ゾロメ日記㊽ 梅雨どきのどうでもいい話 ダダ漏れ劇場
【主な登場人&物】
★ミィ・・・わが家のネコ。おしゃべり。
★つまみ・・初めて(実物を)見た詩人は吉増剛造。高校に講演に来た。壇上に上がるやいなや、「古代天文台に 雪が~降る!!」と絶叫されて、田舎の高校生はブッ飛んだ。しばらく、友達との間で「ゴーゾーごっこ」が流行った。このたび、氏の新作が出版されたと知ってなんだか感慨深い。
◆6月某日
生まれたのも結婚したのも6月だが、年々、6月が苦手になる。湿気と、思いのほか大きい寒暖の差のせいだ。身体がついていかない。2月下旬から2ヶ月以上続いた花粉症のダメージからも完全に立ち直っていないのに、そこにまとわりつく蒸し暑さ。ピンポイントでどこがが不具合というより、首や肩周りの凝り、胃腸の不安定、頭痛、だるさ、などなど、全体的に低空飛行だ。自律神経失調症気味になるらしい。
…ホント、自律神経ってなに?いや、交感神経と副交感神経のバランスをとっているとか、乱れるとさまざまな症状が出る…程度の一般的な知識はあるわけだが、特定の部位が痛むとか疼くとか痺れるとか、実体を示唆する症状がないので、自律神経の乱れ云々の話って、抽象的というか想像上というか、高じて、言い訳でもしているみたいな気分になる。
それで思い出したが、かつての職場に、おそろしく仕事のできないアオヤマさんという男性がいた。ある日、アオヤマさんがいつものように超ド級ミスを犯し、上司が注意したところ、彼は言った、「今日は海馬の調子が悪いのです」。
さらに思い出したが、その職場にはもうひとり、これまた相当レベルで仕事のできないクロサワさんという男性がいた。ある日、カウンターで接客していた女性職員がどうしても席を外さなければならなくなったので、近くにいたクロサワさんに「しばらく席を外すのでカウンターを見ていてください」と言ったところ、彼はそれから女性職員が戻ってくるまで、じいっとカウンターを凝視していたのであった。
あ、話が逸れた。自律神経の乱れの話だった。
こんなときこそ、身体を動かして汗をかいて、ハムラビ法典よろしく「汗には汗を」精神で(意味が違うだろう)体調を整えたい。そんなわけで、家でヨガをしているのだが、なぜかミィちゃんは、私がヨガを始めるとぴったり密着してくる。ふだんは「ほっといて」系のツンデレなことも多いのに、ヨガのときだけは百%「かまって」系になる。ネコの習性に「ヨガをしている人に近寄る」があるのだろうか。…ないか。
◆6月某日
地元FMを聴きながら食事のしたくをしていたら『帰れない二人』がかかった。不意にこの曲を聴くと決まって泣きそうになる。この曲が揚水&清志郎の共作であることは案外知られていない。それにしても、我々は清志郎のいない世界をもう7年も生きているのか。
■最近読んだ本
『原宿百景』 小泉今日子/著
ゾロメ日記㊺で小泉今日子のことを書いたとき、家にある彼女の本(雑誌を含む)の画像を載せたが、そのときは見つからなかった『原宿百景』がひょっこり出てきた。せっかくなので6年ぶりぐらいに読んだ。
この本にはたくさんの死が出てくる。まるでそれがテーマのように。幼なじみでモテモテだったリッチくん、父親、岡田有希子、ボーイフレンドのお母さん…。
彼女の、死に対しての語り口が好きだ。その距離感に共感する。死は終わりだけではなく、残された者の思いの始まりでもあること、早世(夭逝)=不幸 という固定観念がないこと、が感じられる文章は、読んでいてなんだかとても落ち着くのだ。
『夜中に犬に起こった奇妙な事件』 マーク・ハッドン/著
ネット上のみのお知り合いは少ないのだが、そんななか、知り合って十数年のNさんがTwitterですごく面白かったとつぶやいていたので読んでみた。Nさんが「よかった」という本は読みたくなる。今まで何冊も読んだ。
章が2から始まるのでページ抜けかと思ったら、この小説の章は、2、3、5、7、11…そう、素数なのだった。主人公のクリストファーは15才、数学や物理では高い能力を示すアスペルガー症候群の少年だ。物語は、夜、彼が近所の飼い犬の死体を発見するところから始まる。
今まで読んだ何冊かの自閉症やアスペルガーの本のどれより、この障害のことがありありと伝わってきた。周囲の大変さも。そして単純に面白かった。少年の冒険&成長物語だ。
生きていくことの大変さを案じたり憂いたりすることと、面白がることは両立するのだ。自分が他人より明らかに上手くやれないこと…過剰に意識してしまうことやものすごく緊張すること、などというのは案外人にはいっぱいあって、それら全てを含めてひとりの人間を形作っているのだと思うと、人って情けなくて脆くて、でも少し愛おしい気がする。
by月亭つまみ
まゆぽさんとの掛け合いブログです。→→「チチカカ湖でひと泳ぎ」
★毎月第三木曜日は、はらぷさんの「なんかすごい。」です。
okosama
つまみさん、こんばんは。
写真に反応して…。
ミィちゃんの足(笑)
猫のこういう人間ぽいポーズを見ると、アニメ「猫の恩返し」のバロンも本当に居そうな気がしてきます。
ひょっとして通勤路には「深夜食堂」が?
「汗には汗を」で体調を整えるの、分かります。分かりますよ(笑)。
つまみ Post author
okosamaさん、おはようございます。
わおー!画像付きのコメントを初めていただきました。
うれしいものですね。
「写真には写真を!?」
猫は前触れもなく、人間っぽいポーズをするので、ときどき、ドキッとします。
実は、去年の春、出戻りでスポーツクラブに再入会したのですが、全くと言っていいほど行っていません。
再退会の踏ん切りもつかず、会費をただ払い続けて家でヨガをしています。
なにやってんだ自分、です。
深夜食堂、たぶんあります(^O^)
カミュエラ
クロサワさんに激しい親近感を持ってしまいました。
大昔上司の運転で出かけたときに、急ぎの用事だったのか車を駐車禁止のところに止めて、上司が一言言ったのです。「ここ駐車禁止だけど、すぐ戻ってくるからハンドル握ってて!」と。
言われた通り、助手席に座ったままで(!)5分ほどハンドル握ってました。
かなりのアホなのでしょうが、いまだにこれは「あるある」の部類のような気がしないでもないんです。
『夜中に犬に起こった奇妙な事件』おもしろそうです!
息子が自閉症なので、彼が幼い頃は自閉症関連の本をよく読みましたが、自閉症の人が書いた本とかあとは専門書のようなものばかりでした。今なら単純に楽しく読めそうです。
つまみさんがここで紹介してくださった本は、いつか読もうとリストしてるのですが一向に追いつきません。老後の楽しみが増えるからいいかな?
つまみ Post author
カミュエラさん、こんばんは。
はい、それは「あるある」の部類です!
お店に置いてある「あなたの声を聞かせて下さい」と書かれたポストの口に向かって「わー!!」と言うとか。
他の人がやると時にはお茶目でも、クロサワさんは「性格」があまりよろしくなかったので職場の反感を買っていたところがありました。
『夜中に…』は、自閉症の知識があまりない私にも、行動心理がわかりやすくて、ああ、そういうことかあ、と腑に落ちることがたくさんありました。
リスト、光栄です。
雑食なので系統がバラバラですが、共通点があるとすれば「難解ではない」です。だはっ!
爽子
こんばんは~。
ミーちゃんの美猫っぷりに、すっかりやられてしまいました。
かわええ。
帰れない二人。忌野清志郎さんとコラボだったんですか。
陽水さんの歌だとばかり思って聞いていました。
大好きです。
涙ぐみそうになるし。。。
6月、わたしも年々苦手な月になってきています。
つまみ Post author
爽子さん、こんばんは!
「帰れない二人」は合作なんですよー。
確か井上揚水の「心もよう」のB面で、アルバム【氷の世界】にも入っています。
清志郎さんがまだ売れないとき、この印税でとても助かった、と聞いたことがあります。
私も本当に好きです。
ミイちゃんは寝顔は笑うほどブサイクなときもあるし、ときどき、ゲスい顔もしますよん。
蒸し暑いの、苦手だ~。
もー、髪切ろう。