百年前のあなたと百年後のあなたに、顔向けできない私:豚肉とさつま芋の甘辛炒め
あと数日で終わってしまいますね。
「虎に翼」
なんとか7:59には食卓につくために時間を逆算して、父に洗面をさせて、着替えさせて、朝食を食べさせる朝があと数日で終わってしまいます。
「~ロス」なんて言葉では済まないほどの洞が私の朝に開いてしまいそうです。
このドラマの好きな場面、好きな台詞なんて挙げようものなら、結局は「全部!」と言わざるを得ないほど毎朝必ず泣かされたドラマでしたが、私は特にオープニングのアニメーションが好きです。
虎に翼ファンの方ならご存じだと思いますが、シシヤマザキさんによるこのオープニング映像のフルバージョンが先日公開されました。
https://www.youtube.com/watch?v=QsskUgnrZrs
※映像としての埋め込みができないようなので、動画へのリンクを貼ります。
フルバージョンにはドラマの名場面がちりばめられていて、それはそれはファンの心を揺さぶるものに出来上がっています。何度見てもそれぞれのシーンを思い出しては泣けます。
でも、毎朝オープニングバージョンを見る私の心を掴んだのは、様々な時代の様々な職業の女性たちが、法服姿のとらちゃんと一緒に踊るシーン。(上の動画では1:13あたり) このシーンを見るたびに、そして「百年先も覚えてるかな」と米津玄師が歌うのを聞くたびに、この百年の間に女性たちが耐えたり闘ったりした上に今の私たちの日々があるんだとつくづく思うのです。
そして、私は、私の後から来た女性たちのために何をした?とも。
38年前、私は専門学校を卒業して住宅メーカーに就職しました。(地面師たちにやられちゃったあの会社です)
当時、女性社員が要職に就くことはほぼ皆無で、その会社でも女性社員は全員が事務職、つまり男性社員の補助。もちろん私も事務職。住宅展示場の事務所で数人の営業マンの補助的な仕事をしていました。電話の対応も、事務所の掃除も、お茶くみも、当時の私は当たり前のように思ってこなしていたけれど、それでも、おじさんたちの品のない冗談は心底苦手でした。いわゆる下ネタです。
おじさんたちの性質から考えて、彼らにはそれで私を怯えさせたり、嫌がらせをしようという魂胆は無かったと思います。いや、その反対。笑顔で軽く品のない冗談を飛ばすことで場を(まだ仕事に慣れていない新入社員の小娘を)和ませようとしていたのだと思います。
もちろん私の気持ちは和みませんでした。
和むどころか、不快だった。
それでもあの時の私は、何もしませんでした。ただ、薄ら笑いを浮かべてやり過ごしていた。
不快だったのに、やめて欲しかったのに、私は怒らなかった。私は声を上げなかった。
セクハラという言葉すらなかった時代の小娘には確かにあれと対峙する術はなかったのかもしれない。それに、あの時私が声を上げたところで、世界どころか私を取り巻く小さな社会すらも変えられなかったかもしれないと思うけれど。思うけれど…毎朝あの曲とあのシーンを見るたびに私の胸は少し痛むのです。
私はほんの数歩の足跡すらつけられなかったと。
何者でもない私にすらそんなふうに襟を正させるような、そんなドラマでした。
「したり顔で触らないで 背中を殴りつける的外れ
人が宣う地獄の先にこそ わたしは春を見る」
※「さよーならまたいつか!」米津玄師 より
ああ、それにしてもあと数回で終わりです。来週はもうありません。
質の良いものとはつくづくも別れがたいものです。
さて、今日ご紹介する一品は『豚肉とさつま芋の甘辛炒め』です。
ここ数日急に涼しくなってきて(とはいえまだ30℃の日はあるようですが)、台所での調理がぐんと楽になりました。灼熱の台所で夕食の支度をしていた時は「やりたくはないのに強いられている義務」でしたが、こう快適な陽気になってくると義務が楽しみに変わります。今週は何を作ろうかとクッキングプランを立てるのも楽しいものです。火の前に立つ時間が長くなっても大丈夫。肉を炒めて取り出して、お芋を炒めて肉を戻して…そんなことも楽にできる季節がやってきました。
豚肉とさつま芋の甘辛炒め
- さつま芋はよく洗って端を切り落とし、縦半分に切ってから食べやすい大きさに切り分けます。
皮が付いたまま調理するので、皮の汚れをしっかり洗い落としてくださいね。 - 切り分けたさつま芋を水にさらします。
- 豚肉の薄切りを適当な大きさに切り(お肉が薄い場合は炒めているうちにちぎれていくので切り分ける必要なし。と、私は思っています)、酒と醤油を少し振っておきます。水っぽくならないように、あくまでも少し。
- 合わせ調味料を作っておきます。ボウルに、醤油、酒、砂糖、水を加えてしっかり混ぜ合わせます。
- フライパンに油を引いて火にかけ、豚肉に小麦粉をまぶしてから炒めます。色が変わったら一旦取り出します。
- ペーパータオルでフライパンの表面をさっと拭きいて油を足したら、水を切ったさつま芋を入ます。炒めるというよりも焼くという感じで、それぞれの面にうっすら焼き色が付くくらい加熱します。弱めの中火にして蓋をして、しばらく蒸し焼きにします。
- さつま芋に火が通って角が少し崩れるような感じになったら豚肉をフライパンに戻します。
- 合わせ調味料を加えて大きく混ぜ合わせます。汁気が減って全体に味が馴染んだら出来上がりです。
「虎に翼」と言えばこちらも名曲。もちろん泣けます。
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kokomo
ミカス様、こんにちは。
SNSでは「虎に翼」で毎日盛り上がっていますね。
朝ドラはある時期まで見ていたのですが、ある時に見る習慣を失ってからは再放送などを含めて全く見なくなってしまいました。今回はSNSの感想も興味深いものが多くて「見ればよかった」と地団太踏んでいますが、総集編があってもきっと見逃すような....
私も若い時の「セクハラ発言」と当時の居心地の悪さや不快さを思い出してなんともいえない苦さを感じます。子供たちを見ていると「ここを超えたらNG」のボーダーラインが私の頃とは全く違う。これって時に馬鹿にされたり揶揄されたりしながらも社会に発言してくれていた人のおかげですね。
芋と肉の組み合わせは甘辛で最強。私もやってみます。
あ、LINE登録しちゃいました!
ミカス Post author
kokomoさん
「虎に翼」が無い朝を迎えました。いつものように「8時までにテレビの前に落ち着けるように父の朝支度を済ませなきゃ」と慌てかけて、「そうか、もうトラちゃんはいないのか」と力が抜けました。
私たち(一緒にすることが許される年の差でないでしょうが)の若い頃にはセクハラという言葉=概念はありませんでしたから、薄ら笑いを浮かべてやり過ごすしかありませんでしたね。今考えると、というかあの時ですらも、私は本当に嫌でした。下卑た言葉をまるで便利なコミュニケーションツールのように吐き出す人たちも、それを嫌だと言えない自分も。
それが少しずつでも変わってきたのは、私ではない誰かが声を上げてくれたおかげなんですよね。
LINE登録ありがとうございます。
まだ活用方法がいまひとつわかっておらず、上手く使いこなせていませんが、根気よくお付き合いいただけたら嬉しいです。