第35回 春なのに「冬の作戦」について考える、の巻
【ほぼ日刊イトイ新聞】の「今日のダーリン」という糸井重里氏のコラム、ご存じの方も多いかと思いますが、ソチ五輪たけなわの頃、「スポーツ選手などの『冬の作戦』が知りたい」という内容の回がありました。
「今日のダーリン」はアーカイブを残していない・・というか、閲覧可能にしていないのでバックナンバーを読むことは出来ません。
これってコンテンツ運営の周到な戦略だと思います。
まあそれは置いといて・・。
そういうわけで、正確な文脈は再現できていないかもしれませんが
「スポーツ選手が、ネガティブな状況を乗り越えた後に、振り返ってそれを語る話はわりとよく読めるが、不調まっただなかのとき、どういう風に感じ、考え、過ごしているのかはなかなか知ることができない。強がったりカラ元気ではない生の声、『こういうことをやっている』『次はこれを試そう』などというリアルタイムの冬の作戦を読んでみたい。そこには、希望に繋がる大切ななにかがあると思う」
だいたいこんな感じだったと思います。
私はこのコラムに「えっ?」と思い、twitterでこんなtweetをしました。
【ほぼ日の「今日のダーリン」、同感なんだけど、クルム伊達公子さんはそれを何年もブログで実践してるよね。
リアルタイムで真摯に「冬の作戦」も開示してて、伊達さんの凄さの一端はそれだと思ってます。
糸井氏、ほぼ日で伊達さんにインタビューしてたのに伊達さんのことはどうなの?ってちょっと思った。】
けっこう文句をつけてますよね、私(苦笑)。
まあそれも置いといて・・。
クルム伊達公子さんのブログ【Always Smile】は、「冬の作戦」はもちろん、大寒波に直撃されたような日もほぼ更新され、リアルタイムの心情、ケガならばその状態や治療やケアのプランなどなどが克明に記されています。
弱音や愚痴も隠すことなく、「不安でしょうがない」「心が折れそうだ」などという文言も時折登場し、こちらの胸が苦しくなることもあります。
このブログを読んでいると、伊達さんの強さはその率直さにもあるのかもしれない、そしてこれを彼女はなにより自分のために書いているのだなとわかります。
素人は、伊達さんぐらいの経験値があれば「大寒波襲来で窮地に立たされた自分」をある程度客観的に見ることができて、自分の立て直し方、そのためにかかる時間、もかなり正確にわかっているのだろう、と思ってしまいがちですが、そう単純ではなさそう。
今までの経験値が必ずしも役に立たないことを、伊達さんは経験値で知っているのです。
なので、毎回、玉砕され~真正面から向き合って~弱音を吐き~分析し~試行錯誤を繰り返し~自分を納得させる~という地道な作業を繰り返している。
最後はたいてい「お風呂に入ってぐっすり寝ます」で締められていますが、それが明日への効果的な対処法だと熟知しているのでしょう。
伊達さんのブログは、冬をやり過ごす近道とか、ラクな作戦などないことを日々教えてくれますが、だからこそ励まされます。
あのクルム伊達公子も、地味な作業を繰り返して、弱音を吐いたりもがいたり時にやさぐれたりしながら毎日を生きているのだなあと。
【月亭つまみの冬の作戦・・未満の日記】
3月某日(木) 雨
2度目の腰椎圧迫骨折で入院中だった義母がリハビリ専門病院に転院してひと月経った。
最初の腰部脊柱管狭窄症の手術からはもうすぐ1年になる。
手術からの経過は順調とは程遠く、リハビリで少しずつ積み上げた石が土台から崩れるような骨折が2度あって、リハビリ専門病院への転院を含めると、今回がこの1年でトータル5回目の入院になる。
少し落ち着き、そろそろ仕事に出られるかな・・と思うと決まって緊急事態が発生し、そのたびに気持ちが挫けてきた。
この1年の間には、義母の入退院だけではなく、義父の不調も、そして実父の死もあった。
今回ももしかして、という危惧はあるけれど、事務のアルバイトに応募してみた。
1月には自治体の事務職に応募したが、こちらは緊急事態とは関係なく書類で落ち面接に進めなかったので、今回も期待薄だ・・と思ったら、面接の連絡が来たので、行ってきた。
正規採用枠ではないのでタカを括っていたかも。
呼ばれて部屋に入ると面接官が3人いて、とっかえひっかえ次々に質問された。
応募した職場の業業務内容については、全く予習していかなかったのでまともに答えられず。
個人情報に対する見解を聞かれたときも、あたしゃ中学生かっ!?ぐらいの返答しかできなかった。
そして、アルバイトの面接だからないだろうと思っていた「1分間自己アピール」があった。
「若くないことです。社会人としての経験が豊富なこと。肉体労働を厭わないこと。そしてわりとマジメなこと・・以上です!」
10秒ぐらい?ふう~。
面接の帰りのバスに乗っている間は落ち込んた。
降りる頃は「まあ、いいか」になっていたけれど。
いい結果に結びつかないのは年齢や頼りない雰囲気のせいではなく、「家にいるとくすぶってしまうので、週に3日ぐらいの近場の事務ならやれるかも。ダメなら辞めりゃいいし」という中途半端な応募動機が透けて見えるせいかもしれない。
仕事について考え直す必要があるのかなあ・・そもそも私は何がしたいんだろう。
久々のスカートはウエストがキツく、足元は雨で濡れて寒く、気持ちがすさんだ。
午後からは義母の入院しているリハビリ専門病院へ。
作業療法士に呼ばれて、これからのリハビリや退院後の生活について話してきたが、ここだけはちゃんと言っとかなきゃぐらいのテンションで「前回の退院後、徐々に歩行状態が下降したので、今回はもっと歩行状態が良くなってからの退院を希望します!」と言ったら、「リハビリ専門病院の目的は『治す』のではなく、リハビリの方法やコツを覚えてもらって、家族の協力の下、本人が家に帰ってもしっかりリハビリを続けていけるようにすることです。それができる、と判断した時点が退院なのです。」ときっぱり言われた。
あー、スミマセン甘えてましたごめんなさい。
病院の帰りのバスでもちょっと落ち込んだ。
お風呂にゆっくり入ってぐっすり寝ようっと。
by月亭つまみ
こんなブログもやってます♪→→「チチカカ湖でひと泳ぎ」<
nao
私も先日、大した準備も心構えもなく就職試験を受けて恥をかいてきました。
面接の質問にろくに答えられず、もう話がよれるよれる・・・
地雷を散々踏んで、げっそりして帰りました。
自分の甘さがわかるだけに凹むんですよね。
なんとなくいつもヤなこと困ることは、肩を組んで一度にやってくるイメージがあって
きっと普段の備えが足りないのだろうなとは思うのですが
時にはどうしようもない流れもあるので、身の回りのことをしっかりやって
時を待つようにしています。
みんなココロ折れつつ、愚痴りつつ何とか切り抜けているんですね。
つまみ Post author
naoさん、コメントありがとうございます!
そうですねー、凹むのは自分の甘さに対して、がいちばんですね。
ぞう熟知しつつ、同じ失敗を何度繰り返してきたことか、なんですけど。
確かに、ヤなことって続いたりしますよね。
禍福はあざなえる縄のごとし、と自分に言い聞かせて、そのうちいいことが続くと思い込む作戦を絶賛決行中!です。
一緒に切り抜けましょう!!
きゃらめる
就職について、先月何度か似たような経験をして、絶賛凹み継続中でした。
そのせいでしょうか。読みながら、うんうんと頷きつつ笑いつつ、はらりと泣いてしまいました。
わかっちゃいるんですが、甘え体質から自力で脱出しようという覚悟もない、とことん甘えたさんな、使えない私です(^-^;
つまみ Post author
きゃらめるさん、コメントありがとうございます。
共感していただいたみたいで、きゃらめるさんのコメントにはらりとしそうです(*_*)
メルマガでも書いたのですけど、自分の今までの人生、けっこう頑張ったり好調だったり、イケてる瞬間もないことはなかったはずなのに、直近でしくじったり甘えが露呈すると、なんだかそれまでの人生の大半がしくじったり甘えてたりしていた、みたいな気分になるの、なぜなんですかねー。
そして、ふだんの生活では、別に若くないことを気にしていないし、昔に戻りたいだなんて思わないのに、こと「仕事を探す」というときには、専門職じゃない求人には「トシ食っててスミマセン」と卑屈になりがちな自分が情けないっす。