◆◇やっかみかもしれませんが…◆◇ 第15回 カイゴ・デトックスを同調圧力にしないために
昨年、このサイトのメンバーであるミカスさんが発起人になって、東京でカイゴ・デトックスのトークイベントが開催されました。そして今年も、11月中旬に京都で開かれることが決定し、現在、クラウドファンディングで参加者を募集中です。
このことについては、このサイト内の記事のみならず、クラウドファンディング本体やTwitterやカリーナさんのブログなどでも紹介、告知されています。なので、今この記事をお読みくださっている方の中には「またその話?」と食傷気味の方もいるかもしれません。
…すみません、またその話です。
ただ、そこは、腐っても【やっかみかもしれませんが…】!?
他の告知とは少し違う方向からカイゴ・デトックスについて考えられればいいなあと思います。
自分がもし、介護の経験がなく、カイゴ・デトックスの発足の経緯や昨年のイベントの詳細を知らずに、読者のひとりとして今回の一連の告知を見たとしたらどう感じるか想像してみたりします。
「なんか最近、カイゴデトックスカイゴデトックスと賑々しいな。自分だって他人事ではないし、介護をしている人をねぎらいたいとは思う。ただ、『介護は予想を超えてくることの連続』とか、『実際にやってみなければわからない』と言われると、『やってなくてスミマセン』とどこか卑屈になる感じは否めない。なのでカイゴデトックスが、未経験者は何も言えないような、経験談にはとにもかくにも共感しなければならないような、参加者に悪気はなくても、ある種の同調圧力を強いてくるイベントだったらイヤかも」となってしまうかもしれません。
考えすぎ、心配しすぎでしょうか。やっかみを想定しすぎ?
でも、もし迷っている人がいらっしゃるなら、四の五の言わず(!)、その気持ちのハードルを飛び越えてみませんか…いや、騙されたと思って飛び越えなはれ!
昨年のイベントには、そのハードルを気軽に(orおもいきって)越えて、多くの「今は介護未経験」の方が参加してくださいました。
イベントが始まればもうそこに、経験・未経験・卒業・中退…の垣根などなく、なごやかで、想像以上にオシャレな雰囲気のもと、楽しいときを過ごすことができたのでした。
「来てよかった」というたくさんの感想をいただきました。自分も「こんなにイベントが上手く行くこともあるんだな」と驚き、ミカスさんと手を取り合って号泣したのでした(うそ)。
そして、開催前に漠然とあった「経験者の不幸(大変)自慢大会、未経験者の阻害感大会になったりしないか」は危惧に終わり、残ったのは心地よい充足感でした。
そう断言できるのは、参加者ひとりひとりの意見や感想を聞くことができたからです。どの方のお話もすこぶるおもしろく、あらためて、全員に一席設けて「後追い取材」したいほどです。
介護は未経験だとおっしゃったおふたりのコメントをここに記載します。
「介護をしている人につい『えらいね』と言っちゃって、それは自分が経験がない、いわば、ネタを持っていない芸人みたいなもんだからだと思います。」
このたとえ、好きだなあ。
「友達のイトコのお母さんが倒れて、その介護をしていたイトコが出奔してしまったそうなんです。それで、他のイトコたちで伯母(叔母)さんの介護をしているそうです。イトコたちにとってはとんでもないことですが、もうひとつ見方を変えると、いよいよ立ち行かなくなって、どうしょうもなくなったら最後には逃げるという選択肢もあるのねと思いました
迷惑かけてありがとう(byたこ八郎)。
介護で閉塞感や息苦しさを覚えることは多々あります。でも、こういう介護未経験の方の未経験ならでは(?)のコメントこそが、介護中の人には風穴になる気がします。
風穴さえ見つかれば、風は通せる…と信じたい。だから、未経験の方もどうか参加してください。心よりお待ちしております。
介護から、各種ハードルや同調圧力やマウンティングをとっぱらったのがカイゴ…そしてカイゴ・デトックスなです。
by月亭つまみ
【木曜日のこの枠のラインナップ】
第1木曜日 まゆぽさんの【あの頃アーカイブ】
第2木曜日 つまみの【帰って来たゾロメ女の逆襲 月刊★切実本屋】
第3木曜日 はらぷさんの【なんかすごい。】
第4木曜日 つまみの【帰って来たゾロメ女の逆襲 やっかみかもしれませんが】
まゆぽさんとの掛け合いブログです。→→「チチカカ湖でひと泳ぎ」