ゾロメ日記㉗ 人生は見慣れなかったりもするアルファベット3文字だ
◆10月30日(金) BDS
朝イチで義父母のW通院。しかも、それぞれ、脳神経外科→整形外科、脳神経外科→呼吸器内科、というハシゴ受診だ。
通院しているのは近隣では比較的規模が大きめの病院で、科でフロアが違ったりするのだが、今回は夫も一緒に行けたので二手に分かれることができ、スムーズにコトが進んだ。
余力があったので、午後から自分の懸案箇所のために近くのクリニックを受診。気になる検査結果が出て落ち込む。経過観察という感じだが、嫌なものだ。自分ではすんなり通過するつもりのドアでアラームが鳴って止められ、別室に連れて行かれたみたい。
かつて働いていた図書館は、出入り口に無断持ち出し防止機能BDS(Book Detection System)が設置されていたので、アラームを鳴らして止めた側だったりした。ほとんど、機械の不具合か人的ミスだったが、止められる側は不快なものだよなあ。
帰ってテレビをつけると、そこはなんだか「BDSをすんなり通過したシアワセな人々ばかりがいる世界」に見える。もちろん、そんなことはないのだけれど。
今日は自分に鬱々を許すが、明日からは通常モードでやろう。くそーなめんなよ!と、アイドリング気分でNHKのBSで放送された『昨夜のカレー、明日のパン』の1話を見る。よかった。
◆10月31日(土) JAC
遅ればせながら、映画「容疑者Xの献身」を見る。
原作を堪能した身としては、映画化が決まり、石神役が堤真一と聞いたときは、「いくらなんでも違うだろー」と思った。しかし、さすがに堤~元JAC~真一。身体能力だけじゃなく、演技能力も相当だ(上手いことを言ったつもりだが言えてない)。
◆11月1日(日) TKC
もう11月か。冬の気配を感じると「ケルン・コンサート」というアルバムを聴きたくなるが、今季も今日、聴きたくなった。なので聴いた。冬枯れた道から続く、人知の及ばない圧倒的な音の原風景的な場所に連れて行ってもらった気分になった。
このアルバムは、1975年にドイツのケルンで行われたキース・ジャレットの即興ピアノソロコンサートのライブ盤だ。日本でも相当話題になったらしい。ジャズ喫茶では、あまりにリクエストがかかるので「ケルンお断り」という貼紙を出したところもあったというからすごい。・・しかし、ケルンお断りって(笑)。
私が知ったのは発売5年後ぐらいだ。山田太一のエッセイでその素晴らしさがあまりにアツく語られていたので、こりゃあ聴くしかないべ、と入手した。以来、ほぼ35年間、聴き続けている。
アルバムは4パートに分かれている(正確にはpart2がa~cある)。通しで「The Köln Concert」なのは当然だが、ひとつ選ぶとしたら私はpart2-bだ。前半、左手がずっと同じ伴奏を弾き続けるのも好きだし、13分ぐらいのところ、通しだと54~55分あたりが特にツボ。泉のように湧き出た音が一段落し、それが祈りに昇華するような感じがたまらない。
11月2日(月) BBA
ジェーン・スー著『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』を読む。
常々、なんて分析力に秀でた人なのだろうと思っていたが、このエッセイは分析力の塊・・というか、精度の高い拳銃に込められた分析弾丸みたいだ。たとえば「女子とは、幼少から死ぬまで女の心に宿る嗜好性、指向性、志向性などのスピリッツ」なんて、もう他の定義はありえないくらいドンピシャだと思う。
ただ、あまりに、次から次と分析弾丸が飛んでくるのも、ちょっと疲れる。的確過ぎるのをある程度コントロールして提示するのもライターの手腕なのかもと思いさえした。
どれも面白かったが、特に「ていねいな暮らしオブセッション」と「ブスとババア(最近はBBAと略すらしい。知らなかった)の有用性」が痛快だった。正しい、あるいは間違っている、と既に結論付けられているもの、異を唱えにくいもの、に疑問を呈する、というのが好きなのかも、私。
一気に読んでしまったので、時間をおいてまた読みたい。
◆11月3日(火) JCA
文化の日。毎週火曜日は仕事に行っているが、今日は祝日なので、今週は1日出勤日数が少ない・・と思いきや、明日、振替で出勤することにしていたことに今気づく。忘れるところだった。あぶないあぶない。
今日は「まんがの日」でもあるそうだ。日本漫画家協会(Japan Cartoonists Association)が制定。この日にしたのが「漫画と文化の紐付け」という意図だとしたら、なんとなく腰抜けな気がしたが、手塚治虫の誕生日でもある、と知って、それならいいかと許す(ナニサマ!?)。
by 月亭つまみ
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