4月26日はカレー記念日

カレー記念日

背中痛い 言われてのみこむ 私もよ

4月26日はカレー記念日

Jane

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カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

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ゾロメ女の逆襲

【月刊★切実本屋】VOL.10 クセが強い小説のクセが強いかもしれない感想

 
ジョン・アーヴィングの『神秘大通り』(上・下)を読み終わりました。

並行して読んでいたエッセイもあったとはいえ、読了までほぼ一ヶ月。現在、なにかとコマ切れの時間が多いせいで小説がなかなか読めず…というのは完全な言い訳ですね、はい。

小説のリズムに乗るまで、けっこう時間がかかりました。時系列が前後するし、同じ人物でも呼称が複数あったりするし、メタファーや宗教がらみの不思議なエピソードに事欠かないし。しばらくは、何度も立ち止まったり、振り返ったりしつつ読みました。

とはいえ、たとえ上巻に20日かかろうとも、途中で読むのをやめてしまおうとは思いませんでした。なぜなら、ジョン・アーヴィングだから。彼の小説は自分にとって「そういうもの」だから。

アーヴィングの小説は、なにかと過剰でクセが強く、欠落した人間ばかり描かれ、不公平で理不尽で残酷です。死や悲劇の気配が濃厚に漂いますが、同時に妙な明るさに満ちてもいます。

彼の小説を全部読んでいるわけではありませんが、少なくても『ガープの世界』と『ホテル・ニューハンプシャー』と『サイダーハウス・ルール』と『未亡人の一年』(あれ?映画化されたものしか読んでない?)は共通してそういう印象です。

 

世界の愚かさと愛おしさが、筆先から「節度?知ったこっちゃねえ!」と迸る感じで紡ぎ出される小説は、多少読みづらかろうが、うっとうしかろうが(うっとうしいのか?)魅せられます。今回もそうでした。

『神秘大通り』の主人公フワン・ディエゴは、妹ルペとともに、メキシコのオアハカ市のゴミ捨て場(ダンプ)でダンプ・キッドとして育ちます。フワンは、ゴミの中から発掘した本でスペイン語と英語を習得し、育ての親の車に足を轢かれ障害を持つ身になります。ルペは、喉の障害で兄以外には通じない言葉を話し、人の心が読め、未来を見ることができる少女です。

稀有な才能と障害を持った「奇跡」のふたりは、母親を亡くした後、一時期をサーカスで暮らし、フワンはその後アメリカに渡ることになります。

 

そして40年後、アメリカで作家兼大学講師となっている54歳のフワンは、メキシコ時代に親しくなったアメリカ人青年との「第二次世界大戦で戦死した父親の墓参りを代わりにする」という約束を果たすために、元教え子の作家の招聘に応じ、フィリピンに行くのです。

心臓に不安を抱えるフワンは(ダジャレ?)、長年の友人でもある女性医師ローズマリーから、心臓のためのベータ遮断薬と、万が一のためのバイアグラを処方されますが、道中、彼の作品と彼自身にやたら詳しい母娘と出会い、ペースをことごとく乱され、二つの薬を服用したりしなかったりすることで、過去と現在を頻繁に行き来するようになります。

読んでいるこっちも、波乱万丈な物語によって固定観念や常識が攪拌されるのか、どんどん「なんでもあり」な気分になります。そして、果てしないような限りあるような、一過性のような永遠のような、一見、相反することが実は同じもので、それらがスローモーションとハイスビードをランダムに繰り返しながら、最後はひとつの場所に収束していくさまを目の当たりにさせられるにいたっては、「これぞアーヴィング!」と膝を打ちたくなりました。

 

そして、時折、とんでもなく魂を揺さぶられる場面に出くわすのも彼の小説の醍醐味です。

今回、特に印象的だったのは、40代のフワンが、上述の女性医師ローズマリー夫婦と作家仲間と4人でレストランに行き、そこで偶然、高校時代の同級生ヒュー・オドンネル一家と会うシーン。

フワンは、サーカスでの生活後、彼に大きな影響を与えたカップル(物語的にもきわめて主要な人物たち)の養子になってアメリカに行き、高校に入学するのですが、クラスメートのヒューは、フワンの養親を見下し、執拗に侮辱するのです。ある決まり文句を使って。

当時は、それに対して言うべき言葉を持たなかったフワンですが、30年の時を経ても一字一句違わない決まり文句と変わらない口調で自分のこどもたちを制圧しようとするヒューを見、自分の席を立ち、声をかけます。そして、ヒューの妻と、あの頃の自分たちと同じ年齢ぐらいのヒューのこどもたちの前で、高校生のヒューが養親について言ったこと、養親の真の姿、そして自分の気持ちを静かに伝えるのです。

その後、思わずローズマリーがフワンに向かって口にした言葉も含め、ここは本当に素晴らしいシーンでした。映画化されたら、ハイライトシーンとして予告編に組み込まれること間違いなし!?

 

ジョン・アーヴィングの小説はちょっとヘンだけどやっぱりおもしろい。まだまだこれからも書いていただきたいです。新作が出たら、時間がかかっても頑張って読むからさ(だったら未読の旧作も読め)。

by月亭つまみ

 

【木曜日のこの枠のラインナップ】
第1木曜日 まゆぽさんの【あの頃アーカイブ】

第2木曜日 つまみの【帰って来たゾロメ女の逆襲 月刊 切実本屋】
第3木曜日 はらぷさんの【なんかすごい。】
第4、5木曜日 つまみの【帰って来たゾロメ女の逆襲 ゾロメ日記】

 

まゆぽさんとの掛け合いブログです。→→「チチカカ湖でひと泳ぎ」


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コメント、ありがとー!

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    つまみさんこんばんは。
    記事読んで、面白そう!これは読まねば!と図書館へ行くも、まさかの、というかさすがの30人待ち・・・!
    ファンが多いんですね~
    いつやってくるかわからないので予約はせず、ジョン・アーヴィングの「あの川のほとりで」借りてきました。
    なんかね、表紙が上下ともかわいらしくて素敵なんです。

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    つまみ Post author

    凛さん、こんにちは。
    いつもコメントありがとうございます!

    30人待ち!?そうですか。
    試しに今、地元の区の図書館で調べたところ、上下ともゼロでした。
    ゼロー!?
    これはなんでしょう。文化度の違いですかなんなんですかどうしたもんでしょう(^^;

    『あの川のほとりで』の表紙、今確認しましたが、ホント、かわいらしいですね。
    私も図書館で見かけたら借りてしまいそうです。

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