年の瀬のチカチカ
夜11時過ぎ、出かけた先から帰ってくると、駅前に若者たちがあふれている。
わたしの住んでいる町にはいくつか大学があって、学生が多いのだ。
年の瀬の風物詩、忘年会。
駅前の、居酒屋の前にワイワイと、二次会行こう、場所どうする?なんてやっている、その中にもさまざまな人間模様が垣間みられておもしろい。
仲間、友だち、好きな人、それぞれに見せたい自分があり、若い自意識が化学作用みたいにチカチカと瞬いている。
自分が学生だった頃、外からみたらこんなにも丸見えだったなんて夢にも思わなかったな、と思う。
背伸びも、必死になんでもないように装って隠した(つもりの)劣等感も、うまくやれていると思ったときの高揚も、ああ、何もかもつまびらかじゃないの、と、身悶えするような気持ち。愛おしさを感じるような境地には、まだ至っていない。
中身の自分の本当のサイズと、外に見せている自分のサイズ、多少いびつで滑稽でも、その余った皮のぶんだけ、成長できる。
知らぬふりで許し、許されて、やってきたんだな。きっといまでもそうなんだろうなあ。
今年も残すところあと2週間足らず。この一年、職場が変わったわけではないけれど、慣れないしごとを引き受けたり、一から勉強をはじめたり、反面、不相応に「この人ならまかせてあんしん」というありがたいけれどもおそろしい期待をもらったりと、あっぷあっぷと本当に忙しかった。
そんなわけだから、とりわけ今年は、学生たちのチカチカに、自分が投影されたように思われて、反応したのかもしれない。
年とか、関係ないということか。
でも学生のときよりは、もうちょっと本当の自分のサイズを正直に見せられているといいと思う。なけなしの皮も、人前でどうどうと伸ばしたい。だって恥ずかしいじゃないか。
この「なんかすごい。」も、また一年、何度かすっぽかしながらも(おい)何とか続けてくることができました。
来年も、細々と書き続けることができますように。
そして来年の自分よ、締め切りの前夜まで放置するのはやめて、もう少し早めに書き始めるのだ。(12月19日深夜2:56、これを書いている。)
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By はらぷ
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※「なんかすごい。」は、毎月第3木曜の更新です。はらぷさんのブログはこちら。
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Jane
思わずチチカカ湖と読み違えました。
冒頭の写真のクラフト、薄い氷の欠片みたいに、脆くて透き通ってて、それでいてクリスマスらしい華やかさや遊び心もあって、逆光で見たらきらきら光りそうだなあ。そしてまたこの赤い鳥の表情、いびつさ具合ねじれ具合絶妙で、あるとなしじゃ大違いですね。
下のアドベントカレンダーも、日付が順番になってないんですね。鳥たちが動き回ってごちゃごちゃになったみたい。
やっぱり、なんかすごい…。
はらぷ Post author
Janeさま
わーん!年またぎのお返事となってしまいました。
「チチカカ」、私も自分で書いたくせにあとで空目しました(笑)
引っ越しチチカカ湖を予見していたのか…?
写真のクラフト、きれいですよね。
じつは、妹が自宅で絵画教室をひらいているのですが、その作品展でかざってあったのをパチッと撮ったものなのです。
子どもたちといっしょに、紙に自由に色をおとして作った模様の紙を、あんなふうに切って、ガーラント風にしてあるんですって。
どの部分をとっても、世界でひとつしかない柄と色合い、そしてへんてこ鳥がまたたまらなくかわいい!
アドベントカレンダーは、ユカワアツコさんという、鳥のイラストレーターの方のものです。水鳥バージョンと、野鳥バージョンの2種類がありました(どちらにするか迷いました…)
そうなんです!水鳥の種類によって、窓の大きさもさまざま、日付もランダムで、日々その絶妙なバランスが変わるのも楽しみのひとつでした。
23日からイギリスに行ってしまったので、最後の2日間が開けられず、ねこのシッターさんにお願いして、開けてもらいました(笑)
24日は「オシドリ」、25日は「ゴイサギ」でした。
2020年も、どうぞよろしくお願いいたします!