平和をどこから始めるか
世界は大変だ。世界中の国が、隣の国とか、ちょっと離れた国にミサイルを打ち込んだりしている。軍事を使って、自分の国の人たちに銃を突きつけ、実際に撃ち放っている人たちもいる。いやもう、大変だ。大騒ぎだ。
じゃあ、日本が平和なのかというと、政治家が平気で嘘をつき、裏金を使い、新しいルールを決める段になっても、「このくらいまではOKにしてね」と平気で言っている。
だけど、前にも書いた気がするけれど、世界におかしなことが起きている時に、そこだけに起きていることなどないし、政治家がおかしいということは日本中みんなおかしいに決まっている。ダイハツだけが不正をしているのだと思ったら、トヨタもマツダもみんなやってました、ということになる。僕らを守ってくれるはずの弁護士だって、過払金とか薬害の損害賠償とか、「金になる」ところに群がっていく。
こうなると、自分が信頼できる人と、しっかりと手を組んで仕事をする以外に生きていく道はない。ガザを支援するためにデモをしたとして、もし、他の地域が同じ目にあったら、そっちのデモにも参加しないと整合性がとれない。そう考えると、手が出せない。
台湾だって、とても危険な状況にある。台湾に何かあったら、僕に手伝えることはする。知り合いもいるし、日本が危機に陥っているときに、真っ先に支援してくれたのは台湾だったから。ということになると、自分の知り合いしか助けないのか、というふうに思われるかもしれない。でも、全部は無理だ。全部が無理なら、できることを見極めるしかない。
アート系の映画を上映しているミニシアターは、日本全国で危機的状況だ。クラウドファンディングで多くの人たちが映画館を守ろうと頑張っている。僕も自分が通っている映画館や、面白い番組作りで定評のある映画館には、いくらか支援したことがある。でも、やっぱり全部は無理だ。僕が知らないところで、すごく頑張っているミニシアターがあって、そこが存続することに大きな意味があるとしても、あまり気持ちは動かない。自分が通う映画館のことを優先したい。
自分の身に降りかかってくる不幸や邪悪な魂を払いのけるために、一生懸命にやる。自分の身近な人たちのためにもやる。お世話になった人のためにもやるし、日頃、やり取りをしている気持ちの近しい人たちのためにも、なにかしら頑張るつもりだ。
けれど、とても無責任に感じられるかもしれないし、非難されるかもしれないけれど、すべては無理だというしかない。
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植松事務所
植松雅登(うえまつまさと): 1962年生。映画学校を卒業して映像業界で仕事をした後、なぜか広告業界へ。制作会社を経営しながら映画学校の講師などを経験。現在はフリーランスのコピーライター、クリエイティブディレクターとして、コピーライティング、ネーミングやブランディングの開発、映像制作などを行っています。
くとうてん
すべて無理でも、何かしら頑張る植松さん。
それは凄いことです。
無責任?非難される?
懸命に日々を生きる生活者が、ひとつでも何かに貢献しようとすることが、なんだか虚しくなるような今回の締めくくりがとても残念です。
uematsu Post author
くとうてんさん
僕も日々努力をしなきゃなあとは思うんですが、
でも、それを無駄な努力にされてしまうことが、
あまりにも多すぎるなあ、と感じます。
でも、全部やらなきゃと思うよりも、
全部は無理だと開き直って、
自分のすぐ目の前にあることに
そっと手を伸ばすことで、
長く継続的にできることが見つかるんじゃないか。
なんだか、そんな気がするんですよね。
くとうてん
植松さん
お返事ありがとうございます。
昨夜、ガザで200人以上の民間人が殺されました。老猫に起こされて目が冴えてしまった私が夜中に見た子どもたちの無惨な姿。
本当は今日はスタンディング・デモの日でした。私は夜中に見た沢山の死体に打ちのめされて、デモに行けなかったのです。
謝罪の連絡をした私に主催の方がこんな声を掛けてくれました。
謝る必要はありません。できる時にできる人が、やりたい時にやりたい人がするのが大切です。「デモするほうがエライ」となるとむしろ危険です
あなたの自由が私の自由に繋がり、私の自由があなたの自由に繋がります
私の活動は無駄な努力のまま、ガザではたくさんの命が奪われています。だからツライ。
でも、植松さんのように、全部は無理だから手の届く範囲で、ツライ自分を優しく労わりながら、できることをやっていこうと思います。
これからも植松さんの記事を楽しみにしています。
uematsu Post author
くとうてんさん
自分にできるところから。
無理のない範囲で。
僕も自分が日々丁寧に生きていくところから
始めたいと思っています。、