帰って来たゾロメ女の逆襲⑮ ~秋だから読書欲について考えてみる、の巻~
先般は番外編「図書館ゴロ合わせ小説」にお付き合いいただき、ありがとうございました。
今回からはまた「帰って来たゾロメ女の逆襲」本編(?)に戻って、あることないこと(ないこと?)したためさせていただこうと思います。
これからもどのような番外編が飛び出すか本人も予測不能だったりしますが、今後共、よろしくお願い致します。
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そんなわけで秋です。
食欲やスポーツ、そしてもの想うことや読書でおなじみのautumn seasonです。
・・と、きどって英語で書いてはみたものの、食欲以外は、秋だからといって格別に活性化もしていない自分。
特に読書量はこのところ明らかに下降気味です。
その理由として考えられるのは、インターネットと目。
パソコンの前に座りすぎだぞ自分!
そして、憎々しいぞ老眼!
まだ老眼鏡着用レベルにまでは至っていない中途半端さが、むしろ目を疲れさせているのかもしれません。
「まだ裸眼でも読めるしなあ」「もうちょっと様子を見てみよう」で数年経ってしまいました。
読書量低下はもちろん残念なことではありますが、一方で、ま、しょうがない、と諦観もしています。
中年力の上昇に伴い、同じ「力」でも、体力とか気力とか判断力とか影響力とか魅力とか読書持久力は反比例して目減りしていくもの・・だとしたら、そういう自分を自覚して共存した方がラクかもしれない、という「大人の狡猾な判断」(苦笑)です。
いろんな「力」の目減りを受容しつつ、増加する「中年力」あるいは将来の「老人力」をいかに自分にとって居心地のいい方向・場所にカスタマイズするか、要するに「自分に都合よく解釈するか」がこれからの私の課題だ!おー!ぐらいに思っています。
でも、でもです。
その課題遂行の足かせになりそうな不穏な事実に気づいてしまいました。
それは、本を読まなくても最近平気かも、私という残念な発見です。
「読みたい本が最低2~3冊手元にストックされていないと落ち着かない自分」
「面白そうな本の情報を入手するとワクワクニヤニヤしてしまう自分」
がこのところたまに不在だったりするのです。
これには妙に危機感があって、ちょっと愕然としています。
要するに私は、読書力は弱まってもしょうがないと思えるけど、読書欲の低下を受容する心の準備は全くできていないということみたいです。
読書欲こそが、中年力や老人力を自分サイズにカスタマイズする際の肝になると踏んでいるので、「ち、ち、ちょっと!」と慌てている、ということでしょうか。
そんなこんなで、今回は<帰って来たゾロメ女>というより、<帰って来てね読書欲>です。
さて、こんな状況になった場合、たとえば今年の東北楽天ゴールデンイーグルスにおける田中将大投手のような、この人に任せておけば絶対安心的な作家の本を読んで読書欲活性化の呼び水にする、というのが正しい、王道とも言える対処法だと思いますが、
「一石二鳥」
「一挙両得」
「転んでもただでは起きない」
的世界が好きな身としては「磐石で間違いのない作家に走る作戦」だけでは飽き足らず、いっそ間違いのない作家を紹介してくれる間違いのない読書案内人に走り、あわよくば間違いのない新規開拓をしたい、と思ったりするわけです。
強欲。
間違いのない読書案内人(プロアマ問わず。書評本でもエッセイでもブログでも可)は、面白い本を紹介してくれるだけでなく、文章そのもの(日々の身辺雑記とか)でも、こちらの読書欲の底上げをしてくれるのではないか、いや、してくれるに決まっている!というスケベ心も満々です。
いわば一石三鳥。
平松洋子さんの『野蛮な読書』は、そんな強欲人間にはうってつけの本です。
私にとってこの本は、名エッセイであり、珠玉の人生指南本であり、読書欲増強本です。
ついでに、食欲増進本でもあります。
欲張りな人間をも十分に満足させる守備範囲の広さなのに、多方面網羅モノにありがちな大味感はなく、大胆かつ繊細な世界なのが麗しい。
自分の中にもまだ開けていないとっておきの引き出しがあるもしれないと思わせてくれたり、いろんな作家の一文の中に思いもよらなかった奥行きや風景を見せてくれたり、大人の旺盛な好奇心に感服させられたり・・とにかく刺激になります。
・・自分で書いているうちに再度、読みたくなってきました。
っていうか、今だからこそ、読まねば!
みなさんにとってのカンフル剤的「読書欲増強本」もぜひぜひ教えて下さいませ。
by月亭つまみ
こんなブログもやってます。ユルい気分のときにご覧下さい♪→→「チチカカ湖でひと泳ぎ」
みもり
こんにちは。老眼が早くにはじまり、それと共に読書量が、がっくんと減りました。
先日、見えないものを無理して「なんとか」読むと、眼精疲労になるということで
また一段階進んだ老眼鏡を手にいれました。
そして「何を読めばいいのか」がわからずでしたが、
こちらのサイトで「読んでみたい!」と思う本に出会い、ただ今到着待ちです。
「何を読めばいいのか」わからない…40代には嬉しい限りです。
ありがとうございます!
つまみ Post author
みもりさま
コメントありがとうございます。
「なんとか」読み続けて数年、すっかり眼精疲労かもしれません。
私もそろそろ老眼鏡を使わねば。
そろそろ、と言い続けている50代です。。
『野蛮な読書』は私にとって、いろいろ触発される本でした。
ぜひ!
そして、みもりさんも何かオススメがあったら教えて下さいまし。
みもり
つまみさん、おはようございます!
今、ぱっと浮かんだのが何度か読み返す「生きるとは自分の物語を作ること」
小川洋子さんと河合河合隼雄さんの最後の対談集です。
人の縁の不可思議さ、大切さを感じます。
もう一度読み返したい小説は「薬屋のタバサ」東直子 です。
現実世界から、ちょっと違う空間に移動するような、そんな小説でした。
つまみ Post author
みもりさま
オススメ本の紹介、ありがとうございます。
うれしい!
東直子さんは、穂村弘さん(ファンです。トークイベントに二度ほど行きました)との共著を読んだだけですが、その小説、面白そうですね。
読んでみます。
そして、魅力的なお二人の対談集も読んでみたい。読みます。
こういう情報をいただいてウキウキできる自分にホッとしてます(笑)。