4月26日はカレー記念日

カレー記念日

背中痛い 言われてのみこむ 私もよ

4月26日はカレー記念日

Jane

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カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

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50代、男のメガネは

その寂しさが地獄の手招き。

 

 

 

寂しいのである、みんな。たぶん、みんな。

そりゃそうだ。人間みんな寂しい。寂しくない人間なんているのか?いても少数派だろう、という位にみんな寂しいのである。驚くほど寂しいのである。ま、ほとんどの人は普通に寂しい。普通に寂しいというのは、「ちょっと俺のことも見てちょうだいよ」程度に寂しい。恋人がいれば、恋人に「ほら、俺ってなかなか頑張ってるんだぜ、ちゃんと見てくれよな」くらい。女の子なら、「いつもとちょっと違うでしょ」なんて髪型変えたことを問うて見たりするくらいにはかまってほしい。問うてみて「なに?なにも変わらないけど」とか言われてしまうと、ここのところ自分に迫ってきているバイト先の店長とねんごろになってやろうかと、思ってしまうくらいには寂しいのである。うん、かなり妄想も入ってはいるけれど、なんとなく遠からずという気がする。

これがひどくなってくると、恋人や友達がいて、ちゃんと見ていてくれているのに、「誰も見てくれていない、私は一人よ」なんてしくしく泣き出す。

でもって、もっとひどくなってくると、森崎東監督の喜劇映画『生きてるうちが花なのよ。死んだらそれまでよ党宣言』という不思議な映画に出てきた倍賞美津子のように、久しぶりに帰ってきた男に抱かれながら、その男の名前を呼びつつ「会いたいよう。会いたいよう」と叫ぶのである。すると、抱いている原田芳雄が「会うとるじゃないの」と切ない声を上げながら、一生懸命に女を抱くのである。

これなんて、あれだな。バブルの頃に、スケジュールが白紙だと、死ぬほど不安になるっていう話がよく聞かれたけど、あれと同じだな。で、それがさらにひどくなると、手帳にびっしり予定は入れるんだけども、どの予定も無理矢理に入れてる予定だから、埋めても埋めても不安で仕方がない。寂しくて仕方なくなるのである。

昨今は、というか、こりゃたぶん昔から、寂しさに任せて恋愛に走ったりするという事例も多い。けれども、そのほとんどは実は恋愛ではなくて単なる肉体関係だったりするのだけれど、まあ、寂しくて肉体関係に走っているのだから、恋愛だと言ってしまいたい衝動には駆られるだろう。なんせ、肉体関係と言い切ったら言い切ったで寂しくて仕方がないから。

ということで、寂しさは恐ろしい。特に今の世の中は寂しさが原動力になっていると言ってもいいくらいに寂しさで動いている。SNSがここまで流行るのは「わかってほしい」「知ってほしい」「気づいてほしい」そして、「私とつながってほしい」とうい声なき声の具現化だろうし、そう思っていなかった人も、目の前にそんな便利なシステムができあがってしまうと、そこに乗っかって寝た子を起こされてしまうのである。というわけで、今の世の中、世相として老いも若きも結局は寂しいのだと言い切ってもいいんじゃないかと思う。または、寂しくなったらどうしようという強迫観念に突き動かされているのだろう。

だけども、本当に恐ろしいのは、ただ寂しいだけじゃなくて、デフォルトで「寂しくないと話がややこしくなる」という点だと思うんだけれどもどうだろうか。ここでいう寂しさには、若干、自分が認められていないとか、自分らしく生きれてない、といった妬みとか嫉みとかいったものにも通じているので、これまた「私、寂しくないもん!」と声を張り上げてしまう危険性もはらんでおり、それはそれで恐ろしいかったりもするのだけれども。ああ、ちょっとややこしいな。

ま、どっちにしても、世の中が、普通に一人暮らしをしているくらいなら、寂しいと思わない程度に、寂しさが当たり前になっているのである。だからこそ、一人カラオケも普通だし、女子が一人で居酒屋で飲んでいても、焼き肉屋でホルモンを焼いていてもOKなのである。

こういうのは、だいたい一昔前までは、「一人で居酒屋?誰かと一緒に行ってもらえ、なんで一人やねん。どんだけ寂しいねん」と言われてしまった事例に違いない。だけど、いまどき、それが普通なくらいに、寂しさのハードルが低いのである。その程度なら、寂しいとかじゃなくて当たり前なのよ。という感覚というとわかりやすいかもしれない。

だけど、やっぱり寂しいのは当たり前だけど、ちょっとは強がならなくてはと思う今日この頃なのである。なぜか。それは寂しがって手近なところで寂しさを解消しようとすると、結局さらに大きな寂しさを味わうことになるからだ。

寂しさを解消するには、本当は強くなるしかないのに、または寂しさを飼い慣らすすべを手に入れるしかないのに、寂しさを紛らすために目の前の何かにすがってしまう。すると、それが破綻したときに、きっとさらに大きな喪失感に見舞われて、さらに大きな寂しさに足下からさらわれてしまうのである。

映画『her/世界にひとつだけの彼女』で、フォアキン・フェニックスがコンピュータのOSに恋をしてしまい、ある日突然、そのOSが消え去ってしまったときの喪失感は、みんなが日々のなかで感じている喪失感だったのではないだろうか

SNSでしかやりとりしていなかった『友だち』がある日突然、友だちリストから消えていたときのなんとも言えない喪失感はなんだろう。もともといなかった、顔も知らない人だったりするんだからリストから消えていたっていいじゃないか、と思う。それにリストから消えていたことを知ったのだって、消えてから何ヶ月もたってからのことなんだぜ。それなのに、「なぜ?」という衝撃を受けてしまう。

ちょっと脅すように言うけれど、ちょっと奥さん、これからそんなことが山のように増えてくるんですよ。

たとえば、音楽や書籍だって、今は自分で買って所有するだけではなく、AppleMusicGoogleのように、お金を払っている間は好きなだけ聞けると、という形式が増えている。となると、これはある日、お金を払えなくなった瞬間、すべてが消えるのである。

これまでなら、たとえば仕事を失って、お金がなくなっても、これまでに買ったCDや本は手に元にある。とりあえず、新しい本やCDはしばらく買えないけれど、手元にあるものをもう一度読んだり聞いたりしていればいいや、という時代は終わったのだ。お金がなくなったら、自分が読んでいた本や音楽も一瞬にして自分の目の前から消える。僕たちはそんな喪失感に耐えられるのだろうか。

僕はきっと耐えられない。耐えられないから、せめて、本当にいいと思った本と音楽くらいは、「共有」するのではなく「所有」しておこうと思うのである。エゴと言われようが。

 


 

植松さんとデザイナーのヤブウチさんがラインスタンプを作りました。
ネコのマロンとは?→

「ネコのマロン」販売サイト 
https://store.line.me/stickershop/product/1150262/ja
クリエイターズスタンプのところで、検索した方がはやいかも。

そして、こちらが「ネコのマロン、参院選に立つ。」のサイト
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在、神楽坂にあるオフィス★イサナのクリエイティブディレクター、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。

★これまでの植松さんの記事は、こちらからどうぞ。

 


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コメント、ありがとー!

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    カミュエラ

    インターネットやSNSについて考えるとき、誰かが書いたとんでもないシナリオの上で私たちは踊らされているのかなと時々思うことがあります。
    便利なツールとして使い始めただけなのに、気が付けば麻薬のように、なければ精神的に不安定になりどんどん使用量も増えていく・・・・
    今はこちらのブログやウェブマガジンにお邪魔するように、他の人が発信するSNSをのぞくだけで自分から発信することはしていないので、植松さんが経験されたような「寂しさ」はまだ味わったことがないのですが、私がSNSを自分発信でやらない理由は、突き詰めればそう言った「寂しさ」「喪失感」を味わいたくないということがあるのかもしれません。
    これらのツールほんとにほんとに便利です、だから毎日使っています。でも、それでもこの便利すぎるツールの未来に関しては考え方がかなりネガティブです。つまるところ、使い方次第で人も殺せるところが心底怖い。そんな発明、文明の利器、そんなにはありません。
    私は「核」にそっくりだと思っています。上手に使いこなして「アンダーコントロール」と思っているのは自分だけで、実は使い始めた時点で皆「アウトオブコントロール」の世界の住人なのに・・・・
    核を保有しリスクを背負って「共存」を選ぶ国と完全に捨てることを選んだ国があるように、もしかしたらインターネット、SNSについてもそういう選択を迫られる時が来るのでは?などと思ってしまいます。私たちが生きている間に起こらなくても、それはそんなに遠くない未来。大袈裟かなあ?
    植松さんがおっしゃるように、これらの便利なツールがなくなっても平静でいられる自分なりのバックアップシステム、考えておいたほうがいいと思います。まだ正気が残っているうちに。

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    uematsu Post author

    カミュエラさん
    僕も、そういった怖さを感じることがあります。あと、小学生がユーチューバーになりたがったり、インスタグラマーとして稼いでる女子高生がいたり。
    うまくやれてる、と思い込ませつつ、人をダメにしてるんじゃないの?という疑念が拭えません。
    しかし、少しでも定期収入が途絶えた瞬間に、音楽も本も手元から消えるなんて、恐ろしくないですか?
    電子書籍の可能性はとても大きいと思うんですが、なんでも「共有の時代だ!」っていうのは、個人的には楽天的すぎるんじゃないかと。
    いまだって、お金払って共有してる音楽が知らない間に「著作権者の都合で配信を停止しています」みたいなことになったりしますからね。

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    kokomo

    イギリスで「孤独担当大臣」なるポストが新設されるというニュースを読みました。
    いつのまにか孤独も政治が介入するワールドワイドな問題になってしまったのですね。

    「孤独を飼いならすすべ」、見つけていきたいものです。

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    uematsu Post author

    kokomoさん

    孤独担当大臣の話は僕もニュースで読みました。
    子どもがいて、ヨメがいて、自分の会社にはスタッフがいて、
    大阪の学校で学生に囲まれて。
    そんな僕が「孤独や」と言うと、ヨメが鼻で笑います。
    でも、本当に孤独なんだもん。
    孤独って、寂しいからなるもんじゃないですよね。
    昔、『じゃりン子チエ』に登場する、やんちゃな父親テツが、
    満開に咲く桜の下で「ああ、孤独や」とつぶやいていたのを思い出します。

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