Nさんのワンちゃん:スナップえんどうと竹輪の和え物
母がいるグループホームには、我が家のすぐそばに住んでいたNさん(女性)も入所しています。
独り暮らしだったNさん。お元気だった頃はよく自転車でスーパーへ買い物に行く姿を見かけました。
母に会いに行くと、大抵Nさんはリビングに座っていて、その腕には必ず可愛い犬のぬいぐるみが抱かれています。 名前は大五郎だったり、 ジョンだったり、その日によって変わります。スタッフさんによると、妹さんが持ってきたものなのだそうです。
Nさんはもう私のことは覚えていないけれど、私は毎回「こんにちは、Nさん」と声をかけるようにしています。
「ワンちゃん、可愛いですね」というと、とてもうれしそうに笑って色々話してくれるのですが、その話は辻褄が合わず、意味をなしていないことがほとんどです。
先週末、母に会いに行った時のこと。この日もNさんはリビングに座っていました。ところが、ワンちゃんがいません。
「Nさん、こんにちは。ワンちゃんはどこですか?」と聞くと…
「死んでしまったの」
えっ?!
「ずっと横になっていたけれど、可哀そうなことをしたわ」
いつもとは違って、はっきりと話すNさん。
Nさんのワンちゃんはぬいぐるみで(私たちの目には)、だから死ぬも生きるもないのだけど(私たちにとっては)、なぜNさんはワンちゃんが死んでしまったと思っているのか。こんなふうに話す時、Nさんの、いや、認知症と共に生きる人の心の中はどんなふうに動いているのか、ふと、その中を覗いてみたい気持ちに駆られました。
後日、ホームが家族向けに作っているブログを覗いてみると、ワンちゃんを抱いて満面の笑みを浮かべるNさんの姿が。
ワンちゃん、死んでませんでした。
良かった、良かった。
さて、今日の一品は、Nさんともワンちゃんとも全く関係の無い『スナップえんどうと竹輪の和え物』です。あと一品欲しいなという時に簡単に作れます。
スナップえんどうも竹輪も私の大好物。ところが、竹輪って思いのほか糖分が高い。これからはあまり食べられないかなぁ。
『スナップえんどうと竹輪の和えもの
- スナップえんどうの筋を取り、塩を加えたお湯でさっと茹でます。水にとらずざるに上げて冷ますので、余熱が入ることも計算して短い茹で時間にします。
- 竹輪は斜め切りにします。
- 醤油、酢、ごま油を混ぜ合わせます。
- 1のスナップえんどうが冷めたら、竹輪と一緒に3の合わせ調味料で混ぜ合わせます。
- 器に盛り付け、白胡麻ともみ海苔を振りかけたら出来上がり。
生涯独身、ずっと一人で頑張ってきたNさん。ちょっと私自身の将来を見るような気持になります。たとえ病気と共に生きることになったとしても、Nさんのように穏やかに笑っていられたらいいなぁ。
ミカスでした。
はしーば
スナップエンドウ、大好物です!
お弁当の彩りにも便利ですし。
マヨネーズをかけるという、手抜きの王道ばかりでしたが、これはまた今晩にでも作れそうです。
ミカス Post author
はしーばさん
いえ、それは決して手抜きではありません。
スナップえんどうは、さっと茹でてマヨネーズで食べるのがベストです!
私は、スナップえんどうとゆで卵をマヨネーズで和えて食べるのが好きです。
kokomo
私もスナップえんどう大好きです。
以前、近隣の農家さんにとりたて野菜を定期的に宅配してもらっていたことが
あるのですが、そこのスナップえんどうがもうおいしくて。
そのスナップエンドウの品種の名前が「さくさく王子」。
本当にさくさく。塩ゆででそのまま食べても止まりませんでした。
Nさんのワンちゃん、死んでいなくて本当によかった。
ミカス Post author
kokomoさん
さくさく王子、なんて魅力的な名前でしょう。
農家直送かつそのネーミング。
それは塩茹でだけで十分に美味しいはず!
食べてみたいです。
Nさんのワンちゃん、今はすっかり元気です。