おじさんとおばさんは「変哲のない日常風景」の要。
行楽のついでに
その近辺の住宅地を歩くと
「家の前で精を出しているおじさん」を
しばしば見かけます。
玄関脇の駐車スペースや、こじんまりとした庭で
洗車や日曜大工などのわかりやすい作業じゃなくて
何かを洗っていたり、修理していたり、手入れをしていたり、
片づけたりしているおじさんたち。
その住宅地は、今では野暮ったい感じのする素材とデザインの家が並んで
少し先にメナード化粧品の看板が見えたりする。
閑静と呼ぶには、やや庶民的な住宅地に
「家の前で精を出しているおじさん」が似合います。
小さな子どものいるファミリー限定の華やぎは、
過去のものになっていて、
夫婦仲は、円満な場合も、ややビミョーな場合もあるかもしれません。
でも、それなりに身の丈にあった衣食住を
夫婦でそれなりに大事にしながら暮らしている感じ。
長い年月をかけて
作ってきたとも、そうなってしまったともいえる「暮らしの習慣」が
「家の前で精を出しているおじさん」の
無愛想な生真面目さから伝わってきて
なんか、わたし、日常が激しく愛おしくなるのです。
駐車スペースであれ、庭であれ、
縁側であれ、マンションのベランダであれ、
その家の屋外スペースで何がしかの作業をする暮らしは、
まったくしない暮らしに比べて健やかなんだな。
そういえば、わたしの幼いころから、
同じように「家の前で精を出しているおじさん」たちはいて
同じように無愛想な生真面目さで作業していました。
もちろん、そのときのおじさんたちと
今のおじさんたちは同じ人じゃないけど、
不思議と何もかもが同じように見えます。
そういうわたしも、もう、すっかりおばさんになったけれど、
でも、家の前で精を出している中高年男性のことは
「おじさん」と呼びたい。
おじさんとおばさんは「変哲のない日常風景」のかなめです。
胸躍る祝祭には遠いけれど
寝食の手堅さを思わせる。
それってとてもとても大事なことだと思います。
今日は、由美子さんの「ハレの日 ケの日 キモノの日」が更新されています。
「たのしい帯結び」。楽しそうだなあ。
下の2枚の写真、もっと大きくして見たい!
たこ焼き
光景が目に浮かんで、胸がキュンとしました。
愛おしいですね。