ゾロメ日記㉖ 人生はドラマティックとは程遠い「小」の連続だ
◆10月23日 小手術
義父が手首のデキモノの手術をする。正式には「左前腕皮下腫瘍摘出術」。
日帰り手術だが、手術は手術。高齢だし、血圧は高いし、他にもナンダカンダあるのでリスクは若干上がるという術前の説明を受け、血液&尿検査、同意書の記入・・があって当日を迎える。付き添いの家族は専用の「小手術待合室」というところで待機。
テレビがつけっぱなしになっていて、NHKの「ファミリーヒストリー」の再放送が流れていた。八木沼純子さんの「華麗なる一族」っぷりに驚く。一族は、ビジュアルもこぞって端正で華麗なのであった。
見終わったら手術も終わった。悩まされていたデキモノの痛みが消え、義父は上機嫌。「今は麻酔が効いているから」と言っても、今この瞬間、包帯の上から触れても全く痛みを感じないその事実が重要らしく、「早くやればよかった」と連呼。・・わかるけど。
◆10月24日 小ネタ
手術後の消毒のために病院へ。経過は問題なしとのこと。
思いのほか早く病院が終わったので、今週分の「ありがとう」をまとめて見る。ありがとうありがとうって最近しつこいな私。今週は劇中の突然の歌が少なめだった気がする。前回の日記で私が「違和感」と書いたからか(笑)。
まだドラマは前半戦だが、もうすぐ院長役の伊志井寛が病気で降板してしまうのである。最初は「出張」扱いだが交代するのだ。生まれて初めて、ドラマは「おはなし」だけれど、俳優は現実を生きているのだ、と気づいたのがこの降板だった気がする。
その後、NHK大河ドラマの「勝海舟」での渡哲也、同じくNHK連続テレビ小説「いちばん星」での高瀬春奈、とメインの出演者の降板を経験(?)することになるが、私の原点は伊志井寛なのである。
あらためて見ると、伊志井寛って味わいがあっていい役者さんだ。もっとも、リアルタイムでも、子ども心にも好感を持って彼を見ていたからこそ、降板→訃報をありありと記憶しているのかもしれない。
ちなみに、伊志井寛は石井ふく子の義父だそうだ。今日知った小ネタ。
◆10月25日 小願成就
友人と3人で新宿ランチ。
義父の視力喪失以降も、誘われればうれしいのでなるたけ出かけるようにしているのだが、外出前後は忙しい。夫に急な仕事が入ったり、義父母の体調も不安定だったりするので、事前の画策も必須。誘ってくれた人には「ドタキャンしたらごめんね」とお断りを入れて直前に予定を決めることになる。そうなると待ち合わせがつい、便利なターミナル駅になりがちだ。
今日も今日とて新宿駅南口集合。人の多さにたじろぎ、「どいつもこいつも、なんで新宿なんかで待ち合わせるのか!」と天に唾する。でも、甲州街道を新宿御苑方向に向かうほどに人はおもしろいように減少して、歩道の風通しが良くなった。
御苑には寄らず、付近でお昼を食べ、四谷方面に歩く。
あれ?ここは6月の上旬に結婚披露宴で来た場所だわ!とひとり興奮し、6月には満席で入店できなかった四八珈琲(よつやこーひー)というお店に入る。小願成就!?
◆10月26日 小ワザというか荒ワザ
木枯らし1号が吹いて一気に寒くなった。今季初、猫が冬用の猫ベッドに自ら入ったので、それじゃあ、と台所にストーブを出した。まだ点火はしないけれど、もう何十年も使っている石油ストーブが登場すると、台所にも冬が来る。
自分の部屋はエアコンとファンヒーターの併用だが(寒がり)、台所は断然石油ストーブ派だ。ヤカンや鍋を置けるのがいい。野菜を切ったお鍋をかけておけば、スープやお味噌汁の具になるし、ホイルを乗せてサツマイモやニンニクも焼ける。義母は以前よく、牛乳をいれたマグカップを端っこに直置きして徐々に温めるという、小ワザというか荒ワザを実施していた。
そんなわけで、石油ストーブのない冬の台所は考えられない。が、灯油の管理がちょっとめんどくさい。実家(福島県会津地方)には家庭用屋外石油タンクがあって便利だった。業者さんが定期的に入れてくれるのだ。今思うと、なんて素敵なシステムだー。
◆10月27日 小声で言う
今日から読書週間なのだが、パート先の小学校図書室では特になにもせず、通常運転。大きな声では言えないので小声で言うが、大人の過剰な「本を読め読め攻撃」はうっとうしいと思うから。
通常業務で1年生に絵本『いっしょにあそばへん?』を読む。作者岡田よしたか さんの「絵本にメッセージは込めない」というスタンスが麗しい。ウケた。
ウケりゃあいいというものでもないわけだが、楽器が勝手に公園に集まって演奏をはじめ、どんどん増えてピアノまで歩いて登場し、そのうち楽器同士がケンカし、なぜか餅や大豆まで参戦し、朝方には歌手たちも駆けつけ、最後は人間もやってきて・・という展開はまさに岡田ワールドだ。理屈抜きに楽しい。そしてヘン。ヘンは大事だと思う。
by 月亭つまみ
友人との掛け合いブログです。→→「チチカカ湖でひと泳ぎ」
こうまさん
こんにちは。
実はひそかに図書館ネタを楽しみにしています。
≫理屈抜きに楽しい。そしてヘン。ヘンは大事だと思う。
というところに、グッときました。
読み聞かせおばさんしてますが、
『ウケばっかり狙ってはいけない』とか言う人もいますが、
つい、朝の時間、笑わせたい!と思ってしまいます。
色んな人がいろんな本を読むのが、世の中って感じじゃないかな~と、
言い訳かもしれない、ことを思っています。
早速、岡田氏のこの本、予約しました!
つまみ Post author
こうまさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
正直、今までの人生、絵本、児童書とあまり接点を持たずに生きてきました。
今、パートとはいえ小学校の図書室で働いているわりには、この分野の向学心には欠けていると思います。
読み聞かせ、という行為(?)に対しても、いろんな思いが交錯したりもします。
でも、本当にこうまさんのおっしゃるように「いろんな人がいろんな本を読む」のが世の中ですし、気をつけることは教条的に走ろうとしない、ぐらいで、あとはそのときどきで自分の琴線に触れたものを、凸凹しつつも、気楽に紹介するテイでいいんじゃないかなあと思ったりしています。
ま、私こそが言い訳なんですけど(^_^;)
nao
子どもが小学生の頃、学校に読み聞かせに行ってました。
内容は説教臭くない方が私も好きです。
へんな絵本いいですね!
あと、内容もさることながら
読み聞かせは声に出して読んだ時に
言葉が流れるように出てくる音の運びになっている本が好きでした。
翻訳本は読みにくいのが多かったな-。
身近に子どもがいないので遠ざかってますが
またやってみたいです。
つまみ Post author
naoさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
私も、絵本に限らず説教臭い本は苦手です。
そして、音読ならではの言葉の流れ、わかりますわかります!
音にすると、言葉って流れだわリズムだわ、と思いますね。
私は子どもがいないので、このトシになって初めて読み聞かせに接近しております。
いろいろ新鮮です。