Posted on 2023年11月14日 by ミカス

弱った時の小さな優しさにおばさんはコロっとやられる:堅とうふと豚肉の炒め物

風邪をひきました。

朝、目が覚めると、鼻と喉の間あたりがヒリヒリと痛みます。経験上、この痛みはこれから風邪がひどくなる兆候。ああいやだなぁと思ったのも束の間、くしゃみ、鼻水、そして発熱と次々と症状が出てきて、まるでお手本のようなThe風邪が出来上がりました。

とはいえこのご時世、素人判断で風邪だと決めつけるのは危険です。とりあえずコロナウイルスとインフルエンザの検査は受けなければなりません。
かかりつけの医院に電話をすると、発熱外来の時間に来てくれとのこと。
「駐車場に着いたら電話を下さい。そしてそのまま車の中でお待ちくださいね」と言う受付の方に「あ、私、車じゃないんです。歩いて行きます」と伝えると、「えっ?」と一瞬詰まってから(私が住む田舎町では移動は車が当たり前)、「大丈夫ですか?歩いて来られます?」
歩いて行くしかないじゃないですか。
少し寒い日でしたが、幸い熱がさほど高くなかったのでとぼとぼと向かいました。

歩くこと約10分。なんとかかかりつけの医院にたどり着くと、駐車場にはいつもよりも明らかに多い車が。「ああ、混んでるのか。長い時間立って待つのはしんどいなあ」とがっくりとした次の瞬間、駐車場の端、建物に寄せてパイプ椅子がひとつ置いてあるのが目に入りました。
もしかして私のために?
その時、たまたま、これは本当にたまたま医院の窓が開いて看護師さんが顔を出しました。
「ミカスさん。大丈夫? 今、先生からミカスさんのスマホに電話が入ります。そこに座って待っててね」
嗚呼。

電話での問診の後、完全装備の先生が駐車場にやってきて、鼻にスワブを差し入れて検体を採取しました。それを窓から看護師さんに渡してしばらく待つと、コロナウイルスもインフルエンザも陰性だということが判明。先生が「よし! ミカスさん、中に入って。寒いでしょ。早く」その後は診察室で、血圧を測ったり胸の音を聴いたりという通常の診察をして、風邪の薬を出してもらいました。

風邪だから、熱があるから、咳が出るから、本当は自分のことだけに集中してただただ寝ていたのです。でも、大人はそうもいかない時もある。父を着替えさせたり、食事の支度をしたり、猫のトイレの掃除もするし、こんな時に限って「ゴミ収集所のお掃除当番が…なんとかして班長さん!」なんて連絡も入るし。風邪なのに、熱があるのに、咳も出るのに、誰かほんの少しでいいから私のことを気に懸けてよ。そんな時に私のためだけに置かれたパイプ椅子。私のためだけに置いてくれた人。
普段誰かの事ばかりしているおばさんは、そんな小さな優しさにコロっとやられてしまうのです。
ああ私も焼きが回ったなと考えるべきか、そんな小さなことに気付いてすくい上げられる年になったと考えるべきか。後者の方が気持ちが良さそうです。

さて、今日ご紹介する一品は『硬とうふと豚肉の炒め物』です。風邪で買い物もままならず、妹に車を出してもらってなんとかでかけたスーパーで堅とうふなるものを見つけました。パッケージには「スライスしてわさび醤油で」とありましたが、普通の豆腐よりも水気が少ないことを利用して炒め物にしてみました。ゴーヤチャンプルーのゴーヤなしといった感じでしょうか。(私はゴーヤが苦手です)

堅とうふと豚肉の炒め物

• 薄切りの豚肉を3センチくらいの長さに切り、日本酒と醤油をもみ込んでしばらく置きます。
• 硬とうふは適当な大きさに手でちぎっておきます。
• 生卵を溶いておきます。
• フライパンに胡麻油を引き、火にかけます。
• フライパンが温まったら肉を入れ、しっかり火が入るまで炒めて一旦取り出します。
• フライパンの表面をペーパータオルなどでさっと拭き、改めてごま油をひいて火にかけます。
• 硬とうふをフランパンに入れ、すべての面に軽く焼き色が付くまで焼きます。
• フライパンに豚肉を戻し、塩、醤油、砂糖を加えて軽く炒め合わせます。
• 溶き卵を回し入れ、卵に軽く火が入ったところで全体を大きく混ぜ合わせてます。
  卵に完全に火が通ったら出来上がりです。

熱は下がりましたが、咳と鼻水はいまひとつ良くならず。更にこの風邪が父にうつってしまうという厄介な展開となっています。とはいえ、明けない夜がないように、止まない雨がないように、終わらない風邪もないでしょう。もうしばらく頑張ります。

ミカスでした。

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