失うことの絶望に:かぼちゃのサラダ
今朝、ごみを出しに行く時に、ふと、亡くなった伯母のことを思い出しました。
さすがに服は着替えていたものの、寝ぐせもろくになで付けず、もちろんすっぴんでぼんやりと歩きながら「ああ、Hおばちゃんはすぐそこまでごみを出しに行くだけでもお化粧をしていたなぁ」と。
とてもお洒落な人でした。
たまに伯母の家に泊まることがあったのですが、その時最も印象的だったのは
朝一番に鏡台の前に座る彼女の背中でした。
三面鏡の前に正座をし、刺しゅう入りの化粧ケープで覆ってメイクをするその背中はいつもしゃんと伸びていました。
会いたいなぁ、と強く思いました。
寝ぐせの頭でごみ袋を提げて歩きながら、なぜかとても強く会いたいと思いました。
それでももう伯母はいない。
何をどうしたところで、戻ってこない人や時間がある。
年を取るというのはそういうことなんだと、最近頓に考えるようになりました。
昔、カナダで介護士を目指すクラスの授業で不思議なゲーム(?)をしたことがあります。
授業の最初に、1から10まで番号が書かれた紙が配られて、
「あなたにとって大切なものをランダムに10個書き出して。書かれている番号は便宜上のもので、順位ではありません」
と先生が言いました。
友達、お金、健康、恋人、仕事、趣味…皆、あれこれと考えながら、少し楽しそうに10のリストを作りました。
「では、そのリストは手元に置いて、授業を始めましょう」
なぜか、書き終えたリストに触れることなく授業が始まりました。
5分後、リストの事を忘れかけていた時に突然先生が言いました。
「リストの7番を消してください」
軽い驚きの声が上がりましたが、皆、7の上にラインを引きました。
その後ほぼ5分おきに先生が声をかけて、私たちの大切なものがひとつずつ消えていきました。
最初は笑いながらラインを引いていたクラスの皆も、「私の友達がいなくなっちゃった」「僕の車…もうこれじゃ出かけられないよ」と少し悲壮な声をあげるようになっていました。
リストの残りがあとひとつとなった時に先生が言いました。
「残りひとつね。どんな気持ち? これが、年を取るということです。人は年を取るごとに色々なものを失います。体力、友達、家族、趣味、人によっては経済力も。ともすれば絶望的な気持ちになるでしょう。あなたたちが介護士になって高齢者と向き合った時、その絶望にどう寄り添うのか。でも、決して絶望だけではないということを高齢者にどう実感してもらえばいいのか。しっかり考えてください」
正直言うと、怖いです。
若いころは、まるで自分は無敵であるかのように怖いものなしだったのに、今の私は、これからひとつずつ失っていくことが怖くてなりません。
自分が抱えたこの恐怖にどう寄り添うのか。そして、これからの人生、決して恐怖ばかりではないはずだとどう実感していけばいいのか。
しっかり考えなくてはなりません。
さて、今日の一品は、本文のテーマとは全く関係なく『かぼちゃのサラダ』です(笑)
みなさんはサラダにする時、かぼちゃをどのように加熱しますか?私は皮付きのままレンジでチンします。
かぼちゃのサラダ
- かぼちゃを適当な大きなにカットし、耐熱容器に入れて少し水を振って電子レンジで加熱します。
皮は付いたままでOK。様子を見ながら、爪楊枝がすっと刺さるようになったら火が通ってます。 - きゅうりはこぐち切りにして塩もみに、玉ねぎは薄くスライスしてに水にさらします。
- 火の通ったかぼちゃの皮を包丁でこそげ取ります。
やけどをしないように、少し冷ましてからやってくださいね。 - 3のかぼちゃを軽くつぶして(どれくらいつぶすのかはお好みで)塩、こしょう、、生クリームを加えて混ぜ合わせます。
- きゅうりを洗って塩気を落とし、ぎっと絞ります。玉ねぎも絞って水気をきりましょう。
- 4のかぼちゃに5のきゅうりと玉ねぎを加え、マヨネーズを加えて混ぜたら出来上がりです。
※お好みでナッツやレーズン、刻んだゆで卵を入れても美味しいですよ。
さて、先週、今月の在宅デトックスの告知をしましたが、開催日の曜日に間違いがありました。
正しい開催日は、9月26日(土)です。
9月の在宅デトックス、ゆるテーマは『予備軍の不安』です。
先日販売を開始したZine『カイゴ・デトックスへようこそ』2号にたくさんの購入申し込みをいただいているのですが、その中で目立つのが「今のところ親は元気なのですが、いつ介護が始まってもおかしくない年齢です」というメッセージ。
確かに、オバフォー世代の親となれば、いつ介護が必要な状態になっても不思議ではありません。更に、私たち自身や配偶者も介護をされる立場になるかもしれません。でも、介護というものがあまり身近ではない人は、一体どんなことが起きるのかと不安に思って当たり前です。
ただなんとなく不安を抱えているのではなく、その不安を在宅デトックスで吐き出してみませんか?
参加者の限定はしませんが、介護未経験者や介護予備軍の方のご参加を歓迎します。「介護していない私は在宅デトックスに参加できない」と思っている方、そんなことはありません。9月回をきっかけに、一緒にデトックスを始めませんか?
【日時】
9月26日(土)21:00
【所要時間】
1時間~1時間半
※参加人数、盛り上がりなどによって緩く変わります。
中座、早退など自由です。
【オバフォーからの参加者 】
ミカス
※他メンバーのサプライズ参加もあり!
【参加対象 】
介護の経験はないけど、将来が不安、介護者の実情を知りたい方。
現在介護中で、モヤモヤ、イライラを吐き出したい方。
過去の介護経験について吐き出せなかったことを吐き出したい方。
どんな方でも大歓迎です。
【募集人数 】
4名 ※定員オーバーの場合は抽選になります
【参加料 】
無料
【申し込み方法】
こちらのフォームからお申込みください
【申し込み締め切り】
9月23日(水)
※リモート会議などで使われるソフトZoomを使用します。
パソコン、スマホ、タブレットのいずれでも使用可能です。
初心者でも簡単に使えるソフトですが、使い方がわからない方には解説
しますのでご安心ください。
また、Zine『カイゴ・デトックスへようこそ』2号も絶賛発売中です。
「そんなに売れないんじゃないかなぁ…」と発送担当に名乗りを上げてしまったのですが、ひっきりなしに飛び込んでくる注文メールに泣きながら梱包作業をし、泣きながら郵便局へ通っています。うれし泣きですけどね。
というわけで、早めに注文しないと売り切れちゃうかもしりませんよ。
興味のある方は早めにこちらからお申込みくださいね。
試し読みはこちらのページでどうぞ。
ちゃま
若い頃「あなたも年をとれば分かるわよ」と言われた事が、今はよく分かります。
身体のソコココが痛いととか、動かないとか、調子が悪いとか。若さの素晴らしさは、若い頃は分からないで過ごしています。でも、年をとると少しづつ分かってきますねぇ。もちろん年を取って分かるのは、身体の事だけでは無いですが。
今、56歳です。行きつけのDr.が増えてきましたよ。歯科、眼科、整形外科など定期的に診察をうけてます。若いDr.は「加齢ですね」とか「年相応の症状です」とか言い放ちますが、こちらはかなりガックリします。Dr.に「あなたも年をとれば分かるわよ」と言いたいです。ハハハ。
ミカス Post author
昔、母や祖母が「腰が痛い」「膝が痛い」と言っていたのはこういうことだったんだなと思うことが最近よくあります。
「あなたも年をとれば分かるわよ」って、私もあと何年かで言いそうだなぁ。
それにしても、痛みや不快感を「年を取ったのだから仕方ない」というふうに解決されてしまうのもしんどいですよね。