第39回 【極私的 驚愕のラスト!小説大賞】はこれだ!の巻
人生初の猫飼い、そして新しい仕事(週2ですが)の研修、が同時にスタートして右往左往中の中年、月亭つまみです。
猫レポートはいずれさせていただくかもしれませんが、とりあえず今回は画像だけ載せて、と。(てへっ)
あらためて
アッと驚くタメゴロウ・・じゃなかった、アッと驚くドンデン返し!
驚愕のラスト!
は、ある種の推理小説やミステリーにはつきものです。
犯人が捕まり、事件の全容が明らかになり、メデタシメデタシ・・と言いたいところだけど・・ん?おかしい!まだ何ページも残ってる。
これはもしかしたら・・と思ったら
ドッカーン!とまるでオセロが一気にひっくり返るようなエンディングが用意されていた!
・・これぞミステリーの醍醐味とも申せましょう。
海外ミステリーのドンデン返しといえば、大御所アガサ・クリスティでしょうか。
私の彼女のベストは『検察側の証人』です。
読んだのはもう何十年も前ですが、やられたー!という気持ちは今でも鮮明です。
この小説は『情婦』というタイトルでマリーネ・デートリッヒをヒロインにして映画化もされていますが、こちらもとても印象的でした。
ちなみに、映画でもう1本、驚愕のラストを挙げるとしたら、なんてったって『ユージュアル・サスペクツ』です。
私が唯一、現在も追いかけて読んでいるドンデン返し系(?)の海外ミステリー作家は、四肢麻痺の科学捜査官リンカーン・ライムシリーズでおなじみのジェフリー・ディーヴァーです。
『ボーン・コレクター』から始まったリンカーン・ライムシリーズは現在9冊出ていますが、どれもラストまで気が抜けませんし、このシリーズのスピンオフである、キネシクス(行動から心理を読み取る動作学)の専門家キャサリン・ダンスシリーズ3作もこの系統です。
私は、まだこの2つのシリーズを読んでいない人がうらやましいです。
だって、これから少なくても12作品に翻弄される機会があるわけですから。
日本版驚愕のラスト!小説もいろいろあります。
私は単純なので、どんなに「そうカンタンに騙されるものか!」と覚悟してもあっけなく騙されます。
一時期、綾辻行人に凝り、毎回毎回玉砕され続けました。
東野圭吾や倉知淳にも一杯も二杯も喰わされました。
そうそう!筒井康隆の『ロートレック荘事件』は忘れられません。
あぜんとしました。
でも、でも、これらはまだいいのです!
「まだいい」の意味が不明かもしれませんが、どれも「騙される覚悟」で読んだので、まんまと術中にハマっても、それなりに諦め(?)がつきます。
でも、ミステリー仕立てとはいえ、そんな覚悟が全くなくて茫然自失状態になった小説があります。
樋口有介の『月への梯子』です。
私はデビュー作『ぼくと、ぼくらの夏』からの樋口有介ファンで、長いこと彼を自分の偏愛作家に認定し、「ユースケ」呼ばわりしていました。
コンスタントに発表されてきた数多くのユースケ作品の中には傑作とは言い難いモノもありますが(笑)、ベテランになっても重厚さを求めず、いつも女性に翻弄されるなりゆき任せの男性と、強気でワガママな女性を二大看板に軽妙で洒脱な小説を書く、稀有な小説家だと思ってきました、ユースケって。
柚木草平シリーズがドラマ化された以外は、長らく「知る人ぞ知る」孤高の作家だった(たぶん)ユースケですが、数年前、発売当時は話題にならなかった『ピース』が突然脚光を浴びました。
文庫化の際の書店員のPOPが功を奏してのブレイク。
私は脚光を浴びる前に『ピース』は読んでいましたが(それはもう偏愛作家ですから)、正直、彼の作品の中でも特に面白い!好き!とは思いませんでした。
でも、作家歴が長く、もう決して若くないユースケの小説が売れたことに対しては「よかったねー」と言ってあげたい気持ちでした(ナニサマ!?)。
でもでもです!
それと、『ピース』とほぼ同時期に書かれた『月への梯子』のぶっ飛びっぷりを許容できるかは別問題です。
この小説をぜひ読んで!と手放しにオススメできない自分がいます。
なぜなら、これを読み終わったとき、私は一瞬、本を壁に投げつけたいような心持ちになったからです(あくまでも比喩ですよもちろんそんなことはしませんよ)。
読後、周囲に「いくらなんでもあれは・・」とか、「掟破りにもほどがある!」と吹聴しまくりました。
なので、これ以上、ここでも触れません。
もし、怒っても呆れても本を投げつけたくなっても「かまわない」という方がいらっしゃったらお読みになって、私と読後感を共有しませう。
そんなわけで、私の「極私的 驚愕のラスト!小説大賞」は、樋口有介の『月への梯子』です。
みなさんの驚愕のラスト本はなんでしょうか。
※さて、しばらく毎週木曜日に更新してきたこの【帰って来たゾロメ女の逆襲】ですが、隔週木曜日更新に戻りま~す。
Cometさんの留守番シフトで隔週金曜日に更新中の「いどばた。」と交互に続けさせていただきますので、これからもよろしくお願い致します!
by月亭つまみ
こんなブログもやってます♪→→「チチカカ湖でひと泳ぎ」<
レオ
猫が安心して抱かれてる画像に「ほっ」です、笑。
「ロートレック荘事件」は本当にしてやられましたね~、
「衝撃のラスト」ってポップが書いてあると、買っちゃうよ!
つまみ Post author
わー!レオさん、コメントありがとうございます!!
猫、夫の溺愛っぷりがハンパねーです(^_^;)
『ロートレック荘事件』はやられましたねー。
一瞬、筒井康隆に殺意を覚えましたよ(おおげさ)。
「衝撃」にもいろいろありますが、できれば気持ちよく騙されたいです?!
じじょうくみこ
ユースケ、読んだことありませんでした。
なので、今日速攻で買いに走りました(笑)
「ピース」と、そしてそして・・・「月への梯子」!!
しばらく積ん読になるかもしれませんが、
読み終わったら壁に本を投げつける準備はできています。
楽しみー(そこ?w)
つまみ Post author
おー(^O^)じじょくみさん、コメントありがとうございます!
そしてチャレンジャー!!
しかも、2冊とも!!!
積んどいて積んどいてo(^▽^)o
そして時期が来たら一緒に、壁に本を投げつけるマネをしましょうー
青緑
こんにちは。
驚愕のラストが気になり発注しました、月への梯子。私も入れて~!壁に本じゃなく、家の隅から隅まで飛ばす予定です。滅多にない機会ですね。息子の全然やってない問題集を飛ばして以来になりそう~。私もそこが楽しみ。
つまみ Post author
青緑さん、コメントありがとうございます。
おっ!「『月への梯子』飛ばし会」へようこそ(^_^)
驚愕のハードルを挙げてしまった気がしますが(^_^;)、感想をお聞きするのを楽しみにしています。
爽子
読んだ後、むきー!となるのですね?
わたしも、読みます。
最近五十肩気味なので、そんなに遠くまで、飛ばないかもしれないけど。
もう…パン食い競争みたいに、運動会の種目になってきてますね。
つまみ Post author
爽子さん、コメントありがとうございます。
まもなく~飛ばし競争が始まります。
参加ご希望の方は、『月への梯子』を手に、スタートラインまでお集まり下さい・・ってか!?(^O^)
花緒
こちらの回も読ませていただいてて、「月への梯子」本日読み終えました。
最初から、「投げつけたくなるのか?」という動機で読み始めたので、最後、「これがその事か!」と思った次第で(^^ゞ
恥ずかしながら樋口有介氏を存じませんでした。
つまみさんとしては、この作者の作品ではもっとお勧めの本があるんでしょうね。
「ぼくと、ぼくらの夏」と「ピース」がお勧めだったのかしら。
「情婦」のDVDも去年あたりに観ました。
驚愕のラストでしたね。
うちにも三毛ちゃん居るんですよ(=^・^=)
もう9歳くらいです。