよろしくお願いします。