Posted on 2024年9月10日 by ミカス

どこにいたってわかってる:ねぎ豚

とある昼下がり。
いつものように、ええ、いつものようにぼーっとしているとちょっとした違和感を覚えました。
あれ? 腕時計がない。

いつも着けているスマートウォッチがありません。
家のどこかで外したかしら?とあちこち探してみました。
…ない。
紐づけているスマホから音を鳴らしてみました。
…聞こえない。
これはもしかして家の外でなくした?

その日の午前中、私は家から徒歩数分の施設で研修に参加していました。研修の後、同じ敷地内の直売所で買い物をしたのですが、ぎゅうぎゅうに物が詰まったトートバッグから財布を取り出す時にちょっとてこずりました。バッグの中になかなか手が入らなかったり、入った手がなかなか抜けなかったり。
時計のベルトの一方にはには小さな穴がいくつか開いていて、もう一方の先が膨らんだピンをそこに差し込んでベルトを止める仕組みでしたが、それが意外と頻繁に外れる。財布を探してバッグに手を出し入れした時にピンが穴から外れたのかも。バッグの中に時計が落ちていないのだとしたら、これはもう、直売所あたりで落としたとしか思えない。

いよいよあれを使う機会がやってきました。
スマホに入っている「探す」ってやつ。
このアイコンをタップすると地図が表示されて、このアプリに紐づけされている私のスマホ、タブレット、そしてスマートウォッチが今ある場所に赤い点が現れます。この3つを外でなくしたことはないので、今までまともに使ったことはありませんでした。今こそその時。

「探す」アプリを立ち上げてみると、私の自宅の上に赤い点が2つ、そして件の直売所の付近に1つ。
財布を取り出すのに四苦八苦をしたのは直売所の外だったので、慌てて赤い点の場所まで走り、その辺りを探して歩きました。周囲の草むらを探ってみても見つからない。
残る可能性は、直売所の中。たとえ外で落としたとしても、見つけてくれた誰かが直売所に届けてくれたかもしれない。その時点で直売所は既に閉店していたので、翌日に問い合わせてみることにしました。

翌日、目覚めと同時に「探す」を立ち上げてみると、昨日と同じ場所に赤い点が。9時の開店と同時に直売所に駆け込みました。
「あ、あの、あの、このお店の中かも外かもしれないんですが、腕時計…」
言い終わる前に、お店の方が満面の笑みを浮かべて「これですね」とカウンターの下から私のスマートウォッチを取り出しました。
あったよ。

「ここで落としたと確信があったんですか?」と尋ねる店員さんに、「探す」の仕組みを説明しました。
「ほら、地図のここ、このお店の場所に赤い点がありますよね。これを見てここにあるってわかったんです」
「へぇ、凄いですねぇ。今はこんなに便利になっちゃってるんですか。いやぁ、凄いや」
うん、たしかに凄い。いろんな意味で。

アプリを通して私の時計のありかを教えてくれたのは、「仕事だとって出て行った夫が会社ではなくこんな所に!」とか「ストーキングしている彼女の車にこっそりと付けたので、彼女が今どこにいるのか簡単にわかっちゃうんだよね」でおなじみのGPS(なんだ、それ?)。GPSが付いていれば、人でも物でもそれがどこにいる/あるのか一目瞭然です。そんな機械(おばさんは何でも機械呼ばわりする)、いつも身に着けているこんな小さな時計やスマホの中に埋め込まれていると思うと…便利? 怖い? 便利だよね。でも、やっぱりちょっと怖い。

以前、スマホにインストールされている地図アプリを開いたところ「〇月✕日△時▢分、ここにいましたね?」という言葉と共にとある場所の地図が表示されたことがありました。その場所はその少し前に友人と行ったショッピングセンターの駐車場。これ、もはや監視です。

That’s Dance!でも何度か言ったと思いますが、便利は不便です。
便利なことはその一方で面倒くささやちょっとした怖さを伴うのだということを心しておかないとなりません。うーん、厄介だよなぁ。

というわけで、とりあえずは簡単に外れないベルトを買って付け替えましたとさ。

さて、今日の一品は『ねぎ豚』です。私はねぎが大好き。どんな形で料理をしても好きなのですが、みじん切りにして作ったねぎダレは何かというと作ってしまう大好物です。
この『ねぎ豚』も、照り焼きのようにした豚肉にねぎダレをかけて大好物二段重ね。時計をなくした日は、探しまわって時間が無くなってしまったり気持ちがそわそわしてしまったりで、いつもより料理に集中できず、このねぎ豚をご飯にのせたねぎ豚丼で全てを済ませました。

ねぎ豚

ねぎダレを作ります。
長ねぎをたて1/4に切り、それを細かくみじん切りにします。
ボウルに、ねぎ、醤油、砂糖、ごま油を入れてよく混ぜ合わせます。
ポークソテーや豚カツ用の厚みがある豚肉を3枚から4枚にそぎ切りにします。
肉用のたれを合わせておきます。
小さいボウルで、醤油、酒、みりんを混ぜ合わせます。ねぎダレをかけるので、このたれは薄味にしておきましょう。
フライパンに油をひいて強めの中火で熱し、豚肉を入れます。あまり動かさないようにして、両面をこんがり焼きます。
火を弱めの中火に落として、たれを加えます。肉の両面にたれが絡むように混ぜて、たれがある程度煮詰まったら焼き上がりです。
豚肉を盛り付けてねぎダレをのせたらできあがりです。

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