定年の星
5月ももう後半。植栽の中に紫陽花の青いつぼみを見つけて早くも梅雨の気配を感じます。

6月前後や年末はボーナス月でもあり、そして年度末に次いで退職者が多い季節。その時期に差し掛かる今月末に退職しますと、一緒に働いたこともある他部署の卒後30年勤続のベテランスタッフから挨拶されました。持病と仕事のストレスが退職理由とのこと。

今月末で退職する彼女に、今までの感謝の気持ちのメッセージとコーヒー好きな彼女にスタバのプリペイドカードを少し多めにチャージして贈りました。美味しいコーヒーで心の元気もチャージしてほしくって。

今の職場では何人かの女性の先輩や上司が定年を迎えてお祝いをしてきました。自分もこのままいけば定年を迎えられそうと思っていたのですが、定年まであと数年となったのに、正直なところ精神的にも身体的にもちょっとしんどくなっています。仕事自体は嫌いじゃないんですけど。

幸いなことに私のところはまだ60歳で定年ですが、これが65歳定年とかもう絶対に無理。昔の55歳で定年だった時代が心から羨ましい。
今の中高年は見た目こそ昔の同年代の人に比べて外見や雰囲気はずっと若く見えますが、個人差はもちろんあるけれど、体の設計自体が変わったわけではないので肉体的な耐用年数は昔と同じ。若く見えるからと言って閉経の平均年齢が60歳になるわけではないですし。(私は生理が重かったので60までとかだったらホント地獄)そもそも姥捨て山には60歳で捨てられていたらしいですよ。

なまじ見た目が若く見えるだけに中身の老化(カレー)が置き去りにされがちな気が。疲れるわ~。週5日フルタイムで働くのさえ正直しんどいです。だから自分基準で考えて申し訳ないのですが、女性の活躍とかの号令がかかって管理職の何割を女性に!とかに該当しちゃった人は内心迷惑に感じている人もいるのではと密かに思っています。
ちなみに女性が多い私の職場(男女比の偏りはあり)の男性管理職は全員既婚者でほぼ全員子供がいますが、女性管理職で既婚者は未亡人の私まで含めてやっとこ3割、子供のいる女性管理職は1割もいません。というか管理職になんてなりたくない人が多数。そして管理職であろうとなかろうと定年前の中高年に差し掛かり、介護や心身の不調、家庭の事情で辞める職員は女性です。

つい愚痴をこぼしてしまいましたが、定年を考える時に思い出すのが私が初めて見た女性で60歳定年を迎えたミーコ先輩、おそらく御年今年で90。今から30年以上前は女性の多い職場でも定年退職はまだまだ本当に少なかったのです。
ミーコ先輩とは定年退職された後も年賀状や趣味の絵手紙を頂いてのんびりと交流が続いています。定年退職後は趣味の絵手紙の先生をしたり充実した毎日を送られています。90歳で体も認知もしっかりしているミーコ先輩は元気で長生きの超エリートなわけですが、私にとっては定年退職の北極星。

おそらく体の作りが違うと思うので、勝手にミーコ先輩を定年退職の目標にするのはおこがましいけれど、そんな目標の先輩にちょっと話を聞いていただいたりおしゃべりがしたくなりました。という訳でお誘いのお便りすることに。
お返事を準備していただくのも面倒かと思ったので往復はがきを用意。でもただの往復はがきではちょっと味気ないので少しおしゃれをさせました。

25年位前に少しかじったステンシル風にパステルのクローバーの葉っぱをうっすらハガキに乗せて。ハガキにお久しぶりですと書きながらミーコ先輩にお会いしたら何から話そうかと、もう今から待ち遠しくて90歳から元気をもらう気満々なのでした。