4月26日はカレー記念日

カレー記念日

背中痛い 言われてのみこむ 私もよ

4月26日はカレー記念日

Jane

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カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

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ゾロメ女の逆襲

◆◇やっかみかもしれませんが…◆◇ 第32回 西川美和さんである。

 

西川美和さんである。

1974年、広島県出身。早稲田大学第一文学部卒。2002年に平凡な一家の転覆劇を描いた『蛇イチゴ』でオリジナル脚本・監督デビュー。

実は今回、【月刊★切実本屋】の回だと勘違いし、西川美和監督のエッセイである『映画にまつわるxについて』『映画にまつわるxについて2』について書こうと思っていた。すっごい面白かったから。そしたら今週は【やっかみかもしれませんが…】の回だった。

私以外の人々には「んなもん、どっちだっていいがな」であろうことは想像に難くない。自分ですら、うっすらそう思う‥わけだが、急に想定外の「やっかみかもしれませんが…」をテーマにした文章を書く気分になったのも事実で(いまさらか?)、「やっかみ?私って何に対してやっかんでいるんだっけ?」と考えるにいたったわけである。

 

実は、自分はそんなにやっかむタチではないと思っている。なににつけ、固執する方ではないと思っている。あらためて「やっかむ」の定義は何ぞやと問われると、深みというかぬかるみにハマって抜け出せなくなりそうなのだけれど、定義の糸口を探っていて思い出したことがある。

昔、職場に、他人のラッキーなエピソード(高倍率のコンサートのチケットがカンタンにとれたとか、繁華街に人だかりがしていたので近寄ってみたら「時効警察」の撮影をしているオダギリジョーがいた、とか)を聞くと、必ず「ずる~い!」と言う同世代の女性がいた。

なんの努力もなく画策もしてないのにそんないい目を見ちゃっていいないいな羨ましいな私もそんな思いをしたかったな、がその形容詞に集約されていた感じだった。決してヘビーではなく、恨みがましい目で口にしていたわけではなかったし、単なる口癖だったと思うが、私はその人に、ふだんは特にイヤな感情はなかったのに、その「ずる~い!」を口にするときの彼女だけはうっすら嫌いだった。

私は自分をアンラッキーな方だとは思わない。そりゃあ、親が離婚したり、自分の子どもを持ちそびれたり、いろんな方面に才能がなかったり、堅実な雇用先におさまる力量がなかったり(だんだん、それが運不運の問題なのか、単に自分側の問題なのかわからなくなってきた)したけれど、それでもとにかく、今の年齢まで、死ななくて、ある程度自由に動けて、常に絶望の境地にいるわけではない…ということは、ある程度ラッキーなんじゃないかと思っているのだ。

なので、自分がこの連載で発動させている数々のやっかみは、多分に甘っちょろい。要するに、生き死にの問題ではないから…ということに思い至った。

で、西川美和さんである(また言った)。

小説作品に、『ゆれる』(第20回三島由紀夫賞候補)、『きのうの神様』(第141回直木賞候補)、『その日東京駅五時三十五分発』、『永い言い訳』(第28回山本周五郎賞候補・第153回直木賞候補・2016年本屋大賞第4位)がある。

 

彼女の名前を知ったのは、小説家としての方が先だった。5年前、『永い言い訳』を読み、このサイトにも感想を書いた。⇒ 

この小説をきっかけに、彼女が映画監督でもある、ということを知ったが、映像作品の方を見ようとまでは思わなかった。

今年になって、彼女の新作映画『すばらしき世界』が公開され評判になっている。絶賛している人も多い。このサイトの主宰者カリーナさんもTwitterで鑑賞後の思いを表明していた。それがきっかけになって、私は本編を見た‥のではなく、冒頭の西川美和エッセイを読んだのであった。

いやあ、すばらしかった。こっちも「すばらしき世界」だった。読後、彼女が映画の広報活動の一環として出演したラジオ、youtubeのインタビュー、webサイトでの糸井重里との対談などなどを次々に見聞きしたが、ほぼそのすべてで舌を巻いた。嫌味のない知性、謙虚さ、を備えるだけではなく、見た目が美しい。なんだかんだ言って、それは大きい。しかも、その声にいたっては私の理想とする魅惑ボイスである。

そんなこんなで、以下の結論に達した。

世界中でいちばんやっかまれて然るべきなのは西川美和だ。活字では自身のみっともなさを赤裸々に曝け出し、なにより本人が全く易々と生きていない…たとえば、たいていの表現者(映画監督や小説家に関わらず)が「それじゃあ前に進めないから」とスルー、しないまでもあえて触れない数多の些末な日常、表現者としての作品の制作過程の細部にこそ、いちいち立ち止まり、躓くサマを、露悪的なくらいに曝す。イタい人感満載。

なんかダメさがちゃんとダメで盤石だ。やっかみ甲斐がない。それこそが完璧ってことではないか。

さらに結論は続く。

たとえ「ずる~い!」と思うような羨ましさを感じたとしても、本物に対してはやっかむ心は発動しない。身ひとつで大海原に漕ぎ出す存在には何も言えないのだ。自分は、波打ち際でパチャパチャして時間をつぶし「ああ、海はやっぱりいいよね。広いよね」などと帰ってくる人間なので、同じような狭いエリアで起こる事例に対してしか、あーだこーだとやっかめないのだ。

この、心地よささえある圧倒的な玉砕感はなんだ。

先日やっと彼女の撮った映画を見た。『夢売るふたり』。茫洋とした世界に生きる瑕疵だらけの人間たちがクリアな映像で、あられなく、でもミステリアスに描かれていた。

西川美和さんであった。

by月亭つまみ

 


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コメント、ありがとー!

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    爽子

    圧倒的な玉砕感!
    スカッとするね。

    「ずる~い」発言繰り返すひと、わたしも嫌いです。

    いつだったか、本当にうっとうしくカチンと来てしまい

    「わたしが抱えてる全部そのまま、変わったろか?」と言い捨て
    黙らせたことがあります。

    何かねえ、あまり反論しないタイプなので、きいたみたい。

    場を凍らせてしまった。ごめんなさい

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    つまみ Post author

    爽子さん、こんにちは!

    今日、西川美和さん初監督作品『蛇イチゴ』を見たのですが
    もう世界が出来上がっている感じでした。
    DVDにおまけ映像がついていて、是枝監督との対談なのですが
    まだ20代とおぼしき西川さんは、若い分、尖がっていて
    でも可愛くて、なんだか女優さんみたいでした。

    爽子さん、聞き流しているようで、要所はちゃんと主張する人
    というイメージです、私は。

    私は、カチンとくることがあっても、いっつもその場はへらへらして
    あとで怒るタイプ。
    振り上げたこぶしの収めどころに苦労します。

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