ミラノで草の根クールジャパン活動!着物で市場に出店してみた。
故郷は遠きにありて思うもの
心にしみるこの一句。海外生活十うん年、現地のお友達もたくさんいるが、滞在年数にかかわらず、っていうか長くなれば長くなるほど、我が祖国への憧憬の念が濃くなるものなのかもね。
幼少期を過ごした土地が、それぞれの人の根幹部分を形成するような気がするな。つまりどこにいても私は片時も離れず日本人だし、その日本人の私が物事を見て感じて、さらにいろいろなことの価値判断基準になっているんだ、と思うの。必要に応じてその許容範囲が柔軟になった、てのはあると思うけど。
なもんで、外国で、日本ではありえないような理不尽な出来事に遭遇したりすると、「日本では、こんなこと絶対ありえない!あぁ、恋しや我が故郷」となるわけ。
で、そういう思いが膨らんでって、帰国時に、自分の“妄想的日本”とかけ離れた“現実的日本”を前に、「えっ~!、なんで~!!こんなことってありえなくない???」となり、それがハタの人からすれば日本批判に見え、「あー、これだから外国かぶれはいやだわね。」、となる展開。さらに周りからは、「空気読んでない」などと言われ、「空気?それなら読むものではなくて、吸うモノでない?」なんてことになるのよ。
ここはどこ、私はいったいだれ? の世界。
前置きが長くなったけれど、海外在住の人たちは表面上はどうであれ、一般的に日本にいる人よりももっともっと日本を愛している部分ってあるんじゃないかな。
てなわけで、自他ともに認める猪突猛進型の私、
「草の根的クールジャパン活動」に乗り出した!
まず第一弾はこれ。
今、ミラノで一番気の合う日本人友M子と共に、週末に開かれるメルカディーノ(露天市場)に
着物試着と友禅生地を用いた小物販売の屋台を出店する運びとなった!
M子は日本で二人の息子を成人させた後、一人でヨーロッパで着物を普及させるべく、たくさんの着物と共に渡欧してきた、これまた一見おっとりしていながら大胆かつ無謀な精神と行動力を
持った不思議な女性なの。
週末の朝早くから、たくさんの品物と共に、ミラノ郊外のそのメルカディーノが開かれる広場に到着。M子に着物まで着せてもらって、慣れないながらなんとかお店の格好は整った。
↓こんな感じ。
が、しかし!
売れない。
人は集まるものの、価格帯が合わないのか、
「きれい!」とか「すばらしい!」とか言ってはくれるけど、販売の方は全然ダメ。
やっぱり出店料はタダ、に惹かれて出店したメルカディーノのテーマが、「食」だったのがまずかったのかも。他のお店は無添加系小麦粉やらハチミツやらなんだもの。
開始から2時間ほどでもう我が店の販売の方はあきらめムード、プラス周りのお店がとっても気になる。
隣りのお店は、地元の小麦粉の露店で、
小麦粉と卵を見事な手つきで混ぜ合わせて、
あっという間にパスタのタネを作ってしまったイタリアン・
セニョーラ!
わ~!正真正銘イタリア・マンマの手作りパスタ!教えて教えて!
もうわがお店そっちのけ~。どうせ我が店のモノが売れないなら、何にもなしで帰るよりは何か学んで帰った方がええんちゃう??
↑手作りパスタに必死になる着物姿の日本人女性がおかしくて、写真に撮られた!
もう完全にタガが外れた私。自分のお店はほったらかしにしてゲットした戦利品。↓↓
修道女の手作りリンゴとクルミのジャム 4ユーロ
はちみつの露店で見つけたプロポリス 6ユーロ
隣りの店で買ったでっかいパン 2ユーロ
近所のイタリア・セニョーラ作、手作りのケーキを入れて持ち運ぶ袋 15ユーロ
計 27ユーロ
これに対し
自分のお店の売り上げ 0
いくらなんでもあかんやろ~?
mity(ミティ)さんのプロフィール
1966年大阪市内の下町生まれ、下町育ち。「ひま!」を持て余して、野生児のように自由な少女期を送る。同級生だったオッチャン(夫)の仕事の都合で、海外生活は18年。
関西人的思考、生き方は海外では案外やりやすい、と実感を強めている今日この頃。現在はイタリアミラノ在住、3人の子供とワン連れのたくましくも美しい現在進行形大阪のおばちゃん。
★質問やコメントなどどうぞ♪ mityさんが実際に答えてくださいますよー!
takeume
楽しく拝読しています。
テーマが「食」の場所にチャレンジしたお二人はクールジャパン!!代表でございます(^^)
M子さんもすばらしい志を持って、日本を身近に感じてもらう草の根は
こういう方々の活動によるものなのですよね。
ありがたや、ありがたやです。
これからも、クールジャパン活動楽しみにしています~~。
mity
takeymeさま、コメントありがとうございます。
「とりあえず、やってみよか!」的発想で、私たち自身楽しむことをモットーに、まずは続けることを目標にはじめてしまいました~。
失敗を笑いに変えるおばちゃん的ど根性だけが売りの私、考えてみれば所詮失うものはない!のでした。これからのこともまたアップしてゆきます。楽しんでいただければ嬉しいです。
nao
はじめまして、こんばんは!
和装の小物、すごく素敵!!
私だったら欲しいんですけど
イタリア人のツボは違ったのでしょうか?
うまくはまれば売れるような気がします。
それにしても草の根国際交流は楽しいですね。
四半世紀前に青年海外協力隊でバングラデシュへ行ったときは
日本が恋しいというよりも、現地の人に日本をもっとちゃんと紹介したかったなと思いました。
mity
naoさま
コメントありがとうございます!
和装の小物、素敵といっていただいてとってもうれしいです!
日本在住のクリエーターさんが真心込めて作った作品を、私たちの心意気を理解いただいて預けていただいたモノなんです。すべてヴィンテージ着物しるく100%!今回「食」がテーマのメルカディーノだったので、売り上げはXXXだったのですが、気に入っていただける方には、とても喜んでもらっています。これにめげずにがんばります!
4世紀半前のバングラディッシュへの海外協力隊も相当なチャレンジですね!