ゾロメ日記㉘ 人生は一病息災だ
◆11月11日 ゾロメの日希望
本日は、介護の日で、公共建築の日で、電池の日で、配線器具で、宝石で、ピーナッツ、ポッキー、麺、チーズ、靴下・・(もっとあるけれど割愛)の日だそうだ。毎日、こんなにいろいろあるものなのだろうか。1111という特異日ゆえか。
しかし、それぞれの根拠を読むと、苦笑を禁じ得ないというか、脱力するものが多い。
十一を縦に書くとプラスマイナスに似ているから電池の日・・ってどうなの?2足並べたそれが1111に見えるから靴下の日に至っちゃ、「まだポッキーの方がマシ!」と断言する。
私としては、同じ数字が4つ並ぶ唯一の日ということで、ぜひとも今日を「ゾロメの日」に推したいところだが、先達がこんなにカオスになってるんじゃなあ(重ねて苦笑)。
10日ほど前に近所のクリニックで受けた検査の流れで精密検査をした結果が、一昨日出た。トップではないが、二番目にイヤだなあと思っていたちょっとやっかいな病気(今回、初めて知った疾病)に罹患していることが発覚。現在の症状は軽いし、さしあたって命に別状はないのだが、一度罹ってしまうと進行の一途でとても治りづらいという。
最初の検査でその疑いを指摘されてからこっち、かなり悲観的なネット情報ばかり見てしまったせいもあって、診断が下ってからは、疾病そのものと共に「突発的人生はかなみ病」も併発した。
今後もしばらくは続くとお気楽に思っていた自分の人生が、わりあいあっけなく終わるのかも、それは案外すぐかも、とか、一方通行で着実に谷底に落ちる道を歩いてるんだなアタシ、とか。どんなに若くて健康でも、現実はそんな危うさに満ちているわけだが、気づかないフリができなくなった、という感じだろうか。
今もちょっと気鬱は続いているが、昨日、この病気に関して、専門医がきめ細かく解説するQ&Aを見つけ、そこを読んだらずいぶん気がラクになった。そういえば、診断した医師も「世も末、の病気ではありませんよ」と言ってくれたんだっけ。落胆してまともに聞かずに失念していたが、気がラクになったら思い出した。
病気については、そのうちここでもしれっと「私は○○という、聞きなれないがやっかいな病気だ」とか書いてしまうやもしれないが、今はまだそんな気分ではちょっと・・ない。カミングアウトしちゃった方が、俯瞰できて開き直れる気がしないでもないが、気持ちはまだ、ポジティブとネガティブの両極の間を、あっちに傾いたりこっちにゆらゆら揺れたりしている。
いちばんネガティブに針が傾くのは早朝で、目が覚めてしばらく、自分は10日前までとは違う世界に来てしまったんだなあと思う。目の前の、あいまいだけれど確実に未来に続く扉(のひとつ)が閉じてしまったような。
でも、家族や猫の相変わらずな姿を確認し、ポストから新聞をとり、お湯を沸かすことで日常業務が始まると、視覚や聴覚や臭覚や触覚の情報が徐々に体内を巡り、それが脳や心にも到達し、少し元気になる気がする。そして思う。一瞬の気持ちは全体の気持ちじゃない、ネガティブな自分に支配されるべからず、と。
今回のことを伝えた友人がこぞって「一病息災」という言葉をくれた。肝に銘じていこうっと。
by 月亭つまみ
友人との掛け合いブログです。→→「チチカカ湖でひと泳ぎ」
はらぷ
つまみさんこんばんは。
早朝目覚めたときに、まだぼーっとする頭で、10日前の自分は平和だったなあと思う、どうしてこの日々がこれからもずっと続いていくと思えていたのか、のんきだったなあと思う、その感覚を、追体験するような気持ちで読んでいました。
そして、「家族や猫の相変わらずな姿を確認し、」からの文章に、打たれました。
つまみさん個人を思う気持ちと同じくらい、この文章はすごい…と感じる読み手の自分がいます。この音や感触を、自分は知っていると思う、そう思わされてしまう。
何が起きても、生きてる限り日常は続いていってしまいますが、その日常が自分を繋ぎ止めてもくれるのかもしれません。
「一病息災」、私はまだこの言葉をつかうには未熟すぎるけど、そう言えるひとを目指したいです。つまみさん、負けるな!
つまみ Post author
はらぷさん、こんにちは。
コメントありがとうございますです。
ケガや病気(軽いものでも)をしたりとか、ネガティブな状況になると、決まって「何もなかったさっきまでの自分はなんてシアワセだったんだ!パラレルワールドの、元気な自分もいるんだろうな。いいなあ。チクショー!」とか思うバカな人間ですが、生きてるってことは、のんきなだけでもいられないということを思い知ることと同義語なのかもしれませんねえ。
とはいえ、元気です。
今は、仕事のしくじりの方に落ち込んでいるくらいです(^_^;)
文章にすると、それはまぎれもなく自分の中から出てきた言葉なのだけれど、なんだか小ぎれいで、酔っているような気も、ちょっとだけします。
でも、それもこれも、自分の使える道具や感情を総動員して、時に過剰防衛でも、手立てを講じて日常をやっていくのは、本能だったりするのかもしれないと思ったり。
とりとめのないことを書いてしまいましたが、こうして、望外な言葉をもらったりすると、NK細胞が活性化するのを実感します。
ありがたやありがたや。
サヴァラン
つまみさま
うちのまったりたろうが申しました。
「ぼくは今は、
>落胆してまともに聞かずに失念していたが、気がラクになったら思い出した。
というところと
>一瞬の気持ちは全体の気持ちじゃない、ネガティブな自分に支配されるべからず、
のところが、すごくよくわかる。
それから四字熟語の「一病息災」というのは、こういうことか!
と意味が少しわかった気がする。
でも、
>今後もしばらくは続くとお気楽に思っていた自分の人生が、わりあいあっけなく終わるのかも
のところは、わかる気もするし、お腹の底ではいまひとつわかっていない気もする。
野球小説のおねえさんに、
ぼくは、ここに書かれてることが「まだらわかり」ですが、
頑張ってください!って言ってるって伝えて。」
はなしがそれて恐縮ですが、
こいつねぇ、今、野球部に転部する!って言い出したんですよぉ。
野球好きの病、高じすぎちゃって、
「見る」と「する」の境を見失っちまったようです。
うちにはねぇ、「野球部」なんていう、体育会系文化はどこを探してもないし、
そもそも本人にそんなポテンシャルは微塵もないっつーのに。orz…
病が高じると、ひとはなにか別窓を開くんでしょうかね。
でも、その病が、ひとを別の次元に連れて行ってくれたりする気もする。。。
とてもデリケートな内容なのに
たろうの近況なんて聞いていただいてしまってすみません。
でも、たろうもわたしも願っています
つまみ師匠の今後の高座が、ますます円熟味を増しますことを!
アメちゃん
つまみさん。
私の姉は、もやもや病なんですよ。
20年ぐらい前に、なんだかずっと手の親指がしびれてるな〜と
軽い気持ちで検査してもらって判りました。
当時は、(私は離れて暮らしてるので全てを知ってるわけじゃないですが)
ものすごく落ち込んで、顔色も暗くなって
「こんな姉でごめんよ」ってえらく深刻な手紙まで送ってきましたよ。
でも、いまでは薬を飲みながら、
端からは何事もなかったみたいに元気に働いています(図書館でですっ!)。
ちなみに。。。
私の兄の娘は、どちらかというと重いめの自閉症です。
作業所に通って、封筒にDMを入れる作業をがんばっています。
多かれ少なかれ、みんな心の中になにかを抱えてるんですよね、、。
最近は、街で見かけるお気楽そうなギャルも
もしかしたら家に帰るとお母さんの介護とかしてるのかもなぁと想像したりします。
ご存知かと思いますけど
関西には「日にち薬」という言葉があります。
なんてことない日常に身をゆだねてるうちに、すこしでも気持ちが落ち着くと良いですね。
つまみ Post author
(まったり)たろうくん!
ありがとー!!!
なによりのエールです。
野球小説の「おねえさん」は、元気ですよ。
というか、今のところ、ネガティブな自分に支配されないことに精力を注ぐ作戦が功を奏しているのかもしれません。
これからも、支配されそうになったら、自分で書いたことや、たろうくんが「すごくよくわかる」と言ってくれたことを思い出してやっていこうと思います。
ゾロメ日記で今回のことを書くことについてはちょっと迷いましたが、日常というのは、時にデリケートだったり、もっといえば、非日常も含まれているのだよなあと思ったことと、カリーナ部長がこの部活の主旨として冒頭に書いている【オロオロやモタモタなど、さまざまな「どうする?」を持ち寄って、ああでもない、こうでもないと笑いましょう。悩みましょう。そんな感じで面白がっていきましょー。 】が今の自分にはとてもヒットしているので、手前勝手に書かせてもらいました。
野球部に転部希望ですか。
私も、「エースをねらえ!」に感化されて高校でテニス部に入って挫折(途中退部)した経験がありますが、それでも、やってみてよかったなあと思っています。
挫折なんて、しないに越したことはないし、中学高校の部活が大人になってからの思い出のためにあるわけではないのは言わずもがなですけれど、「見る」と「する」の境目を見失うって、もしかしたら素敵なことかもしれません。
たろうくんも頑張ってください!!
つまみ Post author
アメちゃんさん、心に響く心強いコメント、ありがとうございます。
本当に、人は多かれ少なかれ、心の中になにかを抱えて生きているのですよねえ。
自分にアクシデントがあると、当初は、まるで自分だけが不運、不幸だと思いがちですが、そういう「気持ちの急性期」みたいなものを通過すると、今までの日常では見えなかった、感じなかったモノがそこここにあることにハッとして、おためごかしではなく、ああ、知らないままじゃなくてよかった、と思ったりもします。
「日にち薬」という言葉、知りませんでした。
心に刻ませていただきます。
ありがとうございました!!
カミュエラ
つまみさんへ
お義父さんが視力を失ってしまわれてから、「ああ、つまみさん、本当にしんどそうだな・・・・・」と思っていたのですが、つまみさんを元気づけられそうな言葉も見つけられずにいました。
でも、ご自身に何か病が見つかったと聞き、ともかく応援していますということだけでもお伝えしたいと思いました。今は健康でも、私達の年代は病と隣りあわせで、とても他人事とは思えません。
思いを言葉にすると、確かに心にべったりと張り付いていたものも、一旦は心からはがれてくれるように思うので、言いたいこと言って気持を軽くしていって下さいね。
日々寒くなるばかりなので、暖かくしておいしいもの食べて、ご自愛ください。
つまみ Post author
カミュラさん、ご心配をおかけして申し訳ありません。
応援コメントありがとうございます。
もう、そんな風に言っていただけるだけで本当にうれしいです。元気が出ます。
実は、検査結果が出てからこっち、一瞬気が滅入って食欲不振になりかけましたが、正式にはならず(笑)、じゃあ、と食べまくったらめきめき体重が増えました。
そのせいで身体が重い以外は、体調はいいぐらいなのです。
年代的にも多少の体調の不具合は致し方ないですねえ。
「健康」「元気」「丈夫」「息災」の意味をあらためて考える日々ですが、心も身体もガチガチにならず、力を抜いて暮らしていきたいものだと思います。
本当にありがとうございました。
はしーば
つまみさん、なかなかうまい言葉が見つからず、コメを寄せられずにいましたが、めきめき体重が増えられたと書かれていて、少しほっとしてしまいました。
つまみさんの書いた文章や、お勧めの本、ニャンコや旦那様、お義父様とのエピソード、どれも私にはどストライクなことが多く、はっきり言って、ファンなんです。
図々しいにもほどがありますが、心は元気でいて欲しい。
だからと言っちゃなんですが、もし書くことで少しでも何だか救われたり、そんなことがあるならば、体調が許す限り書き続けていただきたい。
微力ながら、画面のこちら側からカメハメ波を送り続けます。
つまみ Post author
はしーばさん、おはようございます。
あああ、いいい、ううううれしい(´;ω;`)
書いてよかった。
ここに参加していてよかった。
カメハメ波、しかとキャッチしました!!
ありがとうございます。
今後も針は揺れっぱなしで、お見苦しいことも多々あるかと思いますが、書きます書かせてくださいませ。
よろしくお願いいたします。
パプリカ
つまみさま
おはようございます。
大変ご無沙汰しております。
つまみさんの音楽小説の紹介で
『弦と響き』を読み
それが不思議なご縁で
作者の小池昌代さんに
会うことができました。
去年の今頃(2014年11月)、
下北沢のB&Bという書店で
小池昌代さんと青柳いづみこさんの
トークショーがあり、
サインももらってしまいました!
本当に不思議~なご縁です。(笑)
『弦と響き』は
音楽は好きです。
音楽小説も。
悩みも心配も
つまみさんは
今まで読んできた本の中の言葉で
なぐさめられたり、勇気づけられて
生きていらしたと思います。
はい、音楽も映画もそうですよね。
youtubeで見つけた
ちょっとしみじみな曲を
贈ります。
https://www.youtube.com/watch?v=yHPdeWpavxY
つまみ Post author
パプリカさん、こんばんは。
わー!小池昌代さんと青柳いづみこさんとは、豪華な顔合わせ!!
私も、拙くても音楽を奏でたいと衝動的に思ってしまいました。
贈っていただいた曲、3回聴きました。
心地よい淋しさを感じました。
そして、ぬくぬくではない、じんわりくるあたたかさも。
しみじみしましたー。
ありがとうございます!!