技 : ふろふき大根with肉味噌
今日もちらっと母の話。
基本、母はショートステイに行くのがイヤ。
それをなんとかごまかして送り出す極意を見つけたとお話ししたのは前々回。
送り出してしまえば、あちらではまあまあ穏やかにやってくれているらしいので
このミッションの成否はとにかく送り出しにかかっているわけです。
というわけで、その辺の事情はすべて
ケアマネージャーさんと施設の担当者さんへ話してあります。
前々回にも書きましたが、
母は毎回日帰りのリハビリへ行くものだと思っているので、
2泊分の大荷物を見せるわけにはいきません。
(なのに行ってしまえば当たり前のように宿泊して帰ってくる)
そこで、母が寝静まってから準備した荷物を、お迎えに来る10分程前に
こっそりと玄関の外に出しておきます。
そして、事情を理解してくれているお迎えのスタッフさんが
呼び鈴を鳴らす前にその荷物をトランクに積み込んでくれるという段取り。
ところが最近、スタッフさんやドライバーさんが時々
「ミカス母さん、今日はお天気もいいし、眺めのいい助手席に座りましょうか」
と言う日があることに気づきました。
いくら天気がいいとは言え、別に絶景の中を走るわけでもあるまいし
どうして助手席なのだろう?
眺めがいいというのなら、毎回助手席に座らせたっていいのに。
先週、その謎が解けました。
助手席を勧める日は、小さい車でお迎えに来ている日なのです。
そして、小さい送迎車の後部座席に座ると、積み込んだ荷物が
どうしても母の視界に入ってしまう。
スタッフさんとドライバーさんは、母にお泊り荷物を見せないために
気を利かせてくれていたのです。
ささやかなことですが、このミッションをスムーズに進めるためには
とても大切なポイントであり、プロだからこその素晴らしい技。
私、鳥肌が立つほど感動しました。
私が見つけた「お母さんゴメン!作戦」といい、
スタッフさんとドライバーさんの「助手席座りましょう作戦」といい、
(ネーミングのセンス悪すぎ)
介護って、小さな技を見つけられるかどうかで随分と変わってくるものだと
つくづく思います。
そして、そういう技も母が色々なことを忘れてしまうからこそ使えるのですけどね。
そう、忘れるは面倒だが役に立つ。
略して『わすめん』!
<大晦日&元旦に地上波初の一挙再放送!!>
そんな話をした都合上、気の利く技を使った一品を紹介しようと思ったのですが、
如何せんこの『ミカ料』、怠け者による怠け者のためのゆるーい料理記事。
技を使った料理を紹介するなんて、怠け者の沽券にかかわります!
技なんて使わねーよ!!
(何をエラそうに)
というわけで、何の技もないシンプルクッキング『ふろふき大根with肉味噌』。
『ふろふき大根with肉味噌』
- まず肉味噌を作っておきましょう。
鍋に、酒、みりんを入れて強火で熱します。
沸騰してアルコール分が飛んだら中火にし、鶏ひき肉を加えます。
ひき肉が細かくほぐれるように、菜箸でよくかき混ぜましょう。 - ひき肉に火が通ったら、砂糖、味噌を加えて混ぜます。
- 2に柚子の皮をすりおろしたものを加えて肉味噌の出来上がり。
- 大根を5~6センチほどの輪切りにして、皮をむきます。
火が通りやすくなるように、両面に浅く十字の切れ目を入れます。 - 鍋に、大根、大根がかぶるくらいの水、だし昆布を入れて火にかけます。
ル・クルーゼやバーミキュラといった厚手の鍋や、土鍋を使うと
早めに火が通ります。
※一度下茹でをしてから昆布と一緒に茹でるというレシピが多いのですが、
私は下茹でなしでやっちゃいます。 - 茹で上がる時間は鍋や大根の状態によって異なります。
竹串を刺して実際に確認しましょう。Don’t think, feel.です。
何の抵抗もなく、串がすっと通ったら茹で上がりです。 - 大根を器に盛って肉味噌をかけ、へぎ柚子(柚子の皮を薄く削ぎ切りにしたもの)を
あしらって出来上がりです。
食べるまで少し時間がある時は、大根をゆで汁に浸けたまま置き、
食べる直前にゆで汁ごと温めるようにしましょう。ライフハックと言う言葉を耳にしたことはありますか?
この言葉、本来は「仕事の質や効率を上げるための工夫や取り組み」を意味する
そうですが、最近では「生活の知恵」といった意味合いで使われることも
多いようです。
介護生活の中で私が見つけた、もしくは目の当たりにした小さな技は、
差し詰め介護ハックとでも呼ぶべきでしょうか。
介護に限らず、小さなハックを発見・活用することで日々の暮らしは
ちょっとだけ楽になるかもしれません。ミカスでした。
つまみ
介護ハック!
こちらも、長い入院生活を経て退院してちょうど2ヶ月の義母(要介護3)に正直翻弄されております。
歩行状態が悪化していることを本人が受け入れられないというか、「できる」という認識で動いてしまう。
で、2ヶ月で二度転倒しました。
また病院送りにならなかったのが不思議なくらいですが、明日、そうなっても不思議ではありません(なんだ、不思議不思議って)。
24時間見張り続けることはムリだし、「なにもするな」とベッドとベッドサイドのイスに縛り付けておくわけにもいきません。
トイレ事情の不安定さも相まって、デイサービスに行っているとき以外は気が休まらないです。
呼び出しベル、ベッドサイドのチューンナップ化、テレビや猫の活用、頭をスッキリしてもらいたいときは蒸しタオル、座ってできるもやしのひげ取りなどの家事をしてもらう、などなど、自分なりに工夫しているつもりですが、もっとできることがあるのかも。
こういう場でもいいし、他でもいいし、いろんな人の介護ハック、聞きたいね。
ミカス Post author
つまみさん
歩行状況が悪化しているのに「できる」という認識で動いてしまう…病気のお兄さんを介護している友人も同じことを言ってました。
何度も転倒したそうです。
転倒防止ハック、「できる」という認識を持たせないようにするという方向からアプローチするか、動いてしまっても安全を保てるようにするという方向からアプローチするか。
様々な形で考えることができそうですね。
つまみさんがおっしゃるように、色々な人の介護ハック聞いてみたい。
全ての人に使えるとは限らないけど、工夫しているということを知るだけでもなんか励みになりそうです。
つまみさんのハックの数々も詳しく聞いてみたい。