基本動作の少なさが、カラダの硬さの原因か。昭和の大人は柔らかかった?
先週金曜のポッドキャストのときに、ふと思い出したのですが、わたしが小さかったころ、大人たちは、しばしば座布団から降りて、畳に直に座り、床に手をついてお辞儀をしていました。
小学生のときに出席した結婚式は、中華料理店の畳敷きの大広間で行われ、老いも若きも座布団にペタンと座っていました。宴もたけなわになると、ビールをもっておじさんたちがテーブルを回ってくるのですが、目上の人とあいさつするときは、お酌したあとにビールをテーブルに戻し、片方はグラスを置いて、両者、床に手をついて「よろしくお願いします」「はっ、今後ともどうぞ」なんて言いながら、お辞儀をしていたと思います。
片方が頭を上げて、もう片方は下げていて、もう片方がまた下げる、みたいな風景。
当時は、お中元やお歳暮も家まで持参する人が多く、そうすると母は、玄関にペタリと座り、やはり「ありがとうございます」と押し頂いた後、床に手をついてお辞儀していました。
もちろん、今も、和室中心の暮らしで、たくさんの来客があったりすると「畳に手をついて挨拶する」ことはいくらもあるでしょうが、うちみたいな和洋折衷マンション暮らしではほぼない。そもそも床に座って人を迎える機会がない。玄関で座って出迎える、という景色を見ることもなくなった。あちこちで、ああいう風景、減っただろうなあと思います。
畳が減ったんですよね。畳が減って、人々の所作も変わった。
そういえば、実家の居間は畳で、両親はずっと「畳に座る」暮らしをしていました。途中からソファも置きはしたけど、それは本当に晩年。ずっと「背中を何かにもたれさせることのない暮らし」をしていました。わたしは、帰省するたびに「この背中をどこかに預けたい」と思ったものです。
両親は、長い間、畳の暮らしを続けていたことで、背中が鍛えられたのでしょうか。膝の柔らかさも保たれたのでしょうか。
さすがにトイレは、ずいぶん前から様式でしたが、両親より前の世代や両親たちと同世代の人の中には、「生まれてから死ぬまで和式トイレ」だった人もいるでしょう。
毎日スクワットしているみたいなことだから、やっぱり、足腰が鍛えられたんですかね。便秘のときとか、大変だっただろうな。
76歳で亡くなった祖母は、ずっと和式トイレだった。それだけで偉い。
バスの乗り降りもそうですね。低床タイプじゃないバスの段差の高さよ!今ほど高齢化が進んでいなかったとはいえ、ある程度以上の年齢の人は、乗るの大変だったと思うなあ。
こうやって見ると、私たちの日常生活から「スクワット的所作」が圧倒的に減りましたね。わたしなど、畑仕事も草むしりもしないから、意識して運動しない限り、ほぼ皆無。床掃除もクイックルワイパーだし。
この前、畑で二人のおばあさんが「ヤンキー座り」でニコニコとおしゃべりしていました。長年の畑仕事のなせる技です。
わたしは、「椅子に座っている」「立って動いている」「歩いている」「寝ている」の4つしか基本動作がない。これが硬さの原因だな。
しゃがんだり、かがんだり、はいつくばったり…「全身で地面に近づく」からの「立ち上がる」みたいなダイナミズム、必要ですね。
今日からオバフォー、また始まります。時間のあるときに遊びに来てください。待ってます。
アメちゃん
カリーナさん、するどいです。
ある整体師の方が、
「現代人は前後左右の空間は使ってても、上下は使っていない」
みたいなことをSNSでおっしゃってました。
昔の日本人の生活って、畳や和式トイレ以外にも傾斜が急な階段とか
普通に暮らす中で身体をうまく使えるようにできてたんですね。
服装も、帯を腰に巻いたり下駄を履いたり
自然と上虚下実の状態を養えてたんだと思いますね。
私の実家はまぁまぁ古い日本家屋ですが、実家だと
玄関に座って手をついて客人を迎えたり見送ったりしてしまいます(笑)
自然と所作がそうなるのが不思議です。
カリーナ Post author
アメちゃんさん
おおお、整体師の方がそんなことをおっしゃってたんですか!
そうなんです。「上下は使っていない」ですよねえー。
今日一日の自分を振り返っても
遣っていません。
ご実家はそうなんですねえ。
お客様、座って手をついて迎えて…。
なんか、改めて目に浮かべると上品で素敵だなー。
「上虚下実」知りませんでした。
調べたら、上半身の余分な力みが抜けて、丹田に象徴される下半身に力が充実している状態。
上虚下実をつくるには、日本の伝統的な動きである「四股(しこ)踏み」が有効、とありました。
そう!丹田!これも、ポイントですよねえ。
ぶんぶん8
カリーナさん、こんにちは!
その昔、マタニティーライフを送っているとき
「トイレ掃除をするとかわいい子が生まれる」
といろんな人に言われました。
あれは股関節を柔らかく保つとお産が軽くなるから、しゃがんだり這いつくばったりする動作が有効=現代の生活の中ではトイレ掃除、ということのようですね。
そのトイレ掃除も今ではかがんだりせずにできる便利なものがたくさん出てきていますが、妊娠中の娘にはしっかりしゃがんで掃除をするようにと伝えたいと思っています。
そしておなか周りが気になる私にも股関節の柔らかさは大切なようです。
『「全身で地面に近づく」からの「立ち上がる」』運動、私も頑張らなくては!
カリーナ Post author
ぶんぶん8さん
ごぶさたしています!こんにちはー!
コメントうれしいです。
確かに!マタニティ中には、そういうことを言われますねーー。
股関節だ。肝は股関節。
腰を追ってかがむ姿勢ばかりをしていると
股関節が硬くなりますよねえ。
いわゆる蹲踞の姿勢。お相撲さんも何度も何度も練習していますもんね。
股関節の柔らかさは、下半身と上半身の連結をスムーズにしてくれるような気がします。
わたしも頑張る!