「ささげてほしい」から「ささげられても困る」時代に。ファンタジーは変わる。
もう2月なのに暮れの話題をもちだして恐縮ですが、「昭和のレコード売上トップ100」をランキングで紹介する番組を見ていたんです。1位は、「およげ!たいやきくん」なんですけど、2位に「女のみち」(宮史郎とぴんからトリオ)、そのちょっと下に「なみだの操」(殿さまキングス)が入っていて「えええーー!」と驚きました(その時代、リアルに知っているんですけどね)。
そうか。昭和って、そんな時代だったのか。
「わたしがささげたその人に
あなただけよとすがって泣いた」(女のみち)
「あなたのために守り通した女の操。
今さら人に 捧げられないわ」(なみだの操)
ものすごく、ささげている。
守って、ささげて、泣いている。
もちろん、当時もフォークやロックやニューミュージックや、もろもろあったわけですが、「歌謡曲」の世界で昭和歴代ベストテンに、このような歌詞の歌が入っているということが、もう、それだけで隔世の感。当時は、「スナックの男性客が、美しいが薄幸なホステスに命がけで惚れられる」というファンタジーが受けまくったわけですね。「女のみち」って325万枚も売れているんですよ。
平成を含んでも、いまだ堂々の2位です。
先日、万能細胞を発見した小保方晴子博士が、若くてきれいな「女流」研究者であるゆえに「女子力」という言葉で「フツーの女の子っぷり」が強調されたり、森三中の大島美幸さんが公私の充実を図る決断に「妊活」というエクスキューズを必要としたりするのを見ていても大変だな、ものすごい葛藤だろうなと思います。
それでも、それでもです。325万枚売り上げた「女のみち」は今、男性の心すらつかまないでしょう。「え?なに、これ?」的な違和感が先に立つんじゃないかな。
男性が女性に、女性が男性に求めるファンタジーは、社会や制度の変化を超えるスピードで変わっている気がします。「ささげてほしい」から「ささげられても困る」時代に。「葛藤」って変化している証拠なんですよね。わたしの葛藤も結論が出なかったにしても意味がないわけじゃないのです。
★カリーナの他の記事はこちらをどうぞ。
★コツコツと更新しているブログはこちらです。
nao
おお、そういう歌が昭和ベストの上位に入るんですか!
昭和って長いから、うちの親くらいの感覚かなって思ったけど
そういえば、「よせばいいのに」とか私も好きでした(笑)
こういうファンタジーって、時代のせいばかりじゃなくて
現実が直視しにくいくらい厳しかったからっていうのもあるかも。
今でも人生サバイバルしてきた方々には時々こういうファンタジーをもってるのに出会いますよ。
あ き ら
度々、うかうかと調子っぱずれのコメントを放ってすみません。あやまりつつ。
あー、相当ささげちゃってますね。初老となったこの頃、男女ともに思いの外ファンタジーというものを必要としている気がしています。にしても、今はどういうのがいいのだろ?お金がかからないやつ?(笑)
とはいえ、ささげられないまでも、一人前の口ぶりなどせず、何かと承認や判断を求めてくれ、かつ負担をかけずわがままも言わず、愛情深くひたすら尽くしてくれる的な男性側の需要は、一定年齢以上の男子にはゆるぎないような気もしますけど。ハハハ。
アメちゃん
おはようございます。
naoさんの「よせばいいのに」に反応してしまいました!
私も好きでしたー。よせばいいのに。(ボーカルが長髪のハンサムだった記憶)
わたし、背後に私が生まれる前に死んだ祖母がついてるんじゃないか??と思うほど
昔の歌が好きなんです。(ヘビメタも好きだが・・)
「小樽のひと」とか
古賀政男の「影を慕いて」とか涙もんです。
私自身は、まったく守らないしささげない人間ですが
昔の歌って、おとなっぽいし色っぽいので好きです。
それに、昭和の歌って、息が長かったですよね。
みんなの心に定着するっていうか。
今はサイクルが早すぎて、誰が何を歌ってるのか分かりませんね、、、。