4月26日はカレー記念日

カレー記念日

背中痛い 言われてのみこむ 私もよ

4月26日はカレー記念日

Jane

投稿はこちら

カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

みんなのカレー短歌 一覧 >>

ゾロメ女の逆襲

【月刊★切実本屋】VOL.77 なぜわたしは岸本佐知子さんを近しく感じているのか&最近読んだ本

翻訳家の岸本佐知子さんを勝手に近しく感じている。昨年もこの場所で岸本さんのエッセイについて書いたが⇒ 近しく感じるのは、エッセイに共鳴するからとか同世代だから‥以外にも理由がある。姓だ。

なにを隠そう(隠すほどでもないが)わたしの旧姓は石本(いしもと)である。日本人の姓としては、多すぎず、さりとて珍しくもない、クラスや職場でカブることはまずないが三文判はふつうにあるという、きわめて平場な姓だと思う。平場の使い方が間違っている気がするが、平場って言ってみたかったので許してほしい。

ところで、石本という姓にはとんだ落とし穴がある。口頭では一発で認識されないことがほとんどなのだ。ふつうに言っても、い・し・も・と!と力強く区切っても、たいてい「はい、西本さんですね」と返される。その茶番、ひと悶着率は9割を超えたと思う。あまりに伝わらないので、自分の滑舌に問題があるのかとひそかに傷ついていた。結婚して、母音aはじまりのそのへんにゴロゴロいる姓に変わったら、悶着は皆無になり人生のストレスが減った。そのせいか、旧姓にこだわる気持ちはまったく芽生えなかった。今日まで離婚していないのもきっとそのせいだ(勢いで書いている)。

岸本さんも、役所の窓口や電話で「西本さん」と言われる人生を過ごしてきたのではないか。石本と岸本‥「母音iはじまりの〇しもと」は、西本に駆逐されがち仲間である。菱本さんも入れてあげてもいい、一人も知らないけど。‥なんてことを謳ってみたが、あれ?もしかして岸本佐知子って本名じゃなかったりして、とか、岸本加世子だって同世代の岸本さんなのにそっちはスルーか?と気づいた。まあいいや。

そんなわけで岸本佐知子さん。最近読んだ『ひみつのしつもん』も今まで同様、変人ぶりをいかんなく発揮していて、自虐エッセイも究めれば盤石な自己肯定だとあらためて思い至る。本当に自分をダメだと思っている人は偏屈な自分をこんなにおもしろおかしく曝さない。うっかり「ホントにダメな人かも」「仲間かも」と思いそうになる。違う違う。


Amazon

最近読んだ同世代つながりで言えば、『天と地の方程式①~③』(富安陽子/著)も面白かった。児童文学にこの人あり!だが、作品数が多過ぎて二の足を踏んでいた。仕事関係者から「やっぱり富安陽子はすごい」と聞いて読んでみたが、噂に違わぬ実力者だった。児童文学を読んでいてときどき感じる「主要人物以外はストーリーを進めるのに都合のいい駒」感を正直この作品でも感じないこともなかったが、主軸がしっかり面白いので許す!ナニサマだ?


Amazon

『天と地の方程式』には、複数の天才中学生が出てくるが、『ギフテッド』(藤野恵美/著)はタイトルどおり、ギフテッドと呼ばれる、賢い、知能が高い、とされる子どもの生きづらさ、親の育てづらさにスポットを当てた小説だ。

わたしがギフテッドという言葉を知ったのは、かの「クイズ脳ベルSHOW」がきっかけだ。女優の岩崎ひろみさん(歌手ではなく、朝ドラ「ふたりっ子」に出た人)が出演したとき、その回答率もさることながら、回答時の淡々とした遠慮のなさにキャラとは違う違和感を覚え、Wikipediaで彼女を検索し「ギフテッドである」という表記を発見した。

いいなあ、ギフテッド。わたしも高い知能が欲しかった‥と凡人中の凡人(わたし)は思いがちだが、彼らはそんなギフト(ギフテッドの語源)が贈られても必ずしもありがたくないことが、リアルに説得力を持って描かれたのが小説『ギフテッド』だ。


Amazon

続いては『水車小屋のネネ』が今回の本屋大賞にノミネートされた津村記久子さんの『うどん陣営の受難』相変わらず、愛すべきへんちくりん小説だった。だいたい、うどん陣営って?だ。もちろん読めばわかるが、わかったとて、だ。ある会社の経営陣の選挙戦の話だが、こう書いてもイメージが湧きづらいと思う。ああ、そこがいいのよ津村ワールド。


Amazon

他にも『おでんオデッセイ』(山本幸久/著)『パリのすてきなおじさん』(金井真紀/著)『彗星交叉点』(穂村弘/著)『キッズ・アー・オールライト』(丸山正樹/著)などを最近読んだ。どれも面白く、特に『キッズ・アー・オールライト』は、この著者の作品を読むとよく思う「現実にそこにある社会問題を当事者以外に伝えるすべとしての小説の力」を今回も感じた。

いわゆる社会的弱者にスポットを当てその問題を語るとき、その信頼性みたいなものが、映像やノンフィクションの方がフィクションより上位に立つイメージがある気がするが、必ずしもそうではないと丸山正樹さんや中島京子さんの小説を読むと思う。そういえば『水車小屋のネネ』でも思った。そもそも、ノンフィクションの概念もあいまいだし、脚色が伝えられる本当さもあるのではないかと思う。そしてそれが自分にとっては大きい。


Amazon

と、社会に対する提言(!)で高尚(!!)に締めようと思ったが、数時間前に読み終わった『博物館の少女 怪異研究事始め』(富安陽子/著)がめちゃくちゃ面白かったので追加。なにこれ?!VIVA!読みやすさ!!


Amazon

by月亭つまみ


ゾロメ女の逆襲 記事一覧へ


コメント、ありがとー!

  • アバター画像

    Jane

    何だか今回は立て板に水のようなスピードを感じました。連想で繋がりつつ少しずつずれていくような、ザツダン的流れ。
    私の知り合いに石本さんという人は今まで登場しませんでした。月亭さんとは、これまさに石と月くらい、似ているようで、サイズ、手ごろさvs手の届かなさ、ありふれてるvs唯一無二、落ちてるvs天上にある、日常vs夢物語…などなど対極のイメージの存在でもありますね。

  • アバター画像

    つまみ Post author

    Janeさん、石本と月亭のイメージを比較してみたことはありませんでした。
    そういえば、アポロが持ち帰った月の石がありましたね。
    1970年の大阪万博の目玉だった記憶が。
    月と石をつなぐものがあるとしたら、それは月の石ではなく、わたしの場合は「同じ形が一日としてないのだ」ということでしょうか。
    小学生の頃、川の上流と下流では、石の形状が違う、下に行くにしたがってどんどん丸みを帯びてくるというのを習って、実際に川に行って比較して、こんな堅いものが水の流れごときで!?と驚いたことをまだ覚えています。
    どんなものであれ、未来永劫おなじではない、と思わされた原点が石で、空が広く見える住まいに越して以来、月の満ち欠けを目の当たりにしているここ数年で、その思いが補強された気がしますよ。

    文章に、立て板に水な感じが少しでもあるとしたら、富安陽子さんの小説の影響のせいかもしれません。
    児童文学のよどみない語り口にあらためて恐れ入っています。

  • アバター画像

    Jane

    つまみさんの富士山を入れた空の写真を見るたびに、つまみさんから富士山までの距離の間の景色がどんなに変わってきたことだろうかと思っていました。富士山だってビルの建つ速度よりはゆっくりでも、変わっていってるんですよね。

  • アバター画像

    つまみ Post author

    Janeさん、確かに!
    建物の変化は意識もしていますが、富士山もそうなんですよね。
    変化の速度はそれぞれで、自分もそのなかのひとつに組み込まれているかと思うと、抗うことの畏れ多さとか、安心感とか、いろいろな気持ちが交錯します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。また、コメントは承認制となっています。掲載まで少々お待ちください。


コレも読んでみて!おすすめ記事

今週の「どうする?Over40」

「どうする?Over40」は、4月27日(土)~5月5日(日)までお休みします。(ただし、「カレー記念日おかわり」は更新してます)

カレー記念日 今週のおかわり!

すればよかった 振り返るのも また一興

いろんな言葉

That’s Dance!文字起こし 第6回(episode16) やっかみかもしれませんが‥番外編も兼ねて

60代、男はゆっくりご乱心

さて、どこに住もうか

ミカスの今日の料理 昨日の料理

おばさんは楽しみを作り出す: チージーエッグ

かわいいちゃん

体重

母を葬る

(10)親子という仕組み

山あり谷あり再婚ライフ

60代若いのか年寄りか?

出前チチカカ湖

第196回こう見えて一途(いちず)です。

なんかすごい。

春の地響き

四十路犬バカ日和

ペットタクシーで病院に行ってみた!

OIRAKUのアニメ

第101回 アストロノオト/終末トレインどこへいく?

黒ヤギ通信

桜の下、草葉の陰

ゾロメ女の逆襲

【月刊★切実本屋】VOL.80 朝ドラと『化学の授業をはじめます。』の化学反応

夫亡き日々を生きる

カリーナからゆみるさんへ 2023年2月4日

絵手紙オーライ!

絵の具セットの思い出

昭和乙女研究所

ファンシーケース

いどばた。

凹むこと最近ありましたか?

じじょうくみこの崖のところで待ってます

はなやぐお盆、わたしは墓へとタックルした。

ただいま閉活中

お守りが無くなったら

50代、男のメガネは

『レジェンド&バタフライ』で絶望の淵に立つ。

おしゃれ会議室 ねえ、どうしてる?

人生は引き算である

日々是LOVE古着

(終)これからも。これからは。

これ、買った!

くっつかないしゃもじをもう一度買った!

ワクワクしたら着てみよう

最近思うことをとりとめもなく書いてみた♡

わたしをライブに連れてって♪

コンサートwithコロナ

これ、入るかしら?

行き当たりばったりで失礼します

KEIKOのでこぼこな日常

巣ごもりしてたらこんな買い物を…

あの頃、アーカイブ

【エピソード37】最終回記念、私たちのクリスマス!

フォルモサで介護

私が負けるわけがない

お悩み相談!出前チチカカ湖

【File No.41】 私って多重人格!?

ラジオブースから愛をこめて

ノベルティグッズ

着まわせ!れこコレ

冬とウェディングと後れ毛と

このマンガがなんかすごい。

第15回(最終回):マンガよ永遠なれ!

夫婦というレッスン

津端英子さんの一筋縄でいかない個性と行動力がすごい著書「キラリと、おしゃれ」

ハレの日・ケの日・キモノの日

暑くじめじめな7月

眉毛に取り組む。

総集編!眉毛ケアグッズ&お手入れ用品のご紹介

さすらいの旅人ゆりの帰国&奮闘日記

グアテマラ。そこで見た不思議な光景と懐かしい味

新春企画 輝く!カレー記念日大賞2017

輝く!カレー記念日大賞2017

≪往復書簡≫SEX and the AGE 

「女性の健康を守り、5歳若くなる抗加齢医療」だって。ボーっとしてたら、すごいことになってるね。

最近、映画見た?

第12回 「海よりもまだ深く」

Over40からの専門学校 略して「オバ専」

【オバ専インタビュー】今まで知らなかった「責任感」も含めて、人生が大きく変わりました。

じじょうくみこのオバサマー

四十九歳の春だから。

華麗なるヅカトーク

第8回 型、色、数! 嫌なことがあったら、また観に来る!

サヴァランのやさぐれ中すday ♪

in her SHOES ~ おばばは何を考えて? #8

器屋さんのふだん器

ふだん器-38  飛びかんな

2016 みんなのこれ欲しい!

サヴァランの「これ、欲しい!」。

2015 みんなのこれ買った!

【じじょうくみこ】低反発リクライニングソファ、買った!

ブログの言葉

「別冊 どうする・・・」はこんなことを大事にします。(過去記事より転載)

今日のこていれ

「今日のこていれ」最終回。1年間のご愛読に感謝を込めて。

崖っぷちほどいい天気

崖っぷちより愛をこめて〜最終回はカピバラとともに。

アラフ ォー疑惑女子

「もったいないお化け」の世代間連鎖

とみちっちの単身ベトナム&中国

ベトナムって、ハノイって、どう?

晴れ、時々やさぐれ日記

ああ、感謝。巳年と午年のあいだ。

中島のおとぼけ七五調

中島。の気ままに更新「おとぼけ七五調」12

ムーチョの人生相談「ほぐしてハッケン!」

【主夫ムーチョの相談】娘がご飯を食べません・・・。

ミラノまんま見~や!

連載最終回!「駐妻のここだけの話」にしようかと思ったが…災難に遭う!

ウェブデザイナーとの対談

大きな旗は振れないけど、小旗はパタパタと振れるだけ振っていこうと思ってます。

「最高の離婚」ファントーク

<対談「最高の離婚」最終回>ホームから電車に乗ってしまってキスして・・・ロマンチックでしたね。

スパコレ

美味しい缶詰を教えて!

2014 新春企画

どうする?Over 40 新春企画「物欲俗欲福笑い」♪( メンバー編 )

フォルモサ(台湾)の女

あずみの台湾レポート「やっぱり紅が好き!フォルモサの女たち」(13)〜不景気顔卒業します

ゾロメ女の図書館小説

帰って来たゾロメ女の逆襲 場外乱闘編 連載図書館ゴロ合わせ小説  『ライ麦&博 完結編』 後編

青蓮の「マサラをちょいと」

青蓮の「マサラをちょいと~人生にもスパイスを効かせて~ VOL.12」

Tomi*さんの最適解

「Tomi*さんの最適解。 ・・・白髪とコムデギャルソンとヤフオクと」  マインド編②

YUKKEの「今日もラテンステップで♪」

YUKKEの今日もラテンステップで ~VOL.13

よもじ猫

野良仙人

猫No.46  by カリーナ

猫大表示&投稿詳細はこちら!

野良仙人

猫No.46  by カリーナ

よもじ猫とは…

全世界初!?四文字熟語と猫のコラボ!

「よんもじ」と猫がペアになって、ランダムに登場します。
ふだん着の猫の一瞬を楽しむもよし、よんもじをおみくじ代わりに心に刻むもよし。
猫が好きな人も、そーでもない人も、よもじ猫の掛け軸からタイム&ライフトリップして、ときどき世界を猫目線で眺めてみませんか。

みなさんの猫画像の投稿をお待ちしています。

投稿はこちらからどうぞ

カイゴ・デトックス 特設ページができました

Member's Twitter


  • カリーナのBILOGはこちら!「ともに生きる。

  • ZOOMでプライベートレッスン、リモート英会話AQUA
  • BLOG版 ウチの失語くん
  • 植松 眞人さんの本がでました♪「いまからでも楽しい数学―先生と数学嫌いの生徒、35年後の補習授業」
  • 「出前チチカカ湖」連載中 まゆぽさんの会社「シリトリア」

Page up