公園の野球少年に理想の上司を見つけた話。仲良きことはすばらしき哉。
こんにちは、カリーナです。
大谷選手の登場以来、じわじわと公園の野球勢が増えてきました。
今までも、早朝、キャッチボールやバッティング練習をする親子連れをしばしば見かけていましたが、お父さんのほうが疲れるのか、飽きてしまうのか、子どもが嫌がるのか、いつの間にか姿を見かけなくなるのが常。そして、また、どこからか違う父子が現れてお父さんコーチが熱心に指導する…みたいな繰り返し。「父先導の野球」という時代が続きました。
でも、最近は違います。少年たちが自発的に、遊びとして、広場全体を使い、攻撃と守備に分かれて野球をしています。こんな景色を見るのは、本当に久しぶり!というか、先代犬のパロンと散歩しているときでも、まったく見なかったんじゃないかな。サッカーの時代が長く続いていました。
もちろん他の公園に行けば、今も、サッカーを楽しんでいる少年は大勢いますが、このあたりは、野球とサッカーが拮抗している感じ。大谷選手の影響力、恐るべし。スターのチカラってほんとにすごいなあと思います。
昨日の夕方も小学校4年ぐらいの少年たちが公園全体を使って野球をしていました。時刻は、5時半をまわったくらい。ひとりの少年が、「おれ、今日、6時半までーーー!」と言っています。それから口々に帰宅時間を言い合っているのですが、そのうちの一人の子が「おれ、8時でも、9時でも、10時でもいつまででもええわ!」とちょっと得意げに言ったのです。なんだかちょっと気になる発言だぞ。
クンクンと草の匂いをかぐスーから目を移して、声の主を探すと茶色のちょいロン毛。その近くにいた、いかにも真面目そうなメガネの子が「え?おれ、6時に帰らなあかん」
すると茶髪の門限なし少年は、「そうか。ほな、6時に帰ったらええやん」とサラッと言うのです。別にがっかりしたふうでもなく、咎めるふうでもなく。あれ?思ったのと違う。もっと「お前んとこ厳しいな」とからかったり、笑ったりするのかと思いきやまったく違う。なんというか、おのおのの自由を尊重する感じとでもいいましょうか。ここってホワイト企業?
とはいえ、どうも、みんな野球が楽しくて仕方ないみたいで門限6時の子は、「おれ、帰って6時半にしてくれって言ってこようかな」と言い出します。
そして「ギリギリに頼んだら、あかんって言われそうやから今のうちに頼んだほうがいいと思うねん」と言うと、みんなが口々に「携帯は?」「持ってない」「持ってないんか」「家、どこやったっけ?」「〇〇マンション。だれか自転車貸してくれへんかな」なんてやりとりをしています。
すでに少し離れた場所にいた茶髪門限なし少年は、「おーい、キラ!自転車借りれる?」と公園の反対側にいる子に声をかけ、「どこまで?」「どこどこ」「ああ、ええよー」と自転車を借りる手はずを整えてあげました。
メガネは、「ありがと!」と茶髪とキラにお礼を言いながら自転車のほうに走ります。茶髪が「あかんって言われたらどうすんねん」「そのときは一回、戻って来るわ」「わかった」。するとキラも、「もし、『なんで自転車で来たん?』って怒られたら、時間ないから自転車で行けって言われたって言うたら?」とお母さんに怒られたときの対策まで指南。「だれに言われたって言う?」すると茶髪が遠くから、「俺でええよ!」「カイト、ええん?」「ええよ」「まあ、怒られへんと思うーー!」。
茶髪門限なし少年の名前は、カイト。そのとき、カイトは長い髪の毛を揺らしながら高い木の枝に何度もジャンプして、自分だけが手にしている「夜の自由」を満喫する素振りで、「寂しさ」をまぎらわすように見える仕草を繰り返していました。
メガネが自転車に乗っていくと、「さ、やろう」とカイトがポジションの提案をして、再びゲームスタートです。カイトさんのもとで働きたいな。上司になってくれへんかな。
仲間の早い帰宅を許し、ちょっとした困りごとは自分が代わって交渉し、怒られたときの責任はとる。最高やん。
ああ、神様、どうか、カイトがいつの間にか身につけてしまった影さえ魅力に変えて優しいままたくましく成長し、そのリーダーシップを発揮して、好きな世界で成功しますように。お金に一生困りませんように!そして、めちゃくちゃモテますように!愛情に囲まれて笑顔で過ごせますように!!どうかカイトをお守りください。
この少年たちは、スーにボールが当たりそうなときは、誰からともなく「ちょっと待って」と投げるのを待ってくれます。それも、カイトのリーダーシップのおかげか。もう、そういうことでよろしい!なにもかもカイトのおかげ!
ああ、いい子たちだ。おばちゃんはうれしいよ。あ、もうおばちゃん、ちゃうな。君たちのおばあちゃんやな。そうか、もう、そんな年か。
いろんな意味でしみじみ。そのあと、有料老人ホームの窓から、これは本当のおばあちゃんが顔を出してスーに手をふり、何度も「かわいいな、かわいいな」とうなずいてました。スーはきょとんとして見つめるだけ。何もしなくても人を笑顔にするスーもえらいです。
オバフォーは今週もコツコツと更新します。時間のあるときに遊びに来てください。待ってまーす。
グリ
ホンマですね。
なんか、グッと来ました。
私も一緒に祈ります❣️
神様、どうぞカイトくんの人生が、
幸せなものになりますように‼️
ぷうさん
このお話読んで 私もしばし心がほわっとして 優しい(多分?てへ)笑顔になっていたと思います 幸せ時間🍷でした
カリーナさんありがとうございます
今日の終わりの良かった事❣️
安らかに眠れそうです(毎日寝ていますが、、、うふふ)
カイト君!ファイト!!!
夕焼けパンダ
なんかすごいですね。
ひとの成熟は年齢だけではないのですね。
カイトくんの未来、すべての子ども達の未来が充実したものでありますように。
いやいやオバフォー達の未来も充実したものでありますように😆
カリーナ Post author
グリさん
コメントありがとうございます。
そうなんです。
寂しさの影をまといつつ、優しく生き生きしてて
私も心の中で大声で応援してしまいました。
その翌日も元気に遊んでました。うれし❤
カリーナ Post author
ぷうさん
わあ。うれしい!
ありがとうございます。
大人になるまでいろんなことがあるのが
それなりにわかる年になった分だけ余計に、
がんばれ!と思ってしまいますよね。
またポッドキャストにもコメントくださーい❤
カリーナ Post author
夕焼けパンダさん
そうなんです。翌日も彼らは集まっていて
雨が降ってきて「場所を変えて鬼ごっこをしよう」と
相談していましたが、
その提案、相談、意思決定が見事でした(笑)!
いやあ、みんな自己主張しつつ、思いやりがあるんですよねえ。
彼らの親御さんに「いい子に育ってますね」と言いたいです。
ほんと、オバフォーたちにも幸あれ。