視線のチカラの話とメルマガのうれしい話。
こんにちは、カリーナです。
運動不足なので、ひとつ先の駅まで歩いて仕事に行くようにしています。ある日のことです。見慣れた桜の木に美術展の作品解説のようなボードがつけられ、印刷された端正な文字で何やら書かれているではありませんか。むむ。これは、読まねばなりますまい。メガネを額のほうまでグイッと上げて老刑事のように近づいて読みました。
「この桜は、希少な種類で、ダムで水没する前に、わが社の社長が価値に気づき、別の地域に移植した。根付くのは極めて困難であるとされたが、見事に成長し、今ではその一帯は、桜の名所となっている。そしてこの木は、その由緒ある桜を挿し木したものである」
…というようなことが書かれていました。昨日まで「そこらへんの桜の木」だったのに、今日から「由緒正しい特別な木」になっている。
そういえば、東大の研究施設で「カラス侵入禁止」の警告文の紙をつるしたら、本当にカラスが退散したという報告がありました。カラスは文字を読めないはずなのになぜ?と不思議に思いますが、大々的な警告文を目にした職員や学生がいつもよりカラスに視線を向けたり、指をさしたりすることでカラスが警戒して近づかなくなるのだとか。
桜の木の会社の場合も、「うちの桜は偉い」と書いたボードを置くことで、わたしのような通行人が足を止める。それを社員や取引先の人々が見て「うちの会社は注目されている」と感じる。やる気が増す。いろいろな人の視線が集まり、通行人もこの会社の前には、ゴミのポイ捨てができなくなる…なんて好循環が生まれるのかもしれません。
視線ってすごいなあ。ちょっと顔の方向を変えて目をやるだけで、いろいろなことが変わるんだな。
今日は、月曜日。月に一度のKEIKOさんの「デコボコな日常」の日です。初めて読む人は、KEIKOさんに視覚障害があるとは気づかないんじゃないでしょうか。それほどインターネットも温泉も、グルメも楽しんでいます。いっしょに手をつないで露天風呂に行きたくなる。KEIKOさんの日々を見つめる視線は、好奇心で光っている。その視線のチカラが、面白いことを連れてくるんだと思います。
3回連続で配信したメルマガ「地震の備え」を読んだ方から、「マンションの防災委員に配布したい」と連絡をいただきました。メールのなかに「生の声の持つ重みと的確さに圧倒されましたので、メンバーにぜひ伝えたいのです」と書いてくだっていて、その言葉がとてもうれしかったです。こちらから読めますので、時間のあるときにどうぞ。メルマガは購読無料です。解除も簡単にできますので、ぜひ登録ください。
ではでは、今週もオバフォー、よろしくお願いします。時間のあるときに遊びに来てくださーい。