◆◇やっかみかもしれませんが…◆◇ 第10回 桜の樹の下には極論が埋まっている
突然ですが
生活のためであれ、自己実現であれ、なりゆきであれ、フルタイム(に近い形)で仕事に就いている人に言いたい。
あなたは恵まれているかもしれない、と。
要介護の家族がいることで思うように外(仕事)に出られないストレスはハンパじゃないぞ。
「んなこたぁ、月亭つまみごときに言われるまでもない、こっちだって気楽に仕事に行ってんじゃないぞ、そもそもそっちこそ、この間まで、その家族のおかげで心おきなく外で働けたんだろ」と言われそうだし、まさにそのとおりなのだけれど、今回、私は開き直って、敵を増やしても致し方なし、ぐらいの気分で書いているので、ここはひとつ、「とにかく聞きなはれ!」と言わせてもらおう。(なんだ、この屈折方向からの好戦的な自作自演な物言いは)
介護する家族のことがその業界内だけではなく、最近は文学作品にも多く登場するようになったり、介護にまつわる制度が、十分とは言わないまでも介護者に寄り添うよう一歩を踏み出し始めたかのように見える昨今でも、介護の状況はなかなか理解されていない気がする。可視化されにくい日々の些事こそ、ハードなのだ…と、このところ、もぐらたたきのように、次々に出没する要介護家族の懸案に四苦八苦、右往左往、試行錯誤しまくっている自分は以下のように思ってしまうのだ。
問題や悩みを抱えつつも、自分の意思で決めた仕事に、(多少は家族との調整が必要とはいえ)気兼ねなく行けることを当然だと思っているそこのあなた、それは決して当然じゃありませんよ、と。
被害者意識にすっかり毒されているのかもしれないし、介護に無縁の人をやっかんで言っているところも多々あるのだろうが、10年ぐらい前まで、介護とは無縁で、そのラッキーさを無自覚に享受してきた自分だからこそ、今になって、それが奇跡に近い僥倖で、同時に、薄氷の上に成り立っていたことがわかるのだ。痛いくらい。
奇跡や僥倖が理解できるのは、そこから離脱したときなのかもしれない。byつまみ
…なんか偉そうだな、自分。
でも、「偉そう」ついでに言うと、中高年になれば、若いときのように人生のよりどころを仕事に求めなくなるんじゃないの、などと思っている人(たとえば過去の自分)がいたら言いたい。
甘い。
いくつになっても、仕事をすることで得られる(得られやすい)人生のよりどころがあると思う。
もちろん、それは必ずしも仕事でなくてもいいのだけれど、いろいろなシチュエーションの自分を持つのは大事だなあと年々思うようになっている。その中でも、金銭という報酬を得るための行動や思考というのは、自分にそれ相応の緊張感を強いることでもある。それは、人生の後半こそ、必要な気がすると強く思うようになってきた。
誰かに必要とされる実感は、確かに生活に張りを与えてくれるかもしれないけれど、自分を稼働させる自分を必要とする実感も、各種の「力」が先細る気がする中高年以降にこそ必要かも、と。
「介護で自分の人生をすり減らすな」「どんなに大切な人の介護であっても最優先は自分にしろ」…言うは易し、だ。私も人にもそう言ってきた。が、こと、自分がその局面に立つと、あまりにも多くの思い、選択すべき数多の事態に翻弄され、それに押しつぶされそうになって、そもそも自分本位制というものがどういうことなのかもわからなくなる。その結果が現在の自分の状況なのかもしれない。
くっそー!やってらんないぜ。
だから言いたい。まだ本格的に介護をしていない人、私を反面教師にしていいよ。後悔し続ける体力気力に自信がないなら、ギブアップも一手だ。要介護になった親(義父母)と良好な関係を保ちたいなら、一緒に暮らす道など選ぶのはやめた方がいいかもよ。私はまだ続けるけどね(苦笑)。
もっと、オトナらしい、全方位を網羅するような…たとえば糸井重里氏の日々のコラムのような人たらし的文章で今の思いを綴りたかったのだけれど、心身の余裕も物理的時間も力量もなかった。あくまでも極論だけれど、不快になった人がいらしたら申し訳ない。ただ、私を嫌いになってもかまわないけど、このサイトを嫌いにならないでね…なんちって。
by月亭つまみ
【木曜日のこの枠のラインナップ】
第1木曜日 まゆぽさんの【あの頃アーカイブ】
第2木曜日 つまみの【帰って来たゾロメ女の逆襲 月刊★切実本屋】
第3木曜日 はらぷさんの【なんかすごい。】
第4木曜日 つまみの【帰って来たゾロメ女の逆襲 やっかみかもしれませんが】
まゆぽさんとの掛け合いブログです。→→「チチカカ湖でひと泳ぎ」
レオ(岐阜)
「私はまだ続けるけどね(苦笑)」その気持ちだけでやった気がするよ自分。
我が家の場合は、定年になった夫と二人だったので最後まで自宅で看取れました、
が、仕事があったらもっとしんどかったと思う、
あっちこっちで「愚痴」言いました、支援も受けました、
それでも、「ギブアップも一手!」そうだよ。
爽子
こんにちは、つまみさん。
東京は、もうこんなに桜が咲いてるんですね。
満開〜〜^_^。
在宅介護、本当に大変。
うちは、介護者が骨折して、流れが変わりました。
渦中は、何を考えてたのかちょっと思い出せませんわ。
最後のAKBまがいのご挨拶、素敵^_^
江ノ島カランコロン
ありがとう つまみさん! よくぞ言ってくれました。
私の場合 四人抱えられるのだから 一人一人は 重度ではない。
そう言った状況だからこそ 義父母が同じ屋根の下にいるのは 楽。
移動時間が少なくて済み 必要なければ即、自分の世界に帰れますよ。
私の野望は いつの日か 保育士へのフルタイム復帰!正規職員じゃなくても良いわ。
ブラック保育園でなければね。
その日のために フルマラソン挑戦(体力の向上 維持アピール)
細切れ時間で 保育の勉強!
週に六時間だけの保育パートが 私の命の充電!
あ〜 仕事したい! つまみさん ありがとぉ
Jane
いい記事だ…。
つまみ Post author
レオ(岐阜)さーん!
こんばんは。
レオさんも、そうでしたかあ。
私も、介護の点数を使いまくって(4月は足らないことがほぼ確定)、行けるところまで。
もう行けないわ、となったら意地を張らずに次の一手を打ちます!
つまみ Post author
爽子さん、ごめんごめん。
この写真、去年のモノなのです。
今年はまだ桜を見に行ってません(^^;)
骨折かあ。
流れ、変わりますよね。
そして、渦中はそう。
私も、義父がイチバン大変だった頃、自分がどんな思いで暮らしていたか忘れてしまった。
確か、カイゴ・デトックスの集いのときも「忘れちゃった」と言った気がします。
私を、オバフォーのあっちゃんと呼んでくれ(誰も呼ばないっつうの)。
つまみ Post author
江ノ島カランコロンさん、お久しぶりです。
お元気ですか。
おおっ!保育士のフルタイム復帰、ぜひ叶えていただきたい!
そして週6時間の保育パート、私とシンクロしてます。
私も、4月から小学校の図書室には週一しか行かず、まさに週6時間の命綱なのです。
仕事、したいですよねえ。
できないとなおさら。
私なんて、いくらでもできていたときは、休むことばかり考えてたのに。
それにしても、フルマラソンかあ。すごいなあ。
かかと落としとプランクしかしてないもんなあ。
こちらこそ、ありがとぉ!です。
つまみ Post author
Janeさん
いいコメントだ…。
自分のためにしか書いてないような文章なのに、ありがたいありがたい。
水仙
わかります!今はそう言うのが精一杯。子供が巣立って何しよーなんて言ってる友人に(幸せ者メー)と叫びたい!
つまみ Post author
水仙さん、コメントありがとうございます。
そうですそうなのそうなんだ!
人を羨むな、妬むな、嫉むな、やっかむな、なんて、まっとうなことを言うやつらなんてくそくらえだ。
叫びたい!!