正しい時間:小松菜と椎茸のおひたし
週末にオバフォーメンバーと寄稿者の皆さんとでZoomランチ会をしました。
ランチ会ですから、パンを食べる人、ポップコーンをつまむ人、パスタを食べる猛者などもいて(私はサンドイッチ)、とてもリラックスした楽しいお喋りタイムになりました。
とにかく色々とお喋りをしたのですが、とても興味深かったのがハラミさんが美術館で監視員のお仕事をされた時のエピソードです。色々なお客さんがいたり、時に有名人がやって来たり。とても優しくおっとりとした語り口調のハラミさんが、有名人や個性の強いお客さんにどんなふうに対応をしているのかしらと想像するだけでなんとも楽しい気持ちになりました。
私も、興味のある作家の個展が開かれている時などに美術館を訪れるのが好きです。ただ、ひとつだけどうもモヤモヤする問題があるのです。
それは、「ひとつの作品をどれくらい眺めればいいのか」問題。
「そんなの、好きなだけ眺めればいいじゃないですか。興味を惹かれないならさっと次に行ってもいいし」そんな声が聞こえてきそうです。ええ、私もそう思うのですよ。1枚の絵(作品)を何分眺めるべきかなんて考えること自体が変だという事も。
もちろん私も興味を惹かれる作品の前ではちょっと長めに立ち止まってじっくりと鑑賞するのですが、それでも、全ての絵の前でじっくりと立ち止まり、寄ったり引いたりしながら「うーむ」と眺めている人を見ると、
「あれ? 私ももっと眺めるべき? というか、何分眺めるのが正解なの?」と考えてしまうのです。そうするとそればかりが気になってしまい、いまひとつ目の前にある芸術に集中できなくなったりもするのです。
以前「名所旧跡を訪れるたびに、一体何分くらいこの景色を眺めればいいのだろうと悩んでしまう」というエッセイを読んだことがあります。筆者が誰だったか思い出せないのがとても残念なのですが、それを読んだ時の”我が意を得たり感”といったら! 「そうそう、それそれ!」と叫んでしまったくらいです。
芸術も名所も、平均(だから、その平均がわからないのだけど)よりも短い時間でその前を立ち去ってしまうと、なにやら悪いことをしているような気持ちになってしまうのです。
多分、こんなことを気にしているのは私とそのエッセイを書いた人(ああ、誰だっただろう)くらいしかいないのではないかしらと思います。それでも、例えば「この絵の見どころは、この時代に流行していた〇〇技法で描かれた花びらのち密さです。推奨鑑賞時間3分」なんて札を作品の隣に掲示して、正しい時間を教えてくれたら楽なのになぁと思ってしまったりして。
さて、今日の一品は「小松菜と椎茸のおひたし」です。何分で作ればいいのかなんて考える必要もないくらい簡単にできますよ。メインのおかずは「魚焼く!」「肉焼く!」と言う感じで割と思いつきやすいけれど、副菜、特に野菜を使ったものはなかなか頭に浮かびません。あと一品何かないかな?と思った時にぜひどうぞ。
小松菜と椎茸のおひたし
- 小松菜は洗って茹でます。大きな鍋でお湯を沸騰させ、あまり茹で過ぎないように注意しながらさっと茹でます。
鍋から上げたら水に取り、熱が取れたらしっかりと水を切っておきましょう。 - 人参は千切り、椎茸はスライスにして、こちらもさっと茹でておきます。もちろんしっかりと水切りを。
- 小鍋に、だし汁、酒、みりん、塩、薄口醬油を入れ、煮立てます。
醤油は少な目。色と香りが付く程度に抑えましょう。味は出汁と塩がメインになるように。 - 1の小松菜を3センチほどの長さに切り、ぎゅっと水を絞ります。
- 3の合わせ調味料に4の小松菜と2の人参、椎茸を加えて混ぜ合わせたら出来上がり。
そうそう、私、温泉宿で露天風呂に浸かる時も考えます。「正しい浸かり時間は一体何分なのかしら?」
ミカスでした。
ハラミ
ミカスさん、こんにちは。
ランチ会、ありがとうございました!
ご挨拶程度のつもりが皆さんのお顔を見た嬉しさで、
たくさんおしゃべりしてしまいました^^;
絵を見る時間、考えたことなかったです〜。
周りが見えなくなってる人の方が多いので、周囲を気にされるのはめずらしいかも^^
側から見ていると、通り過ぎるくらいの早さ(もうちょっと見てって~と思うほど)から、メモをしながら舐めるように、または戻ってきて観るなど様々でした。
始まりから5分後くらいに見どころがある映像作品で、何事も起きない5分を見続けられず立ち去る人は多かったです。
見続けたりたまたまその場面に遭遇した方を、心の中で「おっ!ラッキーガール&ボーイ!」と勝手に認定していました^^
ミカス Post author
ハラミさん
先日はランチ会でおしゃべりできてとても嬉しかったです。
美術館のお話、楽しかったー。
そして、そのお話を聞きながら「そういえば私…」と、正しい時間問題を思い出したのでした。
やはり、監視員さんは「もうちょっと見てって」と思うこともあるのですね。
ちなみに、映像作品は一応全部見るのが正しい時間だと思っているので、最後まで見ます。面白い作品だったのでDVDを購入したこともあります。
またみんなでゆっくりお話ししたいですね。
本当は直接集まりたいところですが、しばらくはZoomで集まりましょう。
アメちゃん
わかりますわかります。
時間が・・というより、作品からの立ち去りどきを決めるのがムズカシイです。
充分鑑賞したなって思って、次の作品に行きかけて
いや、まだ足りないんじゃないか?
会場を出てから後悔するかもしれないな、もうちょっと観とこうかな・・
とか、そういうことばかり気にしてます。
後ろからくる人のことも気になりますしね。
私は気に入った作品は、全て観終わったあとにまた戻って見直して
あまり興味のないものはサラ〜っと流します。
ハラミさんが「もうちょっと見てって〜」って思う人ですね(笑)。
ミカス Post author
アメちゃんさん
作品からの立ち去りどきか、わかるなぁ。
長い時間じっくりと鑑賞したい。なんなら戻ってもう一度見たい。でも後から来る人もいるし、どうしたものか。美術館のジレンマですね。
あぁ、次に美術館へ行ったら、他のお客さんの鑑賞時間を観察してしまいそうです。